不動産登記

 午前11時、雨天。昨日から、ぱらぱらと雨が降り続いている。この頃は、木版漫画の制作は停滞ぎみで、そのかわり別の作業に掛っている。おもに自分の仕事ではない部分が多く、ふと、手をとめて、長嘆息になることが多い。父親の遺した猫の額ほどの山の土地は、今では誰も行かずに草木の茂るにまかせている。

▲この山道の右側に、山の斜面に小さな家一軒分の狭い土地がある。
 中野の不動産登記所に出向いて、不動産の名義変更をしなくてはならない。併し、この山の土地には、まるで価値がなく、生前、父親も40年前の不動産屋と、それを斡旋していた某地方代議士に騙されたと嘆いていた。併し、それも、すべて昔話である。騙した方も、騙された方も、今ではすべて鬼籍に入っている。昔話はさておき、どのような物件であっても固定資産税が掛るそうで、放ってもおけない。私には、土地の問題、資産関係の話は無縁だと思っていたが、また、そのように生きてきたが、宿縁なのか、このような事が私の人生にも絡みついてくる。