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ベンチャー役員三界に家なし

2017-04-21 リーダーは自己成長をかんがえなくてよい? このエントリーを含むブックマーク

ミスターミニットというお店ご存じですか?駅の中やショッピングモールに入っている青くて小さな靴修理のお店。
そのミスターミニットの社長さんが、迫 俊亮さんで、最近本を出されました。
今日はその「やる気を引き出し、人を動かす リーダーの現場力」の中で特に目に留まったワンフレーズの話しです。

僕の趣味は何度も書いているように革靴を集めること。もちろん靴を大事にするのとメンテナンスはほぼイコールなのでミスターミニットにも沢山お世話になっています。
世界に沢山の店舗とスタッフを抱えるミスターミニットですが、その社長の迫さんはなんと1985年生まれ、私の10近くも下。しかも29歳から社長を経験されており、そのチャレンジングスピリットはとても尊敬しています。

そんな迫さんがこれまでの体当たり経営のエピソードとその中で体得してきた経営論が熱く語られいる「やる気を引き出し、人を動かす リーダーの現場力」ですが、詳細は買って読んでいただくとして私からは一番心に残った一言「リーダーは自己成長を考えなくてよい」という言葉について僕の思う所を書いてみたいと思います。

迫さんは、若くして経営というある意味「背伸び」をしないといけない環境に自らを追い込んだ為、自分が成長しなければならないという焦りから、社外で学校に通ったり、様々な本を読んだりといわゆる自己成長への取り組みをしてみたそうです。しかし全然納得感も周りの認められたような感覚も持てなかったそうです。

そんな中、現場の課題とスタッフ達に体当たりで真剣にぶつかり、共に汗を流しながら取り組む中で初めて、手応えを感じることができたとのことでした。
その体験を踏まえ「リーダーは自己成長を考えなくてよい」と迫さんは言います。
リーダーは現場が知らないことを上から教えてやるために勉強してもリーダーにはなれない。
今持てる武器を持ってすぐに現場に入り込み、共に現場を動かす。それが何よりのリーダーになる為の学びであり、必要な事なのだという「発見」について熱く語られていて、いいね!を5回くらい押したかったのですが紙の本でしたから押すとこありませんでした。残念です。

この熱さにガスが少なくなった100円ライターのようになっていた私のビジネスパーソン魂にも多少火が付きました。ありがとう迫さん。買ってよかった。迫さんの本。

さて、実は僕は経営者本の類は友人やお客さんの方が出した本以外殆ど読まないんですが、能動的にピックして読むのが「プロ経営者」の本です。

実用的だからです。創業者の本はほとんど読まないです。あれは僕の中ではワンピースとか、ドラゴンボールと同じジャンルの本です。面白いけどほとんど役に立ちませんし真似したら死ねるから。

プロ経営者と言ってもいろいろですが、特にキャピタルから送り込まれて経営者やってる人が僕は個人的にはいいと思ってます。

彼らキャピタルから送り込まれた経営者が参考になる理由は3つ。
1.一定期間に定量的な結果を残す必要があるし、その点に関してボス(PEファンド)は容赦がない。
2.すでにある組織やビジネスを変革しないといけない。
3.取り組むのが自分が興味があるビジネスとは限らない。

これがとてもよいのです。
人間の「好き」とか「楽しい」の力は偉大です。どんな苦労をしても苦労とも思わないし、疲れを覚えることもありません。
だから、これが組み込まれた創業者系ビジネス体験談は真似したってほとんどうまくいきません。

で、プロ経営者の彼らの話しが役に立つのは彼らは皆、仕事として、ミッションとして「リーダー」「改革者」「経営者」になろうと苦労して試行錯誤しているから。だから僕らにも再現性が多少あります。
多くのまともなビジネスパーソンにとって多少意味があるとしたら彼らプロ経営者の本だと思います。

迫さんは大変ドレスシューズにも造詣が深く大変な靴好きと思っていたのですが、本の中で知ったのですが、彼はミスターミニットの経営を引き受けるようになってから「靴が好きになるように努力して」好きになったそうです。
なるほどやっぱりそれか、、と思いました。ユニゾンキャピタルからスシローの再生に送り込まれた、加藤 智治元専務(現ゼビオグループ副社長)のお話しをTVで見ていた時に見たのですが、加藤さんはスシローの現場を掌握する為、寿司職人のように頭を角刈りにして深夜まで魚をさばいていたそうです。加藤さん東大マッキンゼーですよ?つまり、好きとか嫌いとかじゃなく事業を組織を短期で掌握するというのはそういうやり方が有効だということなのです。
現場に突っ込む、興味を持つ、自分の趣味趣向すら事業に現場に合わせる。
これはとても再現性高い「役に立つ」やり方だと思います。モチベーションとか好きな事とか、楽しいをなんたらみたいなフワフワしたものに依存しないからです。
業界研究も不要だし、自分探しの旅に出る必要もない。目の前に会社があればそれが活躍のフィールドになるのです。課題のない会社なんてないんだから。どこ行っても一定の成果が出ます。

仕事の出来不出来に悩む僕らに必要なのは彼らを真剣にマネを、コピーをできるかじゃないでしょうか?

これまた、ユニゾンからアスキーカネボウ、建デポに送り込まれたプロ経営者ミスターターンアラウンドこと小森哲郎さんの著書「会社を立て直す仕事-不振企業を蘇らせるターンアラウンド」にある、「型紙」という考え方からの拝借ですが。
自己改善してゆく組織としての「型紙」を会社内に作ることが経営者の役割であると小森さんはおっしゃっています。

迷える子羊になりやすいビジネスパーソンを最小単位の会社だとするなら、「株式会社自分」の経営者として僕たちが「型紙」にするべき考え方や実行のスタイルは何が、誰が良いのか?

もちろん自分が置かれた年代毎にモデルは変えたほうがしっくりくるでしょうが、特に20代の若手ビジネスパーソンには迫さんはお薦めできる「型紙」の一人じゃないかなと思います。

あれ?現場での失敗を赤裸々に披露しつつもなんだかんだでナイスガイでカッコいい迫さんに本を読んでイヤミの一つも言ってやろうと思って書き始めたのに結局普通に褒めてますね。
ちょっと悔しいですが靴好きに悪い人はいませんからよしとします。
かつては若き経営者として多少は注目された我々76世代ももう40オーバー。
注目されるのは無様に出たお腹だけで持ち場で無様に頑張ってもまったくカッコよくもありませんね。迫さんに僕にもちょっとそのナイスガイ成分を分けてほしいです。

さて、久しぶりのエントリとなりましたが僕の方は相変わらずです。
「現場に向き合わねば!」などと思う必要もない程ずーーーと現場やってますが、それも持ち場とあれば焦ることもありません。
迫さんに燃える闘魂を注入戴いたことですし、今日も持ち場で頑張ろうと思います。
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