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2007-10-31 コラッツの問題

[]コラッツの問題 18:06 コラッツの問題 - 難関大学への数学 を含むブックマーク コラッツの問題 - 難関大学への数学 のブックマークコメント

問題

難易度::¥gamma、解答時間:25分

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解答

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解説

出典:2005年度、前期、鳥取大学( Server Error page/鳥取大学 )、医学部

(1),(2)は具体的で考えやすく、それほど難しくはないと思います。(3)がメイン部分です。(3)の解答中の式変形について、少し細くしておきます。

g(2(k+1))=g(2k)+f(2k+1)+f(2k+2)

g(N)の定義より。

=¥{2g(k)+3k-2¥}+¥{1+f(2k+1)¥}+¥{1+f(k+1)¥}

については、一番左は帰納法の仮定より、真ん中と左は操作を一回行っています。

=¥{2g(k)+3k-2¥}+¥{1+1+f(k+1)¥}+¥{1+f(k+1)¥}

では、真ん中の式で操作を一回行っています。あとは、g(k)+f(k+1)=g(k+1)に気がつけば,式変形は完了です。混乱してしまいそうですね。


問題では、奇数のときに1を足していましたが、3倍して1を掛けると、どうなるのか、というのが有名なコラッツの問題です(コラッツの問題 - Wikipedia)。こちらも結局1に到達するのだろうと考えられているのですが,未解決です。

上記のwikipediaの関連リンクに、コラッツ予想の一般化についてのpdfファイルもありました。中々面白く読めますので,興味のある方はリンクを辿ってみてください。


10月も終わります。周りも随分慌ただしくなってきている頃だと思います。現役生の方なんかは、学校の方が忙しくて、中々勉強する時間も取れないのかもしれませんが、下手に難しい問題集を,慌てて買い込むのではなく、基本+過去問集で、じっくりと実力をつけるようにしてください。一気に取り戻そう,とするのではなく,コツコツと進めるのが一番良いと思いますよ。浪人されている方も,ここまできたら後は突っ走るだけです。皆さん健康管理には十分気をつけて、良い秋を送られることをお祈りしています。誰でも焦っているのは同じです。完璧な状態で試験に臨める人間なんて,いないと思います。「皆同じなんだ」と考えて,冷静に努力を重ねていきましょう。

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2007-10-30 二次方程式と有理数、実数

[]二次方程式と有理数、実数 17:23 二次方程式と有理数、実数 - 難関大学への数学 を含むブックマーク 二次方程式と有理数、実数 - 難関大学への数学 のブックマークコメント

問題

難易度:¥gamma、解答時間:35分

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解答

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解説

出典:1999年度、前期、京都大学(京都大学)、理系

とても難しい問題です。(1)はまだ良いのですが、(2)は行き詰まるととことん行き詰まってしまいます。

(1)はよく知られた事実で、示すのにもそれほど時間はかかりません。適当に移項してから、二乗すれば、難しくはないでしょう。

問題が(2)です。取りあえず背理法、という発想はいいとしましょう。そこからですが、上の解答のように、a,bについて解いた方が多かったことでしょう。それで良いのですが、完全にa=¥frac{-¥alpha+¥beta-2}{¥sqrt{2}}-2としてしまうと、面倒になります。こうして計算を続けると、(1)を拡張した

「有理数p,q,r,sについて、p+q¥sqrt{2}+r¥sqrt{3}+s¥sqrt{6}=0ならば、p=q=r=s=0である」

という命題を示せば良いことになるのですが、これを示すのが中々難しい。実は,上の命題は正しいのですが、多くの方がここで手が止まってしまうことでしょう。解答のように、完全にaについて解いてしまわないで、a+2=の形にすると、奇麗に(1)を使うことが出来ます。適当に文字を置き換えていくことで見通しよく解決出来ます。

上の命題も示しておきましょう。

p+q¥sqrt{2}+r¥sqrt{3}+s¥sqrt{6}=0を変形して、

p+q¥sqrt{2}=-¥sqrt{3}(r+s¥sqrt{2})となります。

r+s¥sqrt{2}¥ne0ならば、

-¥sqrt{3}=¥frac{p+q¥sqrt{2}}{r+s¥sqrt{2}}=¥frac{(p+q¥sqrt{2})(r-s¥sqrt{2})}{r^2-2s^2}=¥frac{pr-2sq+(-ps+qr)¥sqrt{2}}{r^2-2s^2}

です。¥sqrt{3}の係数が1なので、これは(1)に矛盾します(上の式はp^{¥prime}+q^{¥prime}¥sqrt{2}+r^{¥prime}¥sqrt{3}=0の形ですね)。よって、r+s¥sqrt{2}=0で、r=s=0、このとき、p+q¥sqrt{2}=0で、p=q=0です。

解答を読むと難しくはないですが、試験場でこれが出来るか,と言われると,厳しいですね。

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アレルヤアレルヤ 2008/10/08 04:12 解説の上から6行目「完全に〜面倒になります。」とありますが、これはどういうことでしょうか?aを消去するときに、2を移項しているかどうかは関係がないと思うのですが。

2007-10-29 ガウス記号

[]ガウス記号 22:08 ガウス記号 - 難関大学への数学 を含むブックマーク ガウス記号 - 難関大学への数学 のブックマークコメント

問題

難易度:¥gamma、解答時間:30分

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解答

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解説

出典:1992年度、慶応義塾大学(慶應義塾)、理工学部

ガウス記号を扱った問題です。このような考え方を経験したことのない方にとっては,厳しい出題でした。

ガウス記号を考えるときに,基本となるのは、実数xに対して、

¥[x¥]¥le x<¥[x¥]+1

となる、ということです。これを上手く使えたらあっという間に解決してしまう問題がほとんどなのですが,上の慶応義塾大学の問題は骨があります。上の不等式は,ガウス記号の意味を考えれば当然ですね。これは自力で立てれる必要があります。ガウス記号を見たら、先ずこの式を書いてしまうのが良いでしょう。

(1)はこの不等式だけで解決します。

(2)が問題で、k=m+nが成り立つならば(というか、成り立たなければいけないのですが)、式(a),(b)どちらの左側の不等式も、成立しなければ行けないことに気がつくのが,ポイントです。難問ですが、ガウス記号の問題はどの時代にも万遍なく出題されていますから、復習の価値はあると思います。

なお、実数aと整数mに対して、¥[am¥]という形の数は、ドイツの数学者ディリクレ(ペーター・グスタフ・ディリクレ - Wikipedia)によって、深く考察されました。色々な結果もあるのですが、受験数学の範囲を完全に超えてしまうので、興味のある方は大学へ進まれてから、整数論の本を読んで頂けると良いと思います。

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2007-10-28 解と係数の関係、二次方程式の難問

[]解と係数の関係、二次方程式の難問 21:54 解と係数の関係、二次方程式の難問 - 難関大学への数学 を含むブックマーク 解と係数の関係、二次方程式の難問 - 難関大学への数学 のブックマークコメント

問題

難易度:¥omega、解答時間:40分

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解答

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解説

出典:2007年度、早稲田大学、人間科学部(早稲田大学 人間科学部)、A方式

これは難問です。誘導付きではあちこちで出題されていますが、何の誘導もないと、非常に厳しい問題です。

先ずは、解を¥alpha,¥betaとして解と係数の関係を用いてみます。すると、

¥alpha+¥beta=mn

¥alpha¥beta=m+n

という関係が得られます。なので、¥alpha,¥betaは余り大きくなれないことが分かります。なぜなら、¥alpha+¥beta=mnというのは、m,nに関しての2次式ですが、¥alpha¥beta=m+nというのは、m,nに関しての一次式だからです。¥alpha,¥betaが大きいときは、¥alpha¥beta>¥alpha+¥betaとなるので、m+n>mnとならなければいけないのですが、m+n>mnはm,nが小さいときにしか成り立たないからですね。

このように、文字をまとめて、「何次式だから、こっちが大きい」とか「こっちが小さい」とかいう感覚で見ることは,とても大切です。

いずれにせよ,ここら辺の感覚をもっておけば、「じゃあ、¥alpha¥le ¥betaと取りあえずおいて、¥alphaが小さいときから順に調べていこうか」という考え方も出来る筈です。実際は、¥alpha¥le2となります。これを示すのもそれほど難しくはありませんが。

私は¥alpha=1,2,3.....と順番に調べていって、「どうやら¥alpha¥ge3にはなりそうもないな」、ということから、上の解答のようにしてみました。このように、小さい数で順番に実験していくことも、とても大切です。

とても難しい問題ですが,復習をしっかりすることで、考え方を身につけて頂ければ,幸いです。

補足になりますが、(ii)の¥alpha+¥beta¥le2¥betaは、¥alpha+¥beta¥le¥beta+¥betaより、2¥beta¥le¥alpha¥beta¥alpha¥ge2より導かれています。

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2007-10-27 無限降下法

[]無限降下法 20:11 無限降下法 - 難関大学への数学 を含むブックマーク 無限降下法 - 難関大学への数学 のブックマークコメント

問題

難易度:¥beta、解答時間:30分

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解答

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解説

出典:2006年度、前期、東京大学(no title)、理系

誘導が丁寧なので、難しくはありません。いきなり、x^2+y^2+z^2=xyzを満たす整数解(x,y,z)が無限に存在することを示せ、と言われたら、手も足も出ませんが。

(1)は場合分けして解きましょう。地道にやっていく以外方法はなさそうです。

(2)も、あらかじめそのようなzが存在するものとして、書き出してしまい、式を解くのが簡単でしょう。

(3)は(2)が解けていれば一瞬。

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2007-10-26 不定方程式の解

[]不定方程式の解 19:22 不定方程式の解 - 難関大学への数学 を含むブックマーク 不定方程式の解 - 難関大学への数学 のブックマークコメント

問題

難易度:¥gamma、解答時間:30分

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解答

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解説

出典:1994年度、早稲田大学(ページが見つかりませんでした – 早稲田大学)、理工学部

aとbが互いに素であるとき、ax+by=1を満たす整数解(x,y)が存在する、ということを題材にした問題です。

(1)は、解答の中に問題文に現れていない文字kが登場していて,気持ち悪く思う方も多いのかもしれませんが,このような答え方に慣れておいてください。

(2)がメイン部分です。(1)が利用出来ることに気がつかないと、行き詰まってしまいます。計算力とともに、最後の部分でもある程度考えさせられます。特に、kが正であることを忘れると、¥alpha q-¥beta pの値が1なのか-1なのか、はっきりとしません。

(3)で、(2)を使って実際に応用面を試してみましょう,という流れです。上手く誘導に乗らないと、厳しい問題ですね。

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RyuichiXPRyuichiXP 2008/06/03 09:03  (2)の誘導には困らされました。ax+by=1(a,bは互いに素)を解くのに連分数展開を用いて答えを導いているのですが、これってユークリッドの互除法と関連性がありそうな気がします。

2007-10-25 文字数の多い整数方程式

[]文字数の多い整数方程式 23:19 文字数の多い整数方程式 - 難関大学への数学 を含むブックマーク 文字数の多い整数方程式 - 難関大学への数学 のブックマークコメント

問題

難易度:¥gamma、解答時間:40分

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解答

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解説

出典:1996年度、前期、東京工業大学(404エラー | 東京工業大学

難問ですが、n=3の場合を既にこのblogで取り上げました。その問題での考え方が役に立ったことでしょう。

(1)ですが、どう解いても構いません。おまけのようなものです。特に何をしなければいけない,ということはありません。なお、(1)で答えを

(x_1,x_2,x_3)=(1,2,3),(1,3,2),(2,1,3),(2,3,1),(3,1,2),(3,2,1)

と書いても良いのですが、面倒ですので、「(順不同)」と書けば十分です。

(2)は、具体的に一つ解を求めよう、という発想がないと厳しいでしょう。勘の良い方はすぐに解答のものが頭に浮かぶのでしょうが、苦労した方も大勢いたことかと思います。なお、次のような考え方もあります。

すなわち、解が1つしかないとしたら、それは

x_1=x_2=¥cdots=x_nという形で、その値をa(整数)とすると、

na=a^nとなります。これを満たすnがn=2のみであることを証明すれば良いのですが、それはそれほど難しくはありません。

(2)が出来たら、(3)も一気に解いてしまいたいところです。n!倍もされるので、本当に有限なのか、という気もしますが、いくら多くても、所詮はn!倍ですので、無限に比べたら大したことありません。

要所要所で、色々な考え方を引っ張り出してこなければいけません。勘、理論のどちらかが欠けても解くことが出来ません。東工大らしい、とても難しいけれども、良い問題だと思います。出来なくて当然、というレベルの問題ですから、その分復習で多くを得るようにして頂けると,幸いです。

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10月に入ってからとても忙しく、このblogでやりたかったことも色々と山積みにしてしまっています。ここを閲覧してくださっている方には大変心苦しく思っているのですが、遅れても書いたことはきちんと行っていきたいと考えておりますので,寛大な心でお許しください。受験生の皆様も、お忙しい毎日を過ごされていると思うのですが、後悔のないように、精一杯努力してみてください。来年の春には、大学に入学し,好きな勉強を好きなようにされていることを、心よりお祈りしています。

(追記)

sacra_sak_08様のご指摘を受け、解答の(1)を差し替えました。ご迷惑をおかけして、申し訳ありませんでした。

sacra_sak_08sacra_sak_08 2007/12/02 17:22  毎度お世話になってます.本質からは程遠いのですが一応訂正を.
 (1) で 「x_1≦x_2≦x_3 という制限をつけると、(x_1, x_2, x_3) = (1, 2, 3), (1, 3, 2) となる。」とありますが,この条件の下では後者は違うのでは.
 あと,(順不同) とつける代わりに {x_1, x_2, x_3} = {1, 2, 3} としても同じ意味になったと思いますが,この書き方は誤解を生じるでしょうか? あるいは一般的でないでしょうか.

gould2007gould2007 2007/12/02 21:39 >>sacra_sak_08様

あ、ありがとうございます。ご指摘を受けるまでまったく気がつきませんでした......。早急に解答を差し替えさせていただきます。

後半ですが、集合として等しい、という意味ですよね。誤解を生じる事もないし、一般的だと思うので、答案に書いても大丈夫だと思いますよ。

ご迷惑をおかけして、本当に申し訳ありませんでした。ご指摘、ありがとうございます。

後、復帰(?)おめでとうございます(笑)。

2007-10-24 整数の値をとる多項式

[]整数の値をとる多項式 21:46 整数の値をとる多項式 - 難関大学への数学 を含むブックマーク 整数の値をとる多項式 - 難関大学への数学 のブックマークコメント

問題

難易度:¥gamma、解答時間:30分

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解答

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解説

出典:1993年度、前期,東京工業大学(404エラー | 東京工業大学

中々難しい問題です。どういう解法をとるにせよ,帰納法を用いないわけにはいかないでしょう。解答についていくつか補足しておきます。

先ず,m+1次の式P(x)を、m+1次式x(x-1)(x-2)¥cdots(x-m)で割ったとき、商は定数で、余りはm次以下の式になります。

次に、「連続するm+1個の整数の積が(m+1)!で割り切れる」の部分ですが、これは簡単ですね。0¥le k¥le mのときは、

¥frac{k(k-1)(k-2)¥cdots(k-m)}{(m+1)!}=0で、k>mのときは、

¥frac{k(k-1)(k-2)¥cdots(k-m)}{(m+1)!}= {_{k}C_{m+1}}で、k<0のときは、-k=lとおくと、

¥frac{k(k-1)(k-2)¥cdots(k-m)}{(m+1)!}=¥frac{{(-1)}^{m+1}l(l+1)(l+2)¥cdots(l+m)}{(m+1)!}={(-1)}^{m+1}{_{l+m}C_{m+1}}で、これらはすべて整数です。こんなことをしなくても、「連続するm個の整数の積はm!で割り切れる」というのは、証明抜きで使って全く問題ありません。

他の考え方としては、m次式P(x)に対して、P(k+1)-P(k)がm-1次式になることを使う,というものがあります。こちらも帰納法で解けますので,余力のある方は試してみてください。

なお、88年度の京大文系で、3次式の場合が出題されています。こちらは3次ですので、帰納法ではなくて,直接係数をおいて解くことができます。他にも類題は数多く出題されていますが,ここまでストレートに問うのは、やはり東工大らしい問題,という気がします。

この問題はとても出来が悪かったようで、解答に「帰納法で示す」と書いただけで、30点満点のうち10点が貰えた、という話があります(入試数学伝説の良問100―良い問題で良い解法を学ぶ (ブルーバックス)

)。

おまじないのように「数学的帰納法で示す」と書くのも,無駄ではないということでしょうか。余りお勧めはしませんが......。

以下、上の本から一部抜粋してみます(著作権法等、問題がありましたら、対処させて頂きますので、お手数をおかけいたしますが、連絡をいただけると幸いです)。


「...現実には「全員が0点」に近い状態であった。採点者は考えた。

「このままいったら、この問題は平均点が0点である」

「平均点0点という報告は出来ない」

「では、nについての数学的帰納法で証明すると書いたら点数を与えることにしよう」

さあ、何点与えたでしょう。この問題は30点の問題である。なんと、30点満点のうち10点与えたのだ。

「nとあったら、nについての数学的帰納法で証明する,と書けば部分点がもらえる」

は冗談ネタだが、まんざら冗談でもないところが怖い......」

「取りあえず帰納法と書く」は駄目ですが、分かったことはすべて答案に書くことは、大切ですね。記述式の試験では、多くの大学で計算欄も見ているようなので、馬鹿丁寧に書く必要はありませんが、人に読める程度の丁寧さで書くことは、戦略として「あり」なのかもしれませんね(一部の予備校の模試では、計算欄も採点に含めていることもあります)。

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yyyyyy 2008/03/17 02:11 古い記事に対するコメントをお許しください。

P(m+1)の式の第一項はam!ではなくa(m+1)!ではないでしょうか?
(したがってそのあとのaの式も)

gould2007gould2007 2008/03/18 00:00 >>yyy様

ご指摘の通りです。早急に解答を差し替えさせていただきます。

誤答に混乱され、不必要な時間を費やしてしまった方は、まことに申し訳ありませんでした。また、yyy様はご指摘ありがとうございました。

2007-10-23 無理数のn乗、共役無理数

[]無理数のn乗、共役無理数 23:03 無理数のn乗、共役無理数 - 難関大学への数学 を含むブックマーク 無理数のn乗、共役無理数 - 難関大学への数学 のブックマークコメント

問題

難易度:¥gamma、解答時間:30分

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解答

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解説

出典:1994年度、後期,東京工業大学(404エラー | 東京工業大学

難問です。

2-¥sqrt{3}=¥sqrt{2^2}-¥sqrt{2^2-1}

{(2-¥sqrt{3})}^2=7-4¥sqrt{3}=¥sqrt{7^2}-¥sqrt{7^2-1}

{(2-¥sqrt{3})}^3=......

などとやっていくと、問題文のm={a_n}^2であることが予想されます。そのことは分かっても,直接帰納法で示せる訳ではありません。関係式として、{a_n}^2-3{b_n}^2=1をもってくる必要があって、これは帰納法でも示せるのですが、上の解答では、「相棒」である

{(2+¥sqrt{3})}^n

を持ち出しています。そうすると、{(2+¥sqrt{3})}^n=a_n+b_n¥sqrt{3}が示せますから、後は辺ごとに掛けると、右辺が

{(2+¥sqrt{3})}^n{(2-¥sqrt{3})}^n={¥{(2+¥sqrt{3})(2-¥sqrt{3})¥}}^n=1

となる訳です。

このタイプの問題は,見たことがないと非常に難しいのですが、一回でも経験した方なら、上のやり方で面白いように解けるようになります。そういう意味で,知識をもっているのは悪いことではない、という見本のような問題です。私は初めてこのタイプの問題を受験生の頃に解いたときに,数時間かかってようやく答えを出すことが出来ました。そのときは、「一問解くのにこんなに時間がかかっているようでは,医学部なんて到底自分には難しい.....」と感じて落ち込んだりもしたのですが、しっかりと基礎を固めた上で、良い問題をじっくりと時間をかけて考えることで、いつの間にか数学を解くことが楽しくなっていきました。結果として解くのも早くなって,成績は上昇していきました。

基礎ができていない上でいくら時間をかけても効果は薄く、その辺の見極めは難しいのですが、学校で用いている簡単な問題集なら難なく解けるのに、難しい問題になると手も足も出ない,という方は、受験を考えている大学の過去問でいいので、時間無制限で一生懸命解く練習をしてみてください。今の時期は,新しい問題集に手を出す余裕は余りない方が大勢でしょう。過去問を解くことは,志望校の傾向と対策について、どんな受験マニュアルよりも遥かに多くを教えてくれます。

焦る気持ちが出てきてしまっている方も、もう一度ここで、本質的な勉強とは何か、考えてみてください。正しい努力は決して受験生の方を裏切らない筈ですから。

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問題

難易度:¥gamma、解答時間:30分

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解答

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解説

出典:2006年度,早稲田大学(ページが見つかりませんでした – 早稲田大学)、理工学部

(2)だけを聞かれたらとても難しい問題ですが、(1)という適切で良いヒントがあるので、そこそこの難問です。

(1)はじっくりと場合分けして調べてみると、比較的簡単に示すことが出来ます。

(2)が本題で、こういった論法を思いつくのは中々厳しいでしょう。問題だけ考えてみると、a_{n+2}=|a_{n+1}-a_n|ですから、どんどんa_nを作っていくと、いずれは0になるのは当たり前な気がします。しかし、感覚的に当たり前でも、きちんと示さなければ点数はもらえません。

そこで、(1)を利用することを考えてみましょう。(1)が述べているのは、a_{2n}a_{2n+1}のどちらか大きい方をとると、それは減少数列になる、ということです。つまり、a_n<a_{n+1}は言えないけれども、a_{n}<a_{n+2}は言える,ということです。

これが分かれば、a_nが自然数列であることから、いずれは0になるということが言えます。(1)はとても良いヒントですね。

ところで、a_1,a_2が有理数のときでも、a_n=0となるnは存在します。これは、a_1=¥frac{p}{r},a_2=¥frac{q}{r}(p,q,rは整数)とおけば,上で証明したことから、すぐに分かりますね。

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創立125周年を迎え、新聞などで、早稲田大学の名前を目にすることが多くなっています。変革期にあたるのか、学部の名称や,学科の組成も大きく変わっているようです。手続き等,混乱のないように、受験を考えている方は早めに願書を取り寄せるのが良いでしょう。主な大学の願書は、こちらから取り寄せることも出来るようです。

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