続・脱力日記

描いたり作ったりしてる人のダラダラ日記

八橋人形

秋田市に江戸時代から伝わる八橋人形。
その最後の後継者だった道川トモさんが昨日亡くなられました。


画像は2003年に取材させていただいた道川さん。


記事はこちら↓
http://www.524do.com/toko/syunka/0304yab.html


この後、2008年と2009年にも取材させていただきました。
2003年の段階ですでに後継者問題は大きかったですが、
2009年にはもうほぼあきらめておられたように思います。


もちろん後継者が道川さんただ一人だけになった時点で、
ご自身も周囲も手をこまぬいていたわけではありません。
支援者の尽力により希望者をつのっての講習会が開催されたり、
ご本人も熱心な方を自宅にいれて指導されたりしていました。
でも結局そういう試みが実を結ばなかった原因の一つには、
「文化の継承物としての人形を作りたい」弟子志望者と
「生活の糧として人形を作らざるを得なかった」道川さんとの
感覚の違いがあったように思います。
「文化の継承」って言うのは簡単だけれども、
長く担って来た人とこれから担いたい人との
相互をうまく支える仕組みがないとなかなか大変です。


八橋人形は型が命で、幸いなことに型はまだ残っています。
また道川さんから着彩方法の手ほどきを受けた方もおられます。
型がなくなり、着彩方法を知る人がいなくなった時が
本当に八橋人形が無くなる時です。
そうなる前になんとか型の散逸を防ぎ
次の世代に繋げられるといいのですが。