ゴールデンスランバー鑑賞

初日に見てきました!以下完全にネタバレしてますので注意!しかしこれだけは言っておく!「ゴールデンスランバー」、おんもしろいよー。みんな見たほうがいいよー。見ないと損だよー。つか、全国民刮目せよ!!(春日さんで)












あーーーー、もう!もう!!もう!!!
エンドクレジットで「監督 中村義洋」と出たときに「ブラボー!!」と叫んで立ち上がりたかったよ私は!さすが中村監督。うまい、うますぎる!!なんでこんな映画がつくれちゃうんだろうなあ。伊坂原作のファンとしても文句なかったです。これは、堺雅人が出ているからこんなことを言っているわけでなく、映画として単純にすばらしいということであります。あのー、原作を読んでしまっているので、この映画のストーリーの「ちょうどいい、その過不足のなさ」をものすんごく感じているのですが、原作未読なかたはどう思われたのだろうなあ。ひょっとしたらその突拍子のなさ(無実の一般市民がいきなり大事件の容疑者として追われる)、うまくいきすぎな展開(いろんな場面でいろんなひとに助けられて逃げ延びる主人公、とか)についていけないと感じるひともいたのかもですね。でも伊坂作品ってそんなのばっかりだから、しかも私はそれがかなり好きでいつもめちゃくちゃ楽しんでいるので・・・感じ方はひとそれぞれですよね。
で、雅人様@青柳雅春。原作では、主人公・青柳よりも周りの人たちのキャラのほうが面白いひとたちばっかり(晴子、青柳父、保土ヶ谷、キルオなどなど)だったので、主人公なのにあまり意識されていなかったのです、私的に。あくまで「ふつうのひと」にすぎないんですよね、青柳は、最後の最後まで。なのであまり魅力を感じなかったというか。あくまで、物語の主人公としては、ですけど。映画でもそれはいっしょで、堺雅人がこれまでに演じた役のなかでもっとも地味でもっともふつうのひとなので、「堺雅人が演じた中で好きなキャラクターベスト3」とかには入らないかんじです。でもそれが悪いわけでなく、ためしに「青柳役が堺雅人じゃなかったら」と考えてみましたが、彼以外にふさわしいひとがいません。邪気のない笑顔。ひとのよさ。正直さ。それって演じようと思って演じられるものではなく、むしろ隠そうとしてもにじみ出てくるものだと思うので、青柳を青柳たらしめる「助けてあげたくなる」人間性を表現するのにこんなにうってつけの役者もいないのではないかと思います。だからといって「堺雅人=青柳雅春」ではないのもわかっている。それが堺雅人のすばらしいところだと、私はいつも思うのです。
雅人様だけでなく、今回の映画、かなーりツボなキャスティングでした。キルオ@濱田岳は得体が知れないけどかわいくて、なるほど伊坂さんが小説書くとき岳くんをキルオにあてがきしながら書いたというのもうなずけるというものです。青柳父@伊東さんの出てくるシーンはどれも泣いたし、青柳母@木内みどりさんもとってもよかった。香川さん南朋さんの贅沢な使い方、なにげに出てくる大人計画の小路勇介(最初わかんなかった)にもにやりとした。小鳩沢@永島さんはきもこわかったなあ。だってひとことも発してないんだぜ?!しかし花火でのぶっとびかたがもうハンパなかったので思わずブフォってしまったよ。あそこで笑ってしまうほどのふっとびかたというのもいかがなものかと、それだけは監督に注文をつけたい。それからなんといっても滝藤賢一さんがまさか「整形後の青柳」として出演されるとは!!もう!もう!!と監督の肩をバンバン叩きたい衝動にかられましたことよ。かなーりうれしかったですこのキャスティングは。滝藤さんといえば「クライマーズ・ハイ」で雅人様@佐山と一緒に御巣鷹に登ったことで悲劇的な運命をたどるカメラマン役が記憶に新しいですからね。「整形後の青柳」はどうするんだろう?というのが一番気になってたとこなので、これはうれしいサプライズでしたね。そう・・・あの、Gyaoで無料で冒頭15分くらいを見れるじゃないですか。あれ見た私はそのときすでに「あれっ、このシーンって、原作ではラストのあれじゃない?」と分かっちゃってたんですけど、まさかあの彼が滝藤さんとは夢にも思わなかったよ。あーもういろんな意味でありがとう中村監督!
それからやはり花火というのはものすごい力を持っていますね。その場の空気全部もって行きますもんね。これは映像のつよみだなあと思った。原作では「花火が上がった一瞬でマンホール下に隠れるなんて、ちょっと無理あるんじゃね?」と思ったけど、やっぱ予期せぬところで花火なんか上がったら、見ちゃうよね。しかもあんなきれいな、でっかい花火!画が一気に派手になるし、はなやかだし、いいですな花火って、と改めて思いましたですよ。