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ベンチャー役員三界に家なし

2016-03-18

「アジェンダなし」の打合せはやってはいけない?

ごきげんよう

ちょっとハードな交渉事がなんとかまとまって、一息つけた昼休みです。
さて若い頃、とあるメーカーの国内販売代理店をどんどん統合してゆく(つまりリストラです)仕事をしたのですが、そのプロジェクトの責任者だった役員がとても面白い人で今考えるとすごく勉強になったなぁとふと思いだしました。
すぐ忘れそうなので書き留めておこうと思います。

簡単に言うと東京本社で決められた大方針の下、統合の必要性と今後の手順等を全国を周って説明しながら系列会社を潰していくというひどい仕事だったのですが、本社ではそのためのタスクフォースが組まれて僕も何人かの若手と下っ端として資料作りなどを担当しました。

僕らは本社サイドの下っ端として、必要な手順等を連日徹夜などしながら準備をしていたのですが、やはり下準備や調査などで地方の販売会社に行くと、あまり良い話で来ているわけでもないので緊張感を感じたし、歯に衣着せぬ地方(どことは言わないけど僕の故郷である関西など)では露骨に「わしらクビにしに来たんやろ?そらご苦労様です。」などとキッツイことを言われお茶も出ないこともあるわけです。

こりゃただ事ではないぞ。と思って東京に逃げ帰って来て、必死で説明資料などを可能なかぎり緻密に作り、論理的に理解を求めようと準備をしました。もっと前向きな仕事したかったヨ。怒られるのやだし。と当時は思ってました。

いざとある地方の販売会社の社長、役員に最初の説明をしに行く日、僕はプロジェクト責任者の役員のお供でガクガクブルブルしながら付いて行ったことがあります。
資料などに不備がないか、数字に誤りがないか、説明の順序などに相手の気持ちを逆なでするようなものがないかなど行きの新幹線でも気が気ではなく既に逃げ出したい気分です。
絶対向こうは怒ってくるだろうし、最後は力関係があるとはいえ揉めたらプロジェクト自体が滞り、今度は僕らが使えないスタッフとしてリストラされる番でしょう。

しかし、上司の役員は50代の人だったのですが行きの新幹線から既に一杯飲んで、資料に目を通そうともしません。(ちなみにこの方、T大工学部出身でめちゃくちゃ頭の回転が速い人でした。)

現地の会社に乗り込んで、向こうの役員会議室で先方の会社の居並ぶ役員達に、僕ら下っ端が徹夜で作った資料を配った後、向こうの会社の社長が「突然の話で我々も驚いている。納得できる話を今日してもらえるんだろうな?」ってしょっぱなから凄んで来ます。
僕は重すぎる空気におしっこ漏らすのをガマンするのが精いっぱいの状況です。

そしたら、うちのおっさん。いや役員は、「は?今日は私にアジェンダはないですよ。今日は皆さんの話を『聞きに』来た。」と堂々と言って、「よいしょと。。」と言って折角僕らが作った資料を裏っかえしにして。メモにし始めました。

「さぁ、言ってください。私は聞きに来たんです。」

と。

そこからは、向こうから現状の不安や不満などが堰を切ったように出てきて、それを上司はウンウンと言いながら、僕らの徹夜で作った(しつこいですが、、)資料を裏紙にしてメモをしてゆく。

その日は結局、資料の説明はせず、僕らはホテルに、上司はえらい人達と飲みに行きました。
翌日は上司はさっさと帰京し、僕らは現場での説明会があったのですが、以前、事前調査に来た時と全然雰囲気が変わっていました。
どうやら先方幹部がすっかりうちのボスに「あの人は話のできる人だ」と心を許したようで、朝礼で僕らに協力するように現場にとりなしてくれたようです。

僕らは再編を知らず知らずのうちに全体の中での最善で論理的に考えた上での戦略だと。仕方ないことだと思っていたのですが、そういうことを相手に伝える方法は、何も中身を「論理的に説明すること」ではないのだなと。
何をやっても「上から目線」であったり「押付け」と捉えられて中身以前に受け入れがたいものとなるのだから、ロジックや正論などは語れば語るほむしろ物事がうまく進まないこともあるのかもしれないなと。
なんとも言えず目を開かされた気分になりました。

まぁ、僕は朝までに徹夜してでも作れと言われた資料を結局使ってくれない上に、裏紙にされたことを今でもムカついて覚えているので、もし自分が同じようなことを仮にするときが来てもメモには手帳を使おうとは思っています。

さてまぁ、社内政治的なものはくだらないとか、ロジカルだイシューの共有だといくら吠えても面従腹背で誰一人動かすことができないビジネスパーソンにはなりたくないなと思うことがありちょっと思い出しました。

さて、今日も持ち場でがんばりますよ。

では

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