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2008-05-14 ベクトルの置き換えと計算、内積と絶対値

[]ベクトルの置き換えと計算、内積と絶対値 ベクトルの置き換えと計算、内積と絶対値を含むブックマーク ベクトルの置き換えと計算、内積と絶対値のブックマークコメント

問題

難易度:¥beta、解答時間:20分

東京理科大学,基礎工学部,入試問題,過去問題,1997年度,数学,ベクトル,内積,絶対値


解答


解答に問題がある可能性をご指摘頂いています。詳しくはコメント欄をご覧になって下さい。

東京理科大学,基礎工学部,入試問題,過去問題,1997年度,数学,ベクトル,内積,絶対値


解説

出典:1997年度、東京理科大学(東京理科大学)、基礎工学部


色々な解き方のある問題です。基本は、絶対値の大きさの分かっている¥vec{a}+3¥vec{b}3¥vec{a}-¥vec{b}を適当なベクトルで置き換えることで、こうすることである程度正体の分かっているものを相手にできるので、計算が楽になります。


解答でその置き換えを座標を用いて行っています。こう置いてからは、置き換えた文字なりベクトルなりで¥vec{a},¥vec{b}を表せば良いのですが、聞かれているのは|¥vec{a}+¥vec{b}|ですので、個別に¥vec{a},¥vec{b}を求める必要はありません。

解答中の1¥frac{1}{2}ですが、


¥vec{a}+3¥vec{b}=(1,0)

3¥vec{a}-¥vec{b}=(¥cos{¥theta},¥sin{¥theta)

において、上の式は1、下の式にkを掛けて辺ごとに足すと、左辺は

(1+3k)¥vec{a}+(3-k)¥vec{b}

になりますから、¥vec{a}¥vec{b}の係数が等しくなるようにkを定めれば良いのです。


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moomin-smoomin-s 2008/05/15 04:18 (以下、ベクトル記号を省略して書きます。)
少し細かいことですが、a+3bを固定したとき、3a-bの偏角が0からπまで自由に動けるかどうかは自明ではないと思います。やはり、厳密には、cosθ=1,-1となる具体的なa,bを与えて十分性を確認するのが筋なのだとは思います。

gould2007gould2007 2008/05/15 22:42 >>moomin-s様

問題では「を満たすように動く」とありますが、これは数学の問題では一般に「を(すべて)満たすように動く」と解釈されるのではないでしょうか。例えば、「二次の行列AがA^2=Oを満たすとき」と問題にあるとき、私たちは「A^2=Oを満たす(全ての)二次の行列」を考えます。

もし仰るように、

>>a+3bを固定したとき、3a-bの偏角が0からπまで自由に動けるかどうかは自明ではないと思います。

だとすると、a+3bと3a-bとの間に何らかの制約(例えば、この二つのベクトルの成す角が何度である、とか何度から何度の間である、とか)があるものと解釈されますが、そうは書いてありません(もしそうであるならば、そもそも最大値、最小値は求めようがありません......)。

と思い敢えて個別にベクトルa,bは求めなかったのですが、やはり問題でしょうか......?

私の性格からか、どうしても解答の記述が雑になりがちですし、頂いたようなご指摘は受験生の方にとっても大いに気になる点だと思われますので、是非ご教授頂けるとありがたく存じます(ご指摘に対しての返答のポイントがずれていましたら申し訳ないです)。

moomin-smoomin-s 2008/05/16 22:27 >>gould2007様
2つのベクトルa+3bと3a-bを別々に自由に動かせるかのように扱っているところを問題にしているわけです。a+3bを固定してしまったとき、aやbの動ける範囲に制限がつくかもしれないので、3a-bを自由に動かせる(偏角が0から2πまで動く)かどうかは自明ではないのではと書いたわけです。

拘束条件付きの最大最小問題は変域や定義域に注意する必要があります。上のことを言い方をかえれば、|a+3b|=1かつ3a-bが大きさ1で偏角πとなるようなa,bが存在することは自明だろうかというわけです。

あくまでも必要条件として議論しておき、最後にcosθが1,-1になる具体的なa,bの例をつくって等号が成立している(=十分条件である)ことを確認する方が少し厳密になるのではないでしょうか。
ただ、トラックバック先の記事にもありますが、そもそもどうしてa+3bを(1,0)と限定できたのかが問題です。そこにも少し飛躍があるように思います。

gould2007gould2007 2008/05/17 00:01 >>moomin-s様

>>2つのベクトルa+3bと 3a-bを別々に自由に動かせるかのように扱っているところを問題にしているわけです。a+3bを固定してしまったとき、aやbの動ける範囲に制限がつくかもしれないので、3a-bを自由に動かせる(偏角が0から2πまで動く)かどうかは自明ではないのではと書いたわけです。

a+3b=x,3a-b=yとしたときx,yは別々に自由に単位円周上を動くことができます。問題文で述べていることは冗長に書くと、次のようになります。

「ベクトルa,bがあって、a+3b=x,3a-b=yとすると、それが|x|=1,|y|=1を満たしながら自由に動く。つまり、x,yは任意の単位ベクトルである(以下は省略させていただきます)」

文字二つに式二つ、式を連立方程式と見たとき、対応する行列式が0でないことからa,bを逆にx,yで表す事ができるのは自明です。つまり、このようにおいたときx,yは「拘束条件」にはならない筈です。この置き換えは「必要十分条件」になっています。

厳密である、ないという以前にこの問題の場合、a,bについて具体例を作る論理的必要性は感じられません。

そして、xの成す角(x軸kの正の方向から測った角)を¥alpha、yの成す角を¥betaとしたとき、問題になるのはx,yとの間の相対的な位置関係(角度関係)だけですから、「平面全体を-¥alphaだけ回転させて、それを改めて座標平面とする」という操作を行っても、一般性を失う事はありません。このようにして、どちらかを固定していまい、変数を一つだけにすることはよく行われます。

上のようにせずとも、a+3b=(¥cos {¥theta}.¥sin{¥theta}),3a-b=(¥cos{¥phi},¥sin{¥phi})などとおいて計算してから、改めて¥phi- ¥thetaを一つの変数(これは¥thetaも¥phiも自由に動ける事から、0から2¥piまでを自由に動きます)としても同じ事です。

moomin-smoomin-s 2008/05/17 00:21 >>gould2007様
>>対応する行列式が0でないことからa,bを逆にx,yで表す事ができる
その通りです。そこが本質的な点です。でも高校生はそういうことを自明として用いても良いのでしょうか。(もう少し言うと、それ以前に、なんの断りもなく理解できることなのでしょうか。)

また、問題文に「自由に動ける」という言明が内包されているという見解は、支持できません。自由に動けると見抜けるかどうかは解答者に委ねられていると考えます。「拘束条件にならない」ということを根拠付けて述べることができるかどうかは、解答者の試されている点だと。

厳密という言葉は不適切かもしれません。僕が言いたかったことは、a,bの具体例を挙げるのは非常に簡単なことなので、それを明記しておいた方が「安全」でしょうということです。

やよいやよい 2008/05/17 11:37 a+b=(2/5)(a+3b)+(1/5)(3a-b)ゆえ3角不等式
|(2/5)|a+3b|-(1/5)|3a-b||≦|a+b|≦(2/5)|a+3b|+(1/5)|3a-b|
が成り立ち,左辺は1/5,右辺は3/5で,a+3b=-(3a-b)つまりb=-2a,a+3b=3a-bつまりa=2bのときそれぞれ中辺に一致します.

やよいやよい 2008/05/17 12:08 上記のような解法を述べた私が申し上げるのもなんですが,解答(答案?)としてはa+3b=(1,0),3a-b=(cosθ,sinθ)をa,bについて解き,必要なθに対するa,bの存在を明示された方が良いかと思います.

gould2007gould2007 2008/05/17 15:31 >>moomin-s様
>>やよい様

そうですね。お二人ともお時間を割いて丁重にコメントしてくださり、本当にありがとうございます。

現時点ではお二人に説明していただいた上でなお、私は数学の論理上ベクトルa,bを具体的に構成する必要があると考えてはいませんが、もしかしたら私の解答は入試では減点になってしまうものかもしれません。moomin-s様の仰る通り、「安全」であること間違いないと思います。

そのことを答案の前に明記した上で、後はここをご覧下さっている受験生の方にご判断いただくということでも構わないでしょうか?(私が主張したいことは既にコメント欄で述べてありますし、問題があればコメント欄でさらにメッセージを頂くことも可能です)

本当はmoomin-s様のご指摘下さった事項はとことん突き詰めて考える重要なことだと思うのですが、如何せん私の乏しい数学の力では物理的に厳しい部分が多く(......)、また出版物と違い、今後の訂正も可能であるということで、現時点での曖昧な形のつけ方をお許し下さい......。

通りすがりの医学生S通りすがりの医学生S 2009/03/25 23:11 いまさらって感じもしますが…。
2009年4月号の大学への数学の雲先生の記事で同じ問題を扱っています。
解答の方針を見る限りではgould2007氏の方針で特に問題がないように思われます。

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