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藤宮史の日記

2016-06-28

一週間が吹き飛んだ

11:25

 午前11時すぎ、雨天。気温摂氏25度前後。小雨になって、雨ふりの音は聞こえない。

 21日から一週間、三島に幽閉されていた。雑事を、遠方にいて出向いて処理せねばならぬ身の上は哀れである。而も感謝されず、老耄の言辞に辟易しても、短気をおこすわけにもゆかない。まことに苦しいかぎりである。

 昨晩、ようやく逃げるようにして解放されたが、まだまだ難事は多い。ひと頓挫していた木版画の未完成品を見ると溜息ばかりがでる。併し、しぶとく作業を続ける以外にない。

2016-06-14

木版画「ばら園」完成目前 !!

18:55

 午後6時半ごろ、曇天。近所のセブンイレブンまで自転車に乗って食料の買い出しと82円切手を購入して手紙を出す。コンビニの店内に立つと弱い立ちくらみのような感じになって気分がわるくなり、早々に引き揚げた。またしても肩腰の凝りによる血行不良らしい。自分の軀に老人を感じる。

 体調不良により仕事が思うように出来ないが、手紙を書いたりメールでの連絡などは頻繁におこなっている。6月10日は、母親の容態が悪いとの父親の一方で三島に駆けつけたが、案に相違して危篤と云うことではなかった。併し、具合が良いわけでもない。私は10日、11日と三島に居て、食糧の買い出しやら選択やらで忙しく立ち働いたが、その疲れが今になってじわじわ出ているようである。

 体調がわるくなるまえに木版画「ばら園」の制作は進行していて、今は予定の色版の刷りをすすめている。

 「過去に気になった物たち」を掲載したい。今回は、大正時代のコインホルダーである。硬貨を収める部分が50銭、10銭、5銭、1銭のコインの寸法になっていて時代を感じさせる。江戸時代明治時代の財布ときて今度は大正時代であるが、すべてお金に関する物である。これは私の古銭趣味からきている。

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▲上着のポケットに入れたコインホルダーを取り出して、粋に会計を済ませていた往事が偲ばれる。

2016-06-05

再び木版漫画制作へ

01:57

 6日、午前1時半ごろ、曇天。室内気温摂氏25度。木版画「ばら園」の手刷り作業を継続しているが、中腰作業で腰を痛めて今日は頓挫している。齢50をこえて、すっかり軀が弱くなったようで、一日に出来る作業量が極端に少なく限定されている。少しでも制限を超えて作業をすると、肩腰がひどく凝ってしまって、全身の血行不良を引き起こし、手足が痺れ、またそう云うときは就寝時でも脳髄への血流が滞るようになって酷い動悸と共に飛び起きることになる。・・・と、云うことなので軀と相談しながら作業をしている。

 木版画の刷り作業が連日出来ないので、その間は木版漫画の下絵を描くことにした。以前から中島敦の「山月記」が気になっているが、今回は梶井基次郎の「檸檬」の下絵を描いている。この短篇小説の舞台は日本の京都の大正時代から昭和初期頃であるので、私としても興味のある時代なので遣りやすい。併し、実際鉛筆を握ってみると、意外と筆は走っていかない。それは、おもに木版漫画が即売性のある、換金性高い仕事ではないことが関係しているようだ。私のところはとても貧乏なので、毎日懐具合と相談しながら創作しているが、そうそう霞ばかりを喰ってはいられない、と云うことである。「えたいの知れない不吉な塊が私の心を始終圧えつけていた」と檸檬の冒頭にあるが、私の気分もほぼこれと同一である。

 「過去に気になって物たち」を掲載する。今回は、江戸時代の財布である。

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▲留め具に鹿の角らしき物が使われている。

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▲財布を開くと織りの美しい裂が出てくる。

 お宝自慢のようになってきたが、またつづく。

2016-05-31

カフェ・ド・ヴァリエテ

20:08

 午後4時頃、晴天。マキコとふたりで阿佐ヶ谷にあるカフェ・ド・ヴァリエテでコーヒーを飲んできた。マキコは以前この喫茶店へ行ったことがあったが、そのとき、ここが随分いい喫茶店だと連呼していた。わたしは、嗚呼そうかといい加減な返事をしていたが、今日行って、コーヒーをひと口飲んでみて、マキコが言うように随分いい喫茶店であることが判った。私は、深煎り豆で、ネルドリップ式の抽出方法を選択してみたが、このコーヒーが、まあ美味しいこと、びっくりした。・・・また、店内の椅子に坐っていると、白川静なる名前が聞こえて、それから店内に置かれたミニコミ雑誌(リトルプレス)からは富永太郎の名前があり、なんだか、いつもとちがった時間を過ごした。喫茶店を出ると、阿佐ヶ谷神明宮に立ち寄り参拝する。そして、猿田彦神社の小さな祠も参拝。仕事がうまくゆくように祈願した。

 木版画「ばら園」の印刷作業は順調に進行中である。背景の黄色の色版と薔薇の茎と葉の版の印刷は終了して、次は薔薇の花びらの版を刷ってゆく。赤色にしたいと思っているが、まずは淡い赤色で刷ろうと思う。

 先日、図書館で借り受けた石川啄木の日記を読んだ。啄木のことは、この日記を読むまえに啄木が登場する漫画を読んで日記の内容はだいだい知っていたが、改めて読んでみると、啄木が如何に非道い人物であるかがよく判った。こんな人物が近くにいる人たちは不幸である。まさに才あって徳なしの典型である。併し、後世の人たちからすると凄い文学者歌人と云うことになるのだろう。世の中の不思議は、ここのところにある。

2016-05-26

中国での展覧会無事閉幕

23:10

 午後11時すぎ、曇天。気温摂氏25度。風が幾分出てきた。明日の東京は朝から雨降りになりそうである。

 先日の、中国杭州市での展覧会は盛況のうちに無事閉幕になった。私の木版画も幾枚かが売れ、とうとう中国本土にも私の猫の版画が進出したことになった。このたび展覧会にご来場になられたお客様ならびに関係各位に感謝の気持ちを捧げたいと思う。

 それから、話は戻って、30年、40年前だとパリ、ニューヨークが画壇の中心地のようになっていたが、今ではアジアが力をつけて、どの分野においても発展的になってきている。将来的に世界の中心はアジアであろうと思う。

 木版画「ばら園」の手刷り作業は順調に進んでいる。と言っても、多色刷り木版画なので10枚の版画を完成させるのにひと月ぐらいは掛りそうである。

 また、「過去に気になった物たち」を掲載したい。今回は、明治時代の財布である。これについては特別な謂われはないが、私の手許に10年ほどまえに来て、大切に仕舞い込んでいる。

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▲細かい網目が美しい。

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▲飾り金具に精緻な彫金がされている。

 飾り金具は、現代では失われてしまった卓越した彫金技術と膨大な作業時間を投入して作られている。この財布は、私が今から10年ほどまえに購入したものだが、その時の購入金額は制作当時の販売価格の10分の1にもいかないと思われる微々たるもので、現代の物の価値感に疑問を感じる。

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▲財布を開くと織りの柄が美しい。

 金糸で絵柄を織り上げている。洗練された豪華さがある。