INVISIBLE Dojo. ーQUIET & COLORFUL PLACE-

John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

続報・三崎vs秋山ノーコンテストに。秋山は本日会見

既報ながら
http://gbring.com/sokuho/news/2008_01/0122_yarennoka.htm
の通りです。
けっこう驚いたのは、そもそも提訴に関しては、別部門ならともかく島田裕二がトップである「やれんのか」の競技担当、ルール担当部門がまじめに・・・、つまりその結果自体を本当に客観的な立場から判断する、とは思えなかったからですね
(この予想、実際に裁定来る前に書かないで良かった(笑))。

今回も

島田裕二ルールディレクターを中心に、やれんのか!競技陣が改めて試合映像をチェックし、検討・審議」


だったわけで、結果を客観的に見られるのかね?と思う人も多かっただろうが、一応ちゃんと討議した。
それが何より想定外だった(笑)。あの島田が。
 もちろん今回の反則・無効試合に納得しない向きは、共催者らの圧力や影響力を感じるかもしれないが。


今回の裁定は『「蹴りに行く」時点で反則』という論理を採用

今回の裁定のキモは、昨日付のコメント欄で手際よくまとめられている

GM 2008/01/22 23:46
三崎のキックのインパクトの瞬間に秋山の手が付いていたかどうかは問題ではなく、結局蹴ろうとした時点で手を付いていたのだからキックの動作はillegal intentだという判断


試合の直後、争点をまとめたエントリを作りましたね。
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20080105#p1
小見出し部分(【反則なんかどーなんかの議論】)を参照。


関係部分を再録してみましょうか。

●キックが当たったときに本当に4点ポジションだったのか?
(写真により微妙。また「蹴ろうとした時に4点だったらアウト」との主張も)


●瞬間的に4点かどうかを問題にするなら、蹴りが迫ってきてそれをとっさに防ごうと手を挙げただけで、もう4点じゃなくなるじゃん、という反論も。
修斗が一度、そういう見解をまとめたことがあるらしいのだ。


●サッカーで言う「インプレー」、高田延彦用語でいう「流れの中ですから」でOKなのではないか、との説も。
やれんのかの前身であるPRIDEでは、ヴァンダレイ・シウバvs近藤有己のフィニッシュだったロープ掴みのストンピングや(後略)

このうち、最初の(  )が一番重要だったわけです。

http://gbring.com/sokuho/news/2008_01/0122_yarennoka.htm

三崎選手の明らかに四点ポジションにいる選手を蹴りに行く行為自体は、ルールに抵触していると判断せざるえません。(略)私の経験値で言えば、1999年9月に行われた『マーク・ケアー×イゴール・ボブチャンチン』戦に、非常に近いケース


ケアーvsボブの裁定は、石井和義氏が独断で、その場で変えたような気がするが(笑)。
あの時どんな提訴の文書が出てどんな審議の場が開かれたの島田サン(笑)?
それはともかく「蹴りに行く」動作を開始した時点で判断され、それ自体が反則という定義は、それはそれでスッキリ。
ただ、三点知りたいな。


●それ、ちゃんと最初から決めていた、選手に伝えていたんだろうな。
●蹴り始めが4点なら、インパクトの時はどうあれ反則なら、その逆…蹴り始めは4点じゃなくて、当たった時4点の場合はどうなるんだろう(まあ、これは対照になる訳ではない。両方とも反則とすることも可能だ)
●最初からこうなら、この審査会以前にブログやインタビューで答えていた島田裕二、野口大輔両レフェリーの「私見」はなんだったんだ(笑)


というか、修斗ですらそうではないみたいだけれども、動きを始める、蹴りに行こうとすることを反則とするなら、それを明文規定にあらかじめ盛り込むってのはけっこう簡単じゃないかな。そうしておけば何の混乱も無かったのに。


再戦

これで機運は高まったのかどうか。やるとしたらDynamite!なのか夏?のM-1グローバル日本大会か、はたまたがっちりと連立を組んでいるはずの実行委から、大きくメディアで扱ってほしいはずの新カード決定会見に合わせて、もっと大きいニュースをぶつけられた(笑)「戦極」か。


今回、「無効試合になったことと再戦は関係ない」とプレスリリースは語っている。
この件については一度書いたことがあって
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20080107#p2

まあ、再戦というのは別に何があろうとやったっていいんで、微妙な試合だろうと完敗だろうと主催者が客を呼べると思ったらオファーすればいいこと。桜庭・ニーノ戦は微妙な判定が再戦を促したが、高田vsヒクソン・グレイシーの再戦は別に判定が微妙だったからではない。むしろ高田の実力が微妙なので組まれた(笑)。

こちらは主催者の領分で、あとは当事者が合意をすればいいだけだ。

個人的には「今回の試合の判定への抗議やら提訴」と「再戦機運の盛り上げ」を、別物として進めていき、一番権限のある谷川氏はむしろ後者に全力投球していけばいいと思う。

今回完勝であったにしろ、両者が高いレベルで実力が拮抗しているように見えた


実は私も、昨日このニュースに触れる直前「ん?こりゃ再戦したほうがいいんじゃねーか?」とちょっと思ったことがあった。それはまさにこの当日に発売されたkamipro最新号で、一番ビビッドな韓国情報を教えてくれる連載コラム「インサイド・コリア」執筆者の大川義之氏がカラーページであの一戦の反響を書いているのだが

Dynamite!の視聴率が完全生中継の韓国で24.8%
やれんのか!の完全生中継視聴率は22.2%。

ヒョードルvsチェ・ホンマンの試合は47.3%、秋山vs三崎も平均30%近い視聴率だった。

ちなみに韓国は、日本以上の多チャンネル(ケーブルTVが普及)。それでこの数字。

そしてその後の反響も凄い。kamiproの記事には、5誌ほどの記事が引用されているが、とにかくあらためて”大反響”だということが確認できる。


ここで現物が手元にあれば
すばらしいゼニもうけのタネもできたわけだ、わかるか?”キングコングブルーザーブロディと”鉄の爪”フリッツ・フォン・エリックが戦えば、どんなデッカイ会場も満員になる!!


と師弟対決を決めたエリックのコマ(プロレススーパースター列伝)を引用したいのだが(笑)、これは確かに儲かる。というか、韓国の格闘技人気を定着させるKAMIKAZEになるかもしれない。
競技性とかなんちゃらとかを置いといて、金儲けのタネとして秋山vs三崎を韓国でやれば超満員かもしれない。

だがkamiproで黒魔術師・谷川貞治が語るところによれば「韓国ではやりたくない」と秋山本人は言っているようだ。そのへんは、本日予定されている記者会見で本人がどう言うかだ。


今回の裁定を受けて韓国メディアがどう語っているか。
朝鮮日報日本語版サイトではまだ報道が無い。今後に注目。
http://www.chosunonline.com/sports/


大川義之氏ブログ(昨年末の帰国に伴い新しいブログとなった)
「浦島太郎的東京生活(仮)」
http://adiaphora.exblog.jp/

ここでも韓国での反響が分かれば嬉しいのだが。韓国紙の情報とは他にも「哀しきアイアンマン」ブログなどでよく速報が掲載される。



まったく今回はこの事件で、「戦極」へのツッコミもkamipro記事への感想も、おまけに他のテーマもまるで書けなかったな。



【補足】備忘
http://video-search.yahoo.co.jp/search?p=%E7%A7%8B%E5%B1%B1%E6%88%90%E5%8B%B2&ei=&vt=list