2008-01-11
■『男おいどん』は捨てた方がいい

大切な物を妻に捨てろと言われた - Aerodynamik - 航空力学
僕もたまたま去年『男おいどん』全巻を読み直す機会があった。10数年前に読んだときは、四畳半での貧乏生活をファンタジーとして楽しむことができたのだけど、今の時代になって読むとそういう読み方はできなかった。
これは松本零士の半自伝的作品だろうから、最終的に努力して漫画家になるのだろうと思って読み進める間は救いはあった。だけど最後まで読むと、救いはなかった。主人公は最後、黙って下宿から消えてしまうだけなのだ。
まだこのおいどんが、夢に向かって努力を積み重ねる話であれば、救いはあった。しかし、おいどんは常に“九州男児の誇り”が邪魔をして、仕事も勉強も長続きしない。そして、まったく努力はせずに“いつかでっかい男に”などと自己だけは肥大させ、次第に何もできなくなっていき、どんどん周囲から取り残されていき、さらに焦りを募らせる。
とてつもなくヤバイ感じがした。
頑張って報われた話にはもちろん、頑張ったけど報われなかった話にも救いはある。でも、頑張らずに報われない話に救いはないよね。
ひたすら痛くて、正視に耐えなかった。
奥さんが言うように、『男おいどん』は捨てた方がいい。それだけ強度の強い作品だから。
- 作者: 松本零士
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1996/09
- メディア: 文庫
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最後いなくなるのは漁船に乗るために出かけてるだけで、そのうち頑張って帰ってくると松本先生は仰られてるようですよ。
本編は結構ばっさり終わってるので、漁船云々は松本先生の後付けかもしれませんね。