やっと、初秋に

 お彼岸になると暑さも和らぎ、やっと初秋を迎えた感じがする昨今。その秋を探しに近所を歩いてみた。

 私にとって、子どもの頃から「秋」を象徴する花は「サルビア」。今も変わりはないが、温暖化のせいなのか、もう7月には最盛期を迎えて、今は終末期に。我が家の庭先にも数本、近くの公園の花壇には毎年、子ども会の皆さんが育てている。

 サルスベリ。樹木が大きくなると樹皮(コルク層)が剥ぎ落ちて、新たにすべすべした樹皮が表面にできて、すべすべの感触になる。猿が登ろうとしても滑って登れないことから「サルスベリ」と命名されたという。別名「百日紅」。「百日咲いていることからこの名前がついた」と、友人。「樹齢千年以上の大木もあるよ」とも。道端に、2mくらいの木に咲くフヨウと柿の木を発見。フヨウはピンクの大きな花で、どこでも見られる。柿の実はまだ青く、あと十日くらいすれば食べられそう。秋を代表する絶品の一つ。子どもの頃、畑の周囲に何本も植えてあって、干し柿にして冬の「おやつ」として食べた。

 この辺りは、おいしい「コシヒカリ」の産地。9月上旬には収穫を終えるが、品種(モチコメかな?)が違うのかな、一部、稲が残っている。この地域の「鎮守の森」は枯れ葉が舞い、ひっそりしていた。来月は大祭がある。

 江戸川。堤防の草はきれいに刈り取られ、冬を待つ。江戸川は利根川(322km)水系の分流で、千葉県野田市北端の関宿分岐点から市川市の河口(東京湾)までの約60km。この地点は河口から約37km。対岸は埼玉県の吉川市三郷市、更に南は東京都。曇っていたので、スカイツリーは見えず。彼岸花も秋そのもの。近隣には群生しているところがなく、雑草と一諸に咲いているのをやっと見つけた。しかし、相変わらず鮮烈な印象。
  だしぬけに咲かねばならぬ曼珠沙華  後藤夜半
  曼珠沙華散るや赤きに耐へかねて   野見山朱鳥