lain

久しぶりに紐解いて見直してみる。
確かに内容に唐突感があるが、引き込むツボというモノを押さえている。

serial experiments lain TV-BOX [DVD]

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内容的には決して明るくないし、
前衛的に見えるが、よく見ると前世紀的表現も見られる。

何処にでも居て何処にも居ない。
今のネット社会を暗示するような作風は、ありす in Cyberland(ありすインサイバーランド)
と並んで、やや当時としては先駆的で前衛的なテーマだったと思える。

恐らく無意識下に訴え掛けるlainの存在というのは、今現在我々が感じつつある稀薄感を伴うものと相反するモノではないと考えて相違ないだろう。
ワイヤードは寧ろ自らの稀薄さを補完し自らの存在を保証し、更に存在を稀薄に不確定にするという相反する作用を持つものらしい。
今現在のネット社会も又それに類似するといえるのではないだろうか。

作品の内容的意味合いは恐らくその程度ではあるまい。
では位置付けはどうか。
現時点(本世紀に入ってからの数年間)に於けるアニメが全て先進的か……というとそれは懐疑的に思える。
この作品は数年間で発表されたアニメーションのやりたいことの殆どを含んでいる。同時代のエヴァンゲリオンの様な派手さはないが、それでも先進的であり、この作品を越えられたものは極めて少ないか皆無に等しいと思う。

確かに、技術的な面での表現について部分的には越えたと思わせられる物も少なくはないと思うが、少なくともそれを越えた何かを内包すると感じさせるものは少ない。

時代の先駆者はどんな分野でも理解されず損をする傾向がある。
ただし何事に於いても正解はない。

lainをして我々に訴え掛けるものか仮に五年や十年早かったとして、それに未だ追いつけない時代の方がまだまだ取り残されているそんな気がして成らない。

serial experiments lain lif.01 [DVD]

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