「暮しの手帖」を買ってみた


普段雑誌ってあまり読まないんですけどね。たまーにキオスクでヒマつぶしに買うことはあるけど。でもよく読んでる人のところで言及されてたのを見て、なんとなく一度買ってみたくなったわけです。

暮しの手帖 2008年 02月号 [雑誌]

暮しの手帖 2008年 02月号 [雑誌]

なにしろこの「ひと口で冬じゅう温かいスープ」というのにひかれてしまいました。で、期待どおり料理の記事はなかなか参考になります。ノリというか雰囲気としても、僕は例えば「クロワッサン」とかよりこっちのほうが好きかも。この号に載ってる「ミートボールとねぎのスープ」はもう作ることにしました。近いうちに。


いやマジで意外といい雑誌かもしれない。社外広告とってないそうなので、雑誌にしちゃ極端に広告が少ないのも好印象。自社広告だけだからな。でも坂東なんとかさんの女性のなんとかとかいう本の広告はちょっとゲンナリしなくもない。まあそれはいいです。
広告といえばこの号では「雑誌は広告のかたまりなのか」という記事があって、これもなかなか興味ぶかい。女性誌10誌から広告のページ数と割合を調べてるんだけど、まとめられてる表から割合の多い4誌を挙げてみると、こんな感じ。

雑誌名 広告ページの割合
オレンジページ 36.3%
サンキュ! 31.6%
SPUR 30.0%
クロワッサン 28.9%

部数の多い雑誌では、1号あたりの広告収入*1が1億を超えるものもあるんですねぇ。雑誌にとって広告が重要なのは聞いていましたが、数字を見るとすげーな、と思いますね。50%を超えると第三種郵便物にならないのかー、へー、とか。でも半分以上広告の雑誌ってありそうな気がするなあ。トラ技とか、かなり多かった気がする。どうだっけ?
まあ、広告とってないから「暮しの手帖」はエライ、などと言うつもりはないんですが。それじゃ回し者だもんね。


それと買ってみようという気になったのは、その某所で言及されてただけじゃなくて、前からちょっと「一度見とくか」と思ってたところはあるんですよ。この雑誌、創刊者の一人が花森安治というグラフィックデザイナーなんです。この人がですね、戦時中には大政翼賛会の人でして、プロパガンダ広告に関わってるんですよ。その花森が、戦争に対する反省から「生活者中心の雑誌を」という思いで作っていったらしいんですね(昭和45年に書かれた見よぼくら一銭五厘の旗という詩もご一読を。)。


僕はプロパガンダのデザインにちょっと関心があるのと(ある時期のプロパガンダ広告には、グラフィックデザインとして非常に完成度の高いものがあるのです)、あと椹木野衣の『日本・現代・美術』で言及されてたのを覚えていて、それでちょっと頭の隅にあったんです。

日本・現代・美術

日本・現代・美術

この本での椹木の議論は僕はあんまり好きではないのだけれど、たしか最後のほうで「暮しの手帖」に触れていたところが、なかなか味わいぶかかったという記憶があります。手元にないので確認できないんですが。


それはそれとして、実際読んでみると、いやー、やっぱ時々買っちゃうかもこの雑誌。わりと好みなんだなーこういうの。どうしよう。あ、とりあえずスープ作ってみてから考えようっと。

*1:暮しの手帖」が各誌の広告掲載料から算出したもの