この話はまだ触れていなかったが、「東天の獅子」「石井慧の転向」「カール・ゴッチとキャッチ史再検証」などによって、このブログで盛り上がっている近代柔道論。
最新のゴン格では、松原隆一郎(東大大学院教授、大道塾空道ビジネスマンクラス師範代)、増田俊也、磯部晃人(フジテレビプロデューサー、初代K-1担当プロデューサー、柔道コラムニスト)、増田俊也(作家、「力道山はなぜ木村政彦を殺さなかったのか」著者)が鼎談している。
「岡野功」「柔道競技とは別の”講道館護身術”の確立」「七帝柔道と柔術の違い」「篠原監督」「プロと就職」など非常に多肢に渡り、ひとつひとつ語りたいのですが、とりあえずメモとして、この部分を書いておく。
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松原
「(前半略)…日本の柔道界は柔術家と練習するような稽古を『日本柔道じゃないから』と否定する。そうすると、カントvs加藤戦(2008年10月の世界柔道団体選手権。アテネ五輪81kg級銅メダリストでBTTでも練習する柔術黒帯のフラビオ・カントが、日本の寝業師・加藤博剛を腕十字で破る)のようなことが起きてしまう」
磯部
「僕は加藤は大学生の学連の試合も見ているんですよ。そこでは、相手がデカかろうがなんだろうが全部取っちゃうんです、”加藤返し”で。全日本選手権でも森大助から崩れ袈裟固めで一本勝ちしていますから。そういう選手が一方的にオモチャにされて敗れたことは衝撃的だったと思います。カントは柔術の基礎がありますけど、柔道的に見ても日本の本筋の柔道だと思いますね。しかも、あの試合で加藤は組んで内股で潰されてから十字に入られており、何の言い訳もできない敗北だったんじゃないでしょうか。正直、加藤が十字を取られたらお手上げでしょう。加藤を上回る寝技の選手は少なくとも81kg級ではいないわけだから。」
エントリの見出しは一種の煽り表現で、文中にあるように別にBTTとかはあんまり関係ないそうだが、にしてもあの時はゴールデンタイム放送もあったし注目度は高かったのに、私は「日本最強の寝業師vsBTT」という付加価値のある試合だったことを知らず、この録画も消してしまった。
いま見たいんですけど、あそことかそことかにありませんかねえ。
【追記】コメント欄より
708 2009/02/11 14:35 「桑原幸一のブラジリアン柔術日記」というブログで,この試合(カントvs加藤)について触れており,動画へのリンクも貼ってあります
(いまのところ見られます).ご参考まで.http://grascobjj.iza.ne.jp/blog/entry/755713/
【再追記】2012年4月現在、こちらからこの試合が見られます。