最近読んだ新刊系

まずは『ブログスフィア』。マイクロソフト唯一の公式ブログ『チャンネル9』の運営者とかが著者みたいなんだけど、文中に「本書の著者の○○は」みたいな記述が出てくるもんだからちょっと混乱しました。
向こうのちょいワルエンジニアみたいなハッカー系の若者が本を書くときって、ちょっといきがって読者に語りかける口調で、内輪ネタのジョークを交えたりしながら話を進めていったりするじゃないですか? 仮に昭和軽薄体にあやかって“21世紀西海岸軽薄体”と勝手に名付けましょう。
ひょっとしたらこの本は、その21世紀西海岸軽薄体で書かれた文章から、いきがってる部分を削ってマジメな感じに意訳してるんじゃないかなんて思ったりした。
いや、アメリカのブロガーがブログで何を書いたりしてるんだろうとかいうのがわかってとてもオモシロイ本ではありました。

ブログスフィア アメリカ企業を変えた100人のブロガーたち

ブログスフィア アメリカ企業を変えた100人のブロガーたち

『インターネットの法と慣習』。YouTube著作権についての議論なんかがあつかったりしていたしタイムリーに発売されたと思う。内容がおもしろければ、こういうアバウトな本の書き方もありなのかと自信を持ったり持たなかったり(全般に渡って「僕は思う」的な言い回しや、引用元がアバウトだったり)。著作権法原理主義者の人、例えばid:ululunさんなんかも読めばいいとおもった。


検索エンジンがとびっきりの客を連れてきた!』。「Web2.0が来るよ!」って漠然と言われても困るという人のために、鯖寿司屋さんとか小規模事例を集めた良本。
信者を作り上げて、自社のロゴ入りTシャツで収益を挙げるという某渋谷の会社のビジネスモデルも事例に入れればよかったのに。

それから『団塊パンチ』の2号目。ビートルズ特集。サージェントペパーズのジャケットに張られている人物を征木高司が全部紹介するという良企画。高校時代に初めてジャケを見たときは、ほぼ誰も知らなかったに等しく、32歳になった今の僕が見ても半分以上知らない。
サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド
あと、中山康樹による『オノ・ヨーコ罪と罰』がすごい。ジョンの死後のジョン・レノンのPRをいかにうまくやったかみたいな話。
たった5枚しか存在しない「ジョンが単体の名義で生前に発売したアルバム」の選曲を変え、ジャケットを差しかえるというのは確かにひどい。
Walls & Bridges
これ↑が↓こうなったのか。
心の壁、愛の橋<リミックス&デジタル・リマスタリング>(CCCD)

あと先日、団塊パンチ赤田祐一編集長にインタビューをさせていただきました。カルチャー系の雑誌がすべてパブ雑誌と化しているこの時代に赤田氏が何を感じているのかはとても興味があったし、憧れの人の1人であるので今インタビューができたのはとてもよかった。掲載が決まったらお知らせします。

団塊パンチ (2)

団塊パンチ (2)