2012-01-10 ゴリラ4コマ漫画
『ゴリラ4コマ漫画』
漫画:小林ごり太 解説:うちもり
登場人物紹介
・ゴリラヒューマン……ゴリラと人間が交わって誕生した禁断の生物
第一話『ナックルウォーキング』
<うちもりの解説>
まず最初に断っておかなければならない。
これは、あくまでも私、うちもりの解釈である。
一つの意見として、あまり固くならずに読んでいただければ幸いだ。人の数だけ解釈はあるのだ。でも私は私の解釈が正しいと思っている。
では一コマ目。
「ナックルウォーキングってなんだと思う」と左の彼。
これは四コマすべてを読めばわかることだが、決して右の彼に問いかけているわけではない。これは読者へ問いかけているのである。
挑発的なセリフである。私は怒り心頭に発した。
「それくらい知っているぞ! 私をなめるな! いや! なめろ! そういった意味で、だ!」
私はアドレナリンが体内を駆け巡るのを感じた――そう。それはチーターが獲物を追うときのような、そんなスピードだった。
ガリガリ君を食べたら治まった。
それにしても、左の彼の唇が私には非常に不愉快だ。
そして、
「ナックルウォーキング」と右の彼がいう。「それは四足歩行」
「握りこぶしで地面を突く」と左の彼が続ける。
最後に、
「ナックルウォーキング!」と二人が実演。
この一連の流れ。
これらは感覚的に捉えるべきものである。ご存じ魔法の言葉、
「考えるな! 感じろ!」だ。
私が解説する余地などないのかもしれない。
そこで、生臭い魚とそうでない魚の話をしようかとも思ったが、やめる。
二コマ目が一コマ目の右の彼のコピーである可能性については……まあこれも違うに決まっているか。
この漫画で、ごり太氏は私たちのユーモアセンスを試している。
「これを笑えないようでは……フンッ! もう一回学級王ヤマザキから読み直してきなッ!」
と思っていることは明らかだ。
私はこの四コマ漫画を読んで、
「ごり太氏とはうまい『いちごオ・レ』が飲めそうだ。一つのコップにストローを二本差し、両方とも一人でくわえて飲みたい」
と思った。
第二話『食事』
<うちもりの解説>
まず最初に断っておかなければならない。
これは、あくまでも私、うちもりの解釈である。
一つの意見として、あまり固くならずに読んでいただければ幸いだ。人の数だけ解釈はあるのだ。そして人の数の約半分は異性のはずなのだが……。
まず一コマ目。
左の彼は真顔だ。「バナナよかったらどうぞ」
思春期丸出しである。
にこやかにバナナをどうぞなんていったものなら、同級生にからかわれること必至なのであろう。
「もしかしてお前ら付き合ってるの?」
「ち、違うし! 俺ら男だぞ!」
「いや、付き合ってるんだろ?」
「だから違(ちげ)ーって!」
左の彼の右腕の下の乳首が気になる。
二コマ目。
「うおおお」と右の彼が勢いよく喜んでいる。
確かに、バナナを貰うのは嬉しいことなのだろう。自分のバナナを他の人にあげるなんて、左の彼はとても心が広い。もし私がゴリラだったら――
――バナナが一本ある。渡そうかな。でもせっかくのバナナ……自分で食べたいな。いや、でもいつもお世話になっているしな。いや、でも、バナナだし、無理に渡さなくても……でも、半分に割れば……いや、全部食べたいな。うん。自分で食べよう!
というわけさ。
鼻のふくらみはさすがごり太氏といえる。
そして三コマ目。
「うおおお」
喜びすぎて頭をおかしくしてしまったのだろうか。全力で鼻から食べようとしている。
人間、喜びすぎるとろくなことをしないものだ。
道頓堀にダイブ。宝くじで三億円を当てた人のその後の人生。東京の有名大学に受かった友人の通勤ラッシュ自慢。
最後に四コマ目。
「うおおお」
かなり鼻がでかく、余裕に見える。
私には鼻から食べては折角のバナナを台無しにしてしまっているような気がするが、きっとそうではない。ゴリラの奥深い考えなど、私にはわかるはずがないのだ。
私はこの四コマ漫画を読んで、
「ごり太氏とはうまい『スペアリブ』が食べられそうだ。私は肉を食べ、ごり太氏には骨をあげよう」
と思った。
第三話『オーダー』
<うちもりの解説>
まず最初に断っておかなければならない。
これは、あくまでも私、うちもりの解釈である。
一つの意見として、あまり固くならずに読んでいただければ幸いだ。人の数だけ解釈はあるのだ。しかしもし私と同じ解釈の人がいたら、それは考え直したほうがいい。
一コマ目。
「食後のデザートはいかがですか」とゴリラ。
飲食店の店員だろうか。
私ならば、「いえ、いいです」と答えたくなる。お節介だ。少しでも利益をと考える店の歪んだ表情が見えるようだ。
――今日はパフェ食べようかな☆
と思う日はよくあるが、それを向こうから勧められると、苛立つ。頼みますが。
二コマ目。
「じゃあ……イチゴパフェを」と客ゴリラ。
恐るべきポージングである。
セクシーなのか? いや違う。じゃあなんだ? ゴリラであることはわかる。しかしなんだ? わかりません。なんでこんなに優雅な感じなのか。歯が細かく描かれていて気持ち悪い。
三コマ目。
「イチゴパフェですね。かしこまりました」と店員ゴリラ。
やけに真面目な顔だ。さすがである。店員の鑑だ。と誉める程のことではありません。
四コマ目。
「バナナパフェひとつッ、入りました!」
やはり、といったところか。
二コマ目でイチゴパフェに疑問を持った読者は多いだろう。むろん、店員ゴリラもそう感じていたのだ。
しかし、無意識である。無意識に、イチゴパフェをバナナパフェと頭の中で変換して厨房へ叫んだ。
これぞ「ゴリラ」、だ。
私もさすがにこれには感服せざるを得ない。
客ゴリラも、特になにもいわず、バナナパフェを食べるだろう。そして数年後、思い出すのだ。
――あのとき店員さんがイチゴパフェではなく、バナナパフェを持ってきたからこそ、いまの私があるのだ。
と。
昔小耳に挟んだゴリラ名言、
「ゴリラは、バナナを食べることでゴリラ足りうる」
だ。
このゴリラがこの日のことを忘れることは決してないだろう。
そしていつの日か、この店員を探す旅に出る。その話については勝手に考えておいてください。
私はこの四コマ漫画を読んで、
「ごり太氏とはうまい酒が飲めそうだ。むろん私はカシスオレンジで紳士に攻めていきたい」
と思った。
最終話『祈り』
<うちもりの解説>
まず最初に断っておかなければならない。
これは、あくまでも私、うちもりの解釈である。
一つの意見として、あまり固くならずに読んでいただければ幸いだ。人の数だけ解釈はあるのだ。そしてゴリラの数も。
それでは一コマ目。
「生まれ変わったら天空のゴリラ大天使になれますように……」とゴリラ。
このゴリラの祈りがどうやら高望みであることは読み取れる。その理由としては、名前が仰々しいからです。
ここで「天空の」に着目する。
「天空の」ということは、ゴリラ大天使にはさまざまな種類がいると考えてよいのだろう。「地上のゴリラ大天使」、「地底のゴリラ大天使」、「海底のゴリラ大天使」などがいると私は予想する。
それではなぜ、このゴリラは「天空の」ゴリラ大天使になりたいのか?
やっぱ「天空」ってかっこいいからかな。
二コマ目。
「ゴリラ神よ…」と祈るゴリラ。
よく見ると指がぐちゃぐちゃ。
三コマ目。
「ウホ」と波動が辺りを覆う。
「ゴリラオノマトペ」だ。ゴリラと言えば「ウホ」。定番中の定番だ。ちなみに私が先日、誤ってガラス器具を割ったときに出た声も「ウホ」だったが、それとは別ものである。
四コマ目。
たくさんのゴリラが一体のゴリラの中でひしめいている。
天罰だ! 神(ゴリラ神?)の逆鱗に触れたのだ!
天空のゴリラ大天使になりたいと願うことすら愚かなことだったのだ!
このゴリラは今後、どうなるのだろうか。このような体で、ゴリラの群れでうまくやっていけるのだろうか。各ゴリラは個々に意識があるのだろうか。
かわいそうと思う以外ない。
――ただ、哀れむことしかできない。
度々あることだ。
そしてその度に、私たちは成長していくのだ。
まさにラストを飾るにふさわしい四コマ漫画であったと言えるだろう。
私はこの四コマ漫画を読んで、
「ごり太氏とはうまいワインが飲めそうだ。あ、私は辛口は苦手なんで甘口でお願いします。もちろんおつまみは、『ゴリラの鼻くそ(お菓子)』でね」
と思った。
ご愛読ありがとうございました。




