版画家の休日

 午前10時前、曇天。三島の空は鉛色である。わが心まで鉛色に染まっている。版画家の休日も、やはり、悠長な気分ではいられない。御多分に漏れず、わたしのところも介護問題が惹起して、今まさに、孤軍奮闘ひとりだけで立ち向っている塩梅である。

▲部屋の中から外を眺めるが、厚いカーテンがあって、やはり、何も見えない。
 洗濯機を2回まわし、ごみ出しは、一輪車にたくさん積んで、100メートル先のゴミ集積所に運ぶ。40年以上放置していた物置小屋の荷物を分別処分している。ほとんどが不要なもので、今まで放置していたのが信じられない。
 あまりの量に、一朝一夕に片付く話ではなく、半月、ひと月は掛かる仕事である。それに不要な箪笥やらテレビ台、大型冷蔵庫、大きな衣裳ケースが12、3個あって、車のない私にとっては処分は業者を頼むほかになく、また、それらの片づけが終れば、今度は、プレハブ物置小屋の解体撤去作業と云う途方もない仕事が待っている。つくづく、うんざりする現実である。これも、すべては、不肖の父親をもったばかりに、過酷な運命に晒されているが。・・・併し、世の中、下には、もっと下があり、まだ犯罪者の親や育児放棄、離婚して育児をしない親、失踪する親、暴力をふるう親にくらべれば、私の父は、なんぼましかもしれない。
 それでも屈託がたまると、それを晴らすために、ときおり散財をする。・・・と、言っても、500円で済む食事を1000円にする程度の散財であるが。

▲ラーメン屋の名刺である。
 ラーメン店「ROTAS」は魚介系のスープのラーメンが旨い。長閑な田園風景のなか、駿東郡清水町堂庭8-7にある。私は、チャーシュー麺(950円)をたのんだが、いささかチャーシューの量が多くて、完食するのに難儀した。ラーメンを食べたと云うよりは、焼肉を食べた感じがした。栄養補給にはもってこいである。