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2008-04-13 フィボナッチ数(Fibonacci number)の全て

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フィボナッチ数とは、次の数列(フィボナッチ数列)によって定められる整数列のことです。


a_{n}=a_{n-1}+a_{n-2}(n>1)

a_n=1(n=1)

a_n=0(n=0)


上の定義から分かる通り、負の整数nに対してもフィボナッチ数列を定義することができます。例えば、n=-1,-2,-3,-4,¥cdotsに対して、a_n=1,-1,2,-3,¥cdotsとなります。

この数列は13世紀イタリアの数学者レオナルド¥cdotフィボナッチの書「算盤の書」に記述されました。

今日は、入試問題として取り上げられることの多いフィボナッチ数列の様々な性質について、楽しんで頂ければと思います。



一般的性質


性質1

フィボナッチ数の最初の20項は、0,1,1,2,3,5,8,13,21,34,55,89,144,233,377,610,987,1597,2584,4181,6765となります。


性質2

フィボナッチ数a_nは、nが3の倍数のときに限り、偶数になります。


性質3

正整数nに対して、a_{-n}={(-1)}^{n+1}a_nとなります。


性質4

黄金比¥phi=¥frac{1+¥sqrt{5}}{2}を用いると、フィボナッチ数の第n項はa_n=¥frac{{¥phi}^n-{(-¥phi)}^{-n}}{¥sqrt{5}}と表すことができます。


性質5

性質4で現れた¥phiは、フィボナッチ数列の特性方程式x^2=x+1の正の解です。


性質6

nが十分に大きいとき、b_n=¥frac{{¥phi}^n}{¥sqrt{5}}とすると、b_nはフィボナッチ数a_nの良い近似を与えます。


性質7

より正確にはa_n=¥lfloor¥frac{{¥phi}^n}{¥sqrt{5}}+¥frac{1}{2}¥rfloorで与えられます。ただし、¥lfloor x ¥rfloorは床関数と呼ばれるもので、実数xに対してx以下の最大の整数を表します。


性質8

¥frac{a_{n+1}}{a_{n}}n¥to¥inftyの極限で、黄金比¥phi=¥frac{1+¥sqrt{5}}{2}に収束します。



関係式


性質9

{(-1)}^n=a_{n+1}a_{n-1}-{a_{n}}^2が成り立ちます。


性質10

ある数列c_nが性質9を満たし、かつc_1=c_2=1であるならば、その数列はフィボナッチ数列になります。証明はこちらから(フィボナッチ数列、余りの漸化式 - 難関大学への数学)。


性質11

{a_n}^2+{a_{n-1}}^2=a_{2n-1}が成り立ちます。


性質12

a_{n+1}a_m+a_{n}a_{m-1}=a_{n+m}が成り立ちます。


性質13

(2a_{n-1}+a_n)a_n=(a_{n-1}+a_{n+1})a_n=a_{2n}が成り立ちます。


性質14

a_1+a_2+a_3+¥cdots+a_n=a_{n+2}-1が成り立ちます。


性質15

a_1+2a_2+3a_3+¥cdots+na_n=na_{n+2}-a_{n+3}+2が成り立ちます。


性質16

{a_0}^2+{a_1}^2+{a_2}^2+¥cdots+{a_n}^2=a_na_{n+1}が成り立ちます。


性質17

a_{2n+k}=a_k{a_{n+1}}^2+2a_{k-1}a_na_{n+1}+a_{k-2}{a_n}^2が成り立ちます。


性質18

a_{3n}=2{a_n}^3+3a_{n-1}a_na_{n+1}=5{a_n}^3+3{(-1)}^na_nが成り立ちます。


性質19

a_{3n+1}={a_{n+1}}^3+3a_{n+1}{a_n}^2-{a_n}^3が成り立ちます。


性質20

a_{3n+2}={a_{n+1}}^3+3{a_{n+1}}^2a_n+{a_n}^3が成り立ちます。


性質21

a_{4n}=4a_na_{n+1}({a_{n+1}}^2+2{a_n}^2)-3{a_n}^2({a_n}^2+2{a_{n+1}}^2)が成り立ちます。



和の性質


性質22

s(x)=¥sum_{k=0}^{¥infty}{a_kx^k}と置いたとき、|x|<¥frac{1}{¥phi}においてこの級数は収束し、その和はs(x)=¥frac{x}{1-x-x^2}となります。


性質23

¥sum_{n=1}^{¥infty}{¥frac{a_n}{10^{(k+1)(n+1)}}}=¥frac{1}{10^{2k+2}-10^{k+1}-1}となります。


性質24

¥sum_{n=0}^{¥infty}{¥frac{a_n}{k^n}}=¥frac{k}{k^2-k-1}となります。


性質25

¥sum_{k=0}^{¥infty}{¥frac{1}{1+a_{2k+1}}}=¥frac{¥sqrt{5}}{2}となります。


性質26

¥sum_{k=1}^{¥infty}{¥frac{{(-1)}^{k+1}}{¥sum_{j=1}^{k}{{a_j}^2}}}=¥frac{¥sqrt{5}-1}{2}となります。


性質27

¥sum_{k=1}^{¥infty}{¥frac{1}{a_k}}は収束し、その値は3.35988566243¥cdotsとなります。



整数としてのフィボナッチ数の性質


性質28

すべての番号nに対して、a_na_{n+1}は互いに素です。


性質29

自然数m,nに対して、mとnの最大公約数をlとすると、a_{n}a_{m}の最大公約数はa_lになります。


性質30

nが奇数のとき、a_nの奇数の約数は、すべて4で割ると1余る数です。


性質31

¥sum_{k=n}^{n+9}{a_k}=11a_{n+6}が成り立ちます。すなわち、フィボナッチ数列から任意の連続する9つの項の和を取り出したとき、その和は11で割り切れます。



その他の難しい性質


性質32

a_{kn+c}=¥sum_{i=0}^{k}{{_{k}C_{i}}a_{c-i}{a_n}^i{a_{n+1}}^{k-i}}が成り立ちます。


性質33

a_n=¥frac{1}{2^{n-1}}¥sum_{k=0}^{¥lfloor¥frac{n-1}{2}¥rfloor}{5^{k}{_nC_{2k+1}}}が成り立ちます。


性質34

a_{n+1}=¥sum_{k=0}^{¥lfloor¥frac{n}{2}¥rfloor}{{_{n-k}C_{k}}}が成り立ちます。


性質35

¥phi=1+¥sum_{n=1}^{¥infty}{¥frac{{(-1)}^{n+1}}{a_na_{n+1}}}が成り立ちます。


性質36

¥sum_{k=0}^{n}{{_nC_k}a_k}=a_{2n}が成り立ちます。


性質37

¥sum_{k=0}^{n}{2^k{_nC_k}a_k}=a_{3n}が成り立ちます。



特に性質9と10、14は大学入試でよく出題されますね。


私は二項係数とフィボナッチ数の関係を面白いと思いました。


その他にもまだまだ驚くほど多くのフィボナッチ数列の関係式、性質は存在します。上の性質のうち、いくつかは高校までの範囲で証明できますので、余裕があるという方は証明に是非チャレンジしてみて下さい。力がつくと思います。


こういった数式の上の性質だけではなく、フィボナッチ数は自然界のあらゆる所で観察されます。例えば、このサイトでは花の花弁の数がフィボナッチ数になっている、という写真を掲載しています。


no title


出典

Fibonacci Number -- from Wolfram MathWorld

Fibonacci number - Wikipedia


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