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藤宮史の日記

2016-09-21

読書の夜

12:31

 午後0時すぎ、曇天。気温摂氏23度。台風16号は通過して、今は東京も穏やかである。

 このところ夜になると読書をしている。昨夜は「改造」昭和6年11月号の「東京暗黒街探訪記」葉山嘉樹、里村欣三著を読んでいたが、このルポルタージュはゴーカイ屋と言われる街娼を取材したり、またルンペン(ホームレス)の生活事情を詳細に伝えていて読みごたえがあった。そして、「富川町から(立ン坊物語)」里村欣三著や「日立鉱山事件入獄記」麻生久著を読んでいる。「日立」は大正8年当時の獄舎のようすが詳細に語られていて読んでいるこちらまで軀が冷えてきたり悪臭に悩まされてくるような気がしてくる。獄中記はいつの時代のものでも興味深く読めるが、併し、獄舎の様子の、なんと非人間的なことであるか。懲罰の意味もあるのかもしれないが、獄舎に身を置くだけで充分人間不信になりそうである。

2016-09-16

懶惰の日々

13:22

 午後1時すぎ、雨天。窓外は細かい雨降りになっている。このところ思うところなく時間だけが虚しく過ぎている。木版漫画の出版など、ひと段落した感がありチカラが抜けているのかもしれない。若しくは、生活において、もう出せる改善策が尽きた感もあるのかもしれない。いまがまさに「今が陽のあたらぬ春」との実感であるが、やはり陽があたらないのは変わりないようで、ここを過ぎれば陽があたるわけでもないらしい。それに、またしても神経痛が軀のあちこちに出て往生している。頭皮の神経痛は煩わしく、肋間神経痛は息もできなくなる。その他、足の踵や腰骨、背中、腕、足等どこでも神経痛はやってくる。小説家尾崎一雄が自身の神経痛を喩えて地震震度で神経痛の強弱を言っていた。つまり、今日の神経痛は震度2程度で穏やかである等である。私の神経痛も、まだまだ穏やかなほうだろうと思っている。震度3ぐらいしか経験していない。いずれもっと歳を取ると強震になるかもしれないが、今は穏やかなんだろうと思っている。

2016-09-01

発売記念フェア開催

00:11

 午後0時前、晴天。9月1日から9月19日までの期間、ブックギャラリーポポタム(西池袋)において私の単行本「或る押入れ頭男の話」の刊行記念フェアを開催している。今回は既刊の「黒猫堂商店の一夜」や黒猫堂刊行の冊子「蜘蛛の糸(木版画付き)、「唐傘奇譚」や詩集「青い空」(木版画付き)販売している。また額装した木版画チェロ(手彩色青色バージョン)」「押入れ頭男・高円寺風景」「ねこしんぶん」の3点も展示販売しているのでご覧頂きたい。

 ◆ブックギャラリーポポタム 東京都豊島区西池袋2-15-17 TEL 03-5952-0114

 先日、阿佐ヶ谷の書店「書楽」と「書源」で「或る押入れ頭男の話」が販売されているところを見かけて嬉しかった。「書楽」は棚に表紙の絵を見えるように陳列され、また「書源」は平積みで残数3冊で、横にアックスと安部慎一著「美代子阿佐ヶ谷気分」が並べられて売れらていた。誠に有り難い対応である。私のところは相変わらずの窮迫生活であるが、金銭のことを抜きにすると随分運気が上がっている。今は、まさに「今が陽のあたらぬ春」なのかもしれないと実感している。まれにしかない今を存分に楽しみ味わいたいと思う。

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▲アックスと安部慎一作品と並んで販売されているのは嬉しい。

2016-08-27

安部慎一展をみる

13:26

 午後1時過ぎ、雨天。気温摂氏27度ぐらい。台風10号の接近にともない細かい雨が降っている。当分雨降りが続くらしい。

 昨日は、夕方頃陽が傾きかけたころから阿佐ヶ谷の街に単身自転車で出かけた。ギャラリー白線で開催されている「安部慎一」展を見るためである。

 路地裏にあるギャラリーの向い側の路地に自転車を停める。停めた所は、一日の作業が終って誰もいない一戸建ての基礎工事現場で、狭くごみごみした路地裏であったが、そこだけ歯が抜けたように空間があいていた。

 その土地は、25年以上昔、質屋松坂屋があった土地であった。白木の引き戸の門構えで、日本家屋の平屋だった。白髪の、坊主頭の小さな老人が質屋を経営していた。一見抜け目のない顔をしていたが、私の価値のない古本などを無理を言って預かってもらっていた。世話になったな、と質屋のない土地を見ながら、もう泉下の人だろう質屋の老人を思った。

 「安部慎一」展は「阿佐ヶ谷心中」の生原稿が額装して展示してあった。それを見ながら、もう自分には70年代への情熱が無いなと感じた。原稿は枠線のはみ出したところをホワイトで修正している部分が随分見うけられて、こんなにも、うまく線がひけないものかと、へんに感心してしまった。それから、展示原稿からは描画のはっきりとした情熱が感じられず、併し、印刷された漫画になると読者に雄弁に印象深く語りかけていて作画の技量の高さに感服した。

2016-08-22

台風9号通過

19:49

 午後7時半ごろ、雨天。気温摂氏25度ぐらい。今は、ほとんど雨は降っていない。風も吹いていない。台風9号は北上して東京は通過した。

 今年のお盆の時期は忙しくて、仕事がはかどらなかった。今になって漸く気持ちも落ち着いてきた。併し、仕事をするだけの気分にはなっていない。つくづく、この芸術と云うしごとは気分が大きく左右するものだと実感している。ただ絵を描き、それを彫るだけの仕事ではない。簡単なようでいて出来にくいことだと思う。