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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「シリア討つべし!」論に立つ日本知識人続々。…だが、例の「お前が行け論」が仮に有効なら、彼らは??

シリアへの米国の軍事介入は、とにもかくにも9月20日現在、”平和の使者プーチン”の提案によって回避されている。
この結果に対して失望し、そしてシリア政府軍に米軍が爆弾の雨を…という表現はやや過激にしても、とにかく軍事的攻撃を行うことを求める、日本の文化人(主に学者と、ジャーナリスト)が今回確実に存在している。
自分が把握しているなかだけで記録する(敬称略)と
内藤正典
中田考
・常岡浩介
・黒井文太郎
ソース

同志社大大学院・内藤正典教授が語るシリア情勢〜氏が武力行使を支持する理由
http://togetter.com/li/556645
「シリア撃つべし!」主要な内戦介入賛成論のまとめ
http://togetter.com/li/561760
(それらから伸びるリンク)

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藤原帰一
高世仁
ソース
「シリアに地上軍の投入を」
http://d.hatena.ne.jp/takase22/20130919


上のさまざまな議論は、どれも相応の根拠のある話であり、
さらに「現在進行形」であるということを考えるとどうしても
気分が重くなり、ハーバード白熱教室的な「思考実験」をする
のも躊躇するのだが・・・
しかし躊躇して、それをやらなかったら何か有効な意味があるか、
といったらこれも全然ないので、敢えてやってみる…。


と言っても自分が提示できるのは、シンプルな話だ。



すばらしいご意見です。戦争で生命を落としたり肉親を失ったりしたことのない人であれば、信じたくなるかもしれませんね。

「あなたがたが、口で言うほどに祖国の防衛や犠牲心が必要だとお思いなら、他人にどうしろこうしろと命令する前に、自分たちで実行なさったらいかがですか」

人間の行為のなかで、何がもっとも卑劣で恥知らずか。それは、権力を持った人間、権力に媚を売る人間が、安全な場所に隠れて戦争を賛美し、他人には愛国心や犠牲精神を強制して戦場へ送り出すことです

「あなたはいま、どこにいます?」
「は、なんですと?」
「わたしの婚約者は祖国を守るために戦場に赴いて、現在はこの世のどこにもいません。委員長、あなたはどこにいます?死を賛美なさるあなたはどこにいます?」
「お嬢さん・・・」
「あなたのご家族はどこにいます?わたしは婚約者を犠牲に捧げました。国民に犠牲の必要を説くあなたのご家族はどこにいます?あなたの演説には一点の非もありません。でもご自分がそれを実行なさっているの?」

・・・・もう、何からの引用か書くのも気恥ずかしいが、知らない人だって多いだろうから敢えて解説するとロングセラーSF「銀河英雄伝説(銀英伝)」の一節。
上の描写は

銀河英雄伝説 1 黎明編 (創元SF文庫)

銀河英雄伝説 1 黎明編 (創元SF文庫)

銀河英雄伝説〈3〉雌伏篇 (創元SF文庫)

銀河英雄伝説〈3〉雌伏篇 (創元SF文庫)

のへんから出てくる。


もし、上の論理が常になりたつなら、上の「シリア軍事介入賛成論」はその詳細を論じたり、事実関係を調べたりする必要は無い。すくなくとも日本人の賛成論者はほぼ全員、上の話に当てはまるとして、議論しないまま「お前はトリューニヒト(その小説に出てくる悪役。最後のくだりの「委員長」は彼)と同じだ」で終了である。
個別に見ると、危険な現地(の近く)に研究のために入ったり、取材で反政府軍と行動を共にしたりした人はいる。それも十分なリスクで、それをやればいう資格がある、という論法もあるかもしれないが、ただヤン、ジェシカ的な基準なら実際に戦っている人はいないようだ。


だから、繰り返すと、上の論法に全面的に賛成する人なら、「ここ」でおしまいにしていい。それ以上を考える必要はなく、上の論者は「トリューニヒトなやつら」で終わり。




ただ、むしろ…もう自分は過去に何度も書いているから、その結論を再度引用するけど

「貴方がた権力者はいつでも切り捨てる側」「あなたはどこにいます?」「他人に命令する前に、自分たちで実行なさったら」は、痛快な啖呵であり、一種の部分的な真実はそこに含まれているんだけど、究極のところでは無効な言説である、ということでいいのではないか

ということだと思う。
少なくとも、上のシリア介入賛成論(より正確にいえば「介入はより小さい悪」論とでもいうべきか)をジェシカ、ヤン的な論法で切り捨てて終わりだ、という人はそれほど多くないんじゃないか、とは思うがどうだろうか。


戒めや風刺としての有効性と、
議論を突き詰めたときの有効性は、
たぶん、別の何かなのだろう。



上のような考えに至った、過去の流れ。

■お前が戦争に行け論
http://www.tanautsu.net/the-best01_03_01_aa.html
■「「個人の自由と権利に比べれば…」「それなら、私帰っていいですか?」
http://www.tanautsu.net/the-best01_03_02_aa.html
■ヨシ=タナーニヒトの演説
http://www.tanautsu.net/kousatsu01_20.html

■「華氏911」異論--というか銀英伝的「息子を行かせろ論」について。
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20040627/p1
■「あなたはどこにいます?」のジェシカ主義(銀英伝)は、菅直人がとどめを刺した。しかしそれでも…
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20120304/p2
そのあと、もうひとつ記事を書いた。
■国会事故調、東電撤退問題…「きれいな清水社長」が全面撤退論を語ったら、どう反論する?
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20120620/p3
■銀英伝脳で映画「リンカーン」を見ると…「大統領は鬼畜だ!」となるかも(笑)
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20130502/p3

かといって、シリアに介入するのが今現在いいのか悪いのか、についてはわかんね。
たぶん日本一国でいうなら、直接的な軍事介入には何にも関わらず、その状況や理由によっては「理解」なりをするのが一番「損ではない」んだろうなとは思うが。



だからその議論の前の前の前の段階、その話のみをした。

【補遺】「戦いを避けた責任」について

ボスニア大虐殺、オランダ政府の責任認定
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20130907-OYT1T00776.htm
 【ロンドン=寺口亮一】オランダ・ハーグの最高裁は6日、1995年にボスニア・ヘルツェゴビナで起きたスレブレニツァ大虐殺に絡み、セルビア人勢力にイスラム教徒3人が殺害された事件の責任を巡る訴訟の上告審で、2011年の控訴審判決を支持し、オランダ政府の責任を認めた。
 判決は当時、国連防護軍として駐留していたオランダ軍部隊が、部隊施設に逃げ込んだ3人をセルビア人勢力の要求に屈して避難させず、同勢力に引き渡したと指摘した。
(略)…ロイター通信は今後、各国が平和維持活動への参加をためらう可能性があると報じた。
(2013年9月7日19時03分 読売新聞)