Like a party

2017/11/4, yumbo @ 神保町試聴室 / 素晴らしかった。もう何年も、東京でのライブは観ていることになるけど、ここ数年の中でも特にこの日の演奏は良かった。
どこか不安定な、あやうさを秘めているのが彼らのライブの特長であるけれど、それよりもその日は、バンドとしての"成熟"、実りを感じられた。Vocalのあゆ子さんは(まるでわたしの敬愛する山口百恵のように)圧倒的にステージ上の歌手であり、仕草や視線、まばたきなどが女優のように細部まで計算され演じられているよう。サポートゲストを含め演奏も非常に安定していて、曲の美しさや不穏さがよりきわだっていた。管楽器や打楽器の音が重なりゆく様はなにかひとつの空間を満たしてゆく色のようであった。新曲の衝突トリロジーも、2ndアルバムからの曲も、現在のメンバーで再構築されより曲の強度を増していた。
yumboの、澁谷さんの書く詞は遠いなにか普遍的なものを歌っているように聞こえて、でも至極至近な事柄や感情を暗喩して歌っているのでもある。そのことばの選び方やメロディーへの乗せ方がとても好きで、何度聴いても飽きることがきっとない。目前で演奏されるyumboの音楽に歌に詞に、何度も何度も身体がぞわぞわと興奮し悦んでいた。年に数回しかライブをすることがないのだけど、それぞれのメンバーが考え方や形を変えながらも同じ時間を生きていて、そうやって集まってyumboとして音楽を奏でていることに深謝したいくらいであった。生きているうえでよかった夜のひとつに数えられたし、なにかによって救われる魂などがどこかにあるのなら、ここにもきっとあった。
はじめて「鬼火」が愛の歌、おだやかな心の歌に聴こえた。

インターネット上ではこのようにして枯れていくのだろうとわかった。PCを開いて文章を打つ代わりに手帳に日記を書き込むことが増えていた。2017年の春から夏にかけてを総括して残しておきたいとは思いつつ。要約するならば、1)偏見に気付いたりそれを打開したり乗り越えたりしてきたこと。2)過去から今までの時間軸上の点に立ち返り、それを線でつなげていったこと。3)好きになったり嫌われたり他人との関係について悩んだり感謝したりすること。あとは脚色なく本当に月1ペースで風邪をひくので免疫力を向上させたい。

ロロの「父母姉僕弟君」の再演を観て、やっぱりめちゃくちゃよかったし思い出すと泣きたくなる。ロロを初めて観たのが5年前の初演で、それまで演劇をほぼ観たことがなかったこともあり「なんかすごかったなあ」という記憶しかなかったのだけど、なんでこんなに切なくて泣きたくなるのかをちゃんと知りたくて、できれば、もう1度観に行きたいと思っている。