「メルトダウン」と「スペクター」の騒ぎで思うこと

Intelが見苦しい」の一言に尽きますな。
どちらも「CPUの『投機実行』機能に端を発する」ということで同列に扱われているメルトダウンとスペクターですが、これがそもそもの間違い。まあ発見が同時だったというのもあるんでしょうが、「Intel製品限定で発生し*1影響が大きいメルトダウン」と、「CPU全般で発生しうるが影響が小さいスペクター」を、まとめて扱ってるからややこしいんです。というか、スペクターにかこつけて「メルトダウンがCPU全般で発生する」と誤解させるかのようなIntelの公式コメントが一番の問題。まあ一説にはメルトダウン対策により30%の性能ダウンが発生するとも言われているので、Intelとしては自社のみのイメージダウンを避けるために、形振り構わず喚いているということなんでしょうが……。
WEB上のあちこちで言われていますが、いまIntelが発表すべきは「うちだけじゃないんだ」的な言い訳じみたコメントではなく、メルトダウンの影響範囲でしょう。もしかしたらメルトダウンが「見つかったばかり」と勘違いしている人も居るかもしれませんが、実際のところ去年の6月には発見者であるGoogleからCPUメーカーに伝達されているんです。今回慌ただしいことになったのは、マスコミにすっぱ抜かれたからであって見つかってからの期間が短いからではありませんし、そもそも数日後(ニュースなどによれば1月9日)には発表される予定だったんです。
半年も時間があって、数日後には発表だったんですから、何も用意できてないはずはないんです。発表しない理由があるとしたら、あまりの広範囲&影響度に発表できずにいるか、もみ消す気満々でそもそも発表する気が無いか、そんなところなんじゃないかと。
ちなみに蛇足ながら、AMDの公式発表によれば、メルトダウンは「アーキテクチャの違いにより存在しない」、スペクターは「構成する2つの脆弱性のうち、片方は発生が確認されておらず、もう片方はソフトウェアで対策済み」とのこと。ウチも普段使いはメイン・サブ共にAMDのCPUなんで、とりあえずはOSとソフトのアップデートを確認するだけで済みそうです。

*1:Intelの弁によればARM系でも発生しそうですが今のところARMから公式の発表はない模様。