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2007-09-18

新風舎より削除要請がきた 新風舎より削除要請がきたを含むブックマーク 新風舎より削除要請がきたのブックマークコメント

先週、はてなより削除要請のメールが来た。

さて、このたびid:gotanda6様にご利用いただいているはてなダイアリーの下記記事「騙されてないすか?」

http://d.hatena.ne.jp/gotanda6/20070731/book

の記事内の「新風舎って、あの詐欺まがい商法の?」との記述につきまして名誉毀損、信用毀損、営業妨害に該当するとして、株式会社新風舎より削除要請が参っております。

先週はあまりに忙しかったこともあり、要請通り削除したが、この際だから新風舎についてちょっと書いておこう。

 

新風舎は昨年の出版点数だけでいえば講談社を超える、日本一の出版社。

しかし、講談社などの普通の出版社とビジネスモデルはまったく違う。新風舎は“共同出版”の出版社。共同出版は、自費出版本を一般書店で売ることができるということを売りにして、お金を集めるというビジネスだ。

この手のビジネスは定年退職後の有り余る時間で自分史を書こうとする裕福なシニア層向けなのかと思いきや、最近はむしろ“自分探し系”若者がターゲットになっている。

新風舎のこのビジネスの土台として、主にアマチュアに向けたコンテストがある。

新風舎出版賞

新風舎えほん大賞

ポストカードブック大賞

などがそう。これ以外にも新風舎が主催するコンテストの数は年間20を超える。これらのコンテストの応募者のリストは、そのまま営業先リストになる。応募者に“自費での出版”を持ちかけ、500〜800冊を大体150万〜200万円の価格で本を作らせる。普通の出版社は本が売れないとつぶれるが、新風舎の出版形態であれば、本は売れようが売れなかろうが出版社は儲かる。

新風舎の勧誘の謳い文句として、“全国に協力書店が800以上あり、どこでも好きなところへ必ず本が並ぶ”というのだが、もちろん800すべての店舗に並ぶという意味ではない。実際は7,8件の書店に並び、期間は1ヶ月とかそんなだ。通常、増刷がかかれば印税も入るという契約が交わされるが、増刷される見込みは低い。

新風舎問題を取り上げている『創』の9,10月号や最近出版された『危ない!共同出版』という本によると、コンテストの応募作は、1次、2次の審査はほぼすべて通過するのだという。で、その度に、通過した旨は本人に通知される。そして大方は最終選考で落とされるのだが、その後新風舎より連絡があり、協力出版という形で出版してみないかと誘われる。

上記コンテストに応募してくるのは、だいたい20代から30代の層。就職氷河期を経験してきたこの世代は、いろんな競争にけ落とされ、就職試験でさんざん自分の存在を否定されてきた。その分、自分が肯定されるような事態には慣れていない。

ダメ元のつもりで応募した作品が一次二次と審査を通れば、誰でも自分の作品に対して自信を持ち始める。その後、“選考には落ちたましたけど、素晴らしい作品なので、ぜひ出版のお手伝いをしたい”などと勧誘されれば、まあ舞い上がる。

それでも費用が200万円といわれた時点で大抵は諦める。しかし、一生に一度のチャンス、親に頼めば出してくれるかもしれない。それに、新風舎は丁寧にもローンまで紹介してくれる(あとで問題が起きても解約できない仕掛け付きの)。

ミクシィやブログで検索してみると、新風舎のコンテストの選考を通過して大喜びしている日記や、出版を持ちかけられた人の日記をいくらでも見つけることができる。

ちなみにこういった商法の是非を巡り、2007年7月に新風舎から本を出版した著者4人が新風舎に損害賠償を求めて提訴しているのだが、大喜びしている日記の書き手たちも、このニュースを知らないわけではない。


むしろ新風舎の評判が最悪なのを知っていながら、それでも尚、新風舎から本出すことを躊躇しない人が多く見られる。いや、むしろ新風舎を懸命に擁護している場合すらある。なぜか? 新風舎を否定すること即ち、自分の作品の価値を否定することになるからだ。だから頑なに新風舎を信じようとする。まあ、その気持ちは理解できなくはないが哀しい。

これはカルト信者の構図と同じだ。カルトの信者はその教団の悪評が立てば立つほど、教団をかばうようになる。それは、何も洗脳されているからではなく、自分を救ってくれるはずの教団を否定すること=目の前にある(と信じている)自分自身の救済を否定すること、になるからだ。自費出版ビジネスとカルトと一緒くたにするわけではないけど。



【参考資料】

創 (つくる) 2007年 10月号 [雑誌]

創 (つくる) 2007年 10月号 [雑誌]

危ない!共同出版―夢を食い物にする錯覚商法

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