ON/OFF - vol.4 減薬したら元気になった話


FLYING HOUSE photo by Laurent Chehere

私の持病、躁鬱病に関する記事の続きです。
過去記事はコチラから→ vol.1 vol.2 vol.3

【ザックリあらすじ】
一般的に躁鬱病の投薬治療は、どちらかと言えば平常よりちょっと低めの精神状態に保つようにされているらしいと『坂口恭平 躁鬱日記』で知り、躁状態の危険性は重々承知ながら、ずっと停滞状況よりアップダウンある方が良いと一念発起。



一番に私が杞憂したのは、現在の主治医が同意してくれるか否か。
ラッキーなことに、ちょうど主治医不在の日に行ったため、主治医より信頼を寄せている医師に診てもらうことに。(事情ありで医師変更できないのです…)

坂口さんの事を混じえながら説明すると、その医師はまず、「どの躁鬱病患者さんも、鬱が辛い、躁が良いと言う。今の処方は抗うつ薬も多く出ているし、そう低め維持系ではない。でも、今の君を見ていると、一気に多く語ったけど、決して躁状態ではないと思う」と。
当然ですが、精神科医は、躁状態と見受けられる患者の発言には話半分なのです。
そして、「ではまずコレを減らしてみよう。もう一点については、採血して血中濃度を調べてから決めよう」と。

即時減らすこととなったのは、セロクエルという抗精神病薬
卯月妙子さんの傑作『人間仮免中』を読まれた方は記憶にあると思いますが、彼女の希死念慮が酷くなった時に一時的に処方され、服薬中は1日12時間くらい寝てしまい、就寝時に脱糞してしまうのでオムツ必須となり、一気に6kg太ってしまった薬です。
ほぼ間違いなく卯月さんとは処方量が大幅に違うので、私はそのようなことはないですが、大まかには眠くなり、太る副作用のある薬です。

今回、朝昼晩寝る前に飲んでいたセロクエルを、就寝前だけに減薬。
つまり日中活動期の服薬ゼロに。1日量で150mgの減薬。


これが大成功!
日々ずーーっとイマイチ気分が冴えない、身体が重くて動けない感じだったのが楽になり、やや気分高揚、でも躁状態では全くない、発症前の私に割と近いテンションに。

セロクエルは福岡に移住して病状悪化した時から飲み始めた薬で、恐ろしいほど太ってしまい、益々憂鬱になるという悪循環もあったのですが、減薬後からダイエットもできるようになり、ひとまず3kgサックリ痩せました。


もう正直、なんだったんだ一体!?
という気持ちでいっぱい。

でも私もアレですよね。卯月さんの本を読んで知っていたのに。
そんな怠くなる薬を朝昼晩寝る前飲み続けていたら動けないのも当たり前。
でもそんな簡単なことに気づかなかった。。


ちらっと前述しましたが、今の主治医とは元々馬が合わなくて、他の精神科を探したこともあるんです。
幾つもの医院を調べて電話をかけてみた所、「双極性障害2型で、境界性パーソナリティー障害寛解状態です」と言っただけで、全ての医院から電話だけで門前払いされたんです…。

自傷とかもしてんの?」
「患者も大変だけどその病気は医者も大変だからさぁ」
「東京は違うだろけどさ、君みたいのは地方の町医者じゃ無理だよ。大学病院じゃなきゃ無理」等々。
驚くべきことに、これらの言葉は私が電話で精神科医達から実際に言われたことです。
なんともやるせなくて凹み、泣き濡れました…。

大学病院はどこも待ち時間が半端ないので通うこと自体に疲れてしまうから嫌だし、今の精神科クリニックはとりあえず診てくれてるだけでありがたいんだなと、正直藁をもすがる気持ちで。
そういった経緯もあり、現在の主治医には大幅に目をつぶっているので、気づかなかった、言い出せなかったというのもあります。

プラスして、精神科医は薬に詳しい患者に慎重な傾向があるので(転売などの悪用やオーバードーズの危険性のため)、私は自身が服薬してる薬に関してはネットなどで調べますが、その他の薬の選択可否や服用量については余り言わないようにしてるんですよね…。


それにしてもありがたいのは、抗精神病薬(メジャートランキライザー)は離脱(禁断症状)が出ない点。
抗うつ薬抗不安薬(マイナートランキライザー)は突然止めたり減薬したりすると離脱するので、徐々に減らし、時に離脱を緩和させるために抗不安薬を飲まねばならないというなんだかな〜なことに。。

まぁまだまだ色々ありますが、とりあえずちょっと動けるようになってきて嬉しい!!!という近況でした。




ちなみにもう一点の薬については、血中濃度検査の結果、この位が適正であろうと判断されたのでそのままです。
こちらは、躁鬱病リーマス(リチウム)と並んでまず選択される薬、デパケンR
アップダウンの波を鎮める薬ですし、東京在住時お世話になっていた名医の処方量と変わっていないので大丈夫かなと思っています。

ただしこれは妊娠禁忌。
受精段階で既に血中からなくなっていることが望ましい薬なので、まぁそういうことです。
という訳で、これを読まれた方はそういう質問は無しでお願いします。
そもそもそういう質問自体がデリカシーに欠けると私は思いますけど…まぁそれはそれで。。


人間仮免中

人間仮免中

坂口恭平 躁鬱日記 (シリーズ ケアをひらく)

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