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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「無人機」の現状。/法的正当性(朝日新聞)/空からの監視、治安維持/上空からの「ドローン取材」?

https://twitter.com/yoshiakikasuga

春日芳晃 ‏@yoshiakikasuga
無人機攻撃をめぐる議論を、最大使用国の米国や攻撃を受けるパキスタンの事情とともに、今日の朝刊でまとめました。「無人機の闇、解明途上 国連で専門家が米に説明要求」 http://t.asahi.com/cyxi

【プロフィル部分より】
春日芳晃 @yoshiakikasuga
朝日新聞ニューヨーク支局記者。担当は国連と米国社会。日々の取材やニューヨーク生活で、感じたこと、考えたことをお伝えできればと思っています。ご意見やお問い合わせは、joshuatree1026@gmail.comまでどうぞ。(投稿内容は私個人の意見です。朝日新聞社の見解ではありません。RTやリンクは賛意とは限りません)

同氏は、この記事の趣旨を、連続ツイートされている。

春日芳晃 ‏@yoshiakikasuga 19時間
無人機①国連人権理事会から調査を依頼された専門家は、「無人機は違法な兵器ではない」との立場。「状況把握能力が向上すれば、ほかの兵器より民間人犠牲者を減らす能力がある」と報告に明記しています。ただ最大の問題は、使用する側の米国などが実態を説明しないまま、「自衛権の行使」として(続
 
無人機②攻撃を繰り返し、第三者が事実関係を検証できないことです。「市民と戦闘員をどう区別したのか」や「軍事目的達成の利益と巻き添えになった民間人被害は釣り合うのか」などを第三者が評価できない以上、自衛権の行使にあたるか、国際社会は判断できないと専門家報告は指摘しています。(続
   
無人機③国連の委員会で報告を終え、記者会見した英国人弁護士ベン・エマーソン氏の会見で、最も印象に残った言葉です。「ある国家が(無人機使用を巡る)自らの法解釈が正しいと主張し、他の国々が黙ったままでいれば、それが国際標準になる。(続
 
無人機④他の国々が米国が主張する法解釈を無人機使用の根拠として受け入れていいのか、というのは非常に重要な問題だ。米国が無人機を独占する時代は終わる。他の国々も米国が無人機を使うのと同じやり方で、無人機を使い始める。それは重大な衝突をもたらすことを我々は認識しなければならない」終


よく考えれば確かに、これは既存の基準に照らして云々というより、今まさに「何が正しいかを、力関係を駆使して決めている最中」 なのだ。 いや普通にダメな気もするが。
無人機は被害国の反発も大きいが、それを操る側も倫理的葛藤が現場ではあり・・・

米国の無人爆撃機を操縦していた若者の回想が…すさまじい
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20130608/p6

ただ、そこでも書いたけど、だからといってパイロットが乗り込んだ有人飛行機の爆撃なら、無人機より人道的だ」というのも倫理的にへんな部分はあるんだよな。「騎士道的フェアネス」を持ち出すのも何か違和感あるし。

それはともかく、上で紹介したツイートにもあるけど、無人爆撃機は米国だけが使うことにはならないだろう。というか既に中国の無人偵察機」の話は尖閣問題で何度も出てくる。リスクやコストの兼ね合いで普及は進んでいくことになる。そういえばハッタリ説もあったが、イランも「無人機を開発した」と言ってた気がするな。
うそかまことか。

イラン陸軍の最新の無人機・ヤスィールが完成
http://japanese.irib.ir/news/latest-news/item/40434
 
【実は圧倒的な】イランの無人航空機技術 - NAVER まとめ
http://matome.naver.jp/odai/2136615743589676201

いまの無人機の現状を、ウィキペディアにきいてみよう。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%84%A1%E4%BA%BA%E8%88%AA%E7%A9%BA%E6%A9%9F
あれ?そんなに多くねーなー。
というか、日本もすでにあるの?
さらにいうと、「これを国家だけが所有するとは限らず、非国家の武装勢力も将来は所有して・・・」と書こうとしたら、すでに持ってたりする。まあほとんど国家に近いっちゃ近いが。

無人偵察機
RQ-4 グローバルホーク
無人偵察機は、アメリカのRQ-4グローバルホーク日本の遠隔操縦観測システム (FFOS) 等がある。イスラエルに対立するイスラム武装組織ヒズボラも2006年に無人偵察機「ミルサード」の所有を公表している

そして筒井康隆の名作「アフリカの爆弾」のように、アフリカの小さい集落で
「たいへんだたいへんだ、隣の村無人爆撃機もったよ」
「うぬ、じゃあうちもだ」
と・・・

アフリカの爆弾 (角川文庫 緑 305-2)

アフリカの爆弾 (角川文庫 緑 305-2)

「警察の」カメラ付き無人飛行機が24時間、都市上空を飛行し監視する世界・・・2020年東京五輪は、これで安全安心?

という話はないけど、過去の例があって・・・

http://mirushakai.jugem.jp/?eid=345
 The Nation紙によれば、ロンドンオリンピックには48000人の公安部隊、13500人の軍隊が配置される。彼らは人家の屋根の上に地対空ミサイルを据え付け、群集を蹴散らすための音響武器(ソニック・ウェポン――耐え難い頭痛をもたらす)、無人監視飛行機(ドローン)を配備している。「安全区域」は11マイルの高周波電気フェンスで隔てられ、攻撃用警察犬をつれた55チームが厳重に見回っている。“Drones, Missiles, and Gunships, Oh My!” Welcome to the 2012 London Olympics

北京五輪でも、治安維持、監視のためのドローンはとんだ。ロンドン五輪中の臨時措置だったのだろうけど、確かにそれが治安維持効果があることは否定できない。

というのは、「全米警察24時」なんかで見るけど、わるいひとが強盗やら殺人やらをして車で逃げると、それを空からヘリで追っていく・・・これは基本、最短直線を進めるヘリに、道なりに行かねばいけない車がかなうわけがない。

実際の逮捕は地上のパトカーに任せて、逃走中の自動車を空から無人飛行機がどこまでも追跡していったら…非常線を張って捜索している車を、上空のドローンが撮影し、画像分析でその特徴を割り出すことができたら……おそらく効果的だろう。そして無人飛行機で、カメラさえ積めばいいということになれば、そもそもその機体は小さくていい。
それが何十機単位で東京の空を飛行し、警戒態勢に当たる。


そんな・・・ディストピアだかユートピアが本当に繰るのかどうかは分からない。


セコムはもう少し穏当なものを作ってたな。

http://keibihosho.blogspot.jp/2013/07/blog-post_4127.html

2013年1月5日号の「警備保障タイムズ」では、セコムが警備先の不審車両や不審者を追跡し、車両ナンバーや人相を高精度に撮影する「小型飛行監視ロボット」を開発したと1面トップで報じた。これは、同社が進めるオンラインセキュリティー・サービスの一環として、実用化を急いでいるものだ。

 監視ロボットの大きさは、ラジコン・ヘリコプター程度で四つの回転翼を持つ。バッテリーを動力に、警備先の営業時間外にセンサーが敷地内への不審侵入車両(人物)を探知すると自動的に発進する。自由に飛び回り、赤外線カメラを駆使して様々な高度、角度から車両ナンバーや運転手の人相を撮影する。本社のオペレーションセンターでは、モニター画面を見ながら監視機を操縦し、状況により警備員の派遣、警察への通報を行う。低騒音の無人機が突然、侵入者の前に出現することで犯罪を断念させる防犯効果も期待されている。

これ、この前「がっちりマンデー」でみたんです。
セキュリティを突破して盗賊が事務所に入るでしょ?そうしたら、こいつが飛んできてこれみよがしにカシャカシャ、ジーーーーっと撮影開始。面白いのは、ヤバイと思った犯人側が近づくと、逆に遠く離れて距離を保つのね(笑)。
上空に浮かぶ彼らは、物でも投げないと撃退できない。
犯人を逮捕攻撃する物理的力はなくとも「お前らの顔も体型も、車のナンバーもみんな撮影したけんね。まあ自首したら?」と、そういう力になると。
同社の公式説明

http://www.secom.co.jp/corporate/release/2012/nr_20121226.html

(1) 民間防犯用としては世界初となる、小型飛行監視ロボット
敷地内への侵入など、異常発生時に、自律飛行により対象の人や車などに接近・追跡し、画像で撮影する、防犯を目的とした小型飛行監視ロボットは世界初です。
(2) オンライン・セキュリティシステムとの連動でより迅速な対応が可能
セコムの各種オンライン・セキュリティシステムとロボットが連動することで、以下を実現し、より迅速な対応が可能となります。
① オンライン・セキュリティシステムにより侵入場所を特定し、確実に対象のもとへ移動が可能
② 小型飛行監視ロボットは撮影位置や撮影方向を自動制御できるため、最適な映像が撮れ、証跡性も高い
③ 小型飛行監視ロボットの追跡機能を使うことで、逃走情報(逃走手段/方向)を的確に捉えることができる
④ 小型飛行監視ロボットから送られる情報を使い、より的確な対応ができる
(3) 死角なく、不審者や不審車両の対象画像を記録
小型飛行監視ロボットが自律で不審者などの対象に接近・追跡するため、監視カメラやセンサーが設置されていない場所であっても、不審者や不審車両などの全方位を撮影・記録することが可能です。

まあ見てみなよ。


だが一方で・・・・・・下に続く

空からの取材(パパラッチ)、宅配便…ドローンがさらに普及したら。

てか、いま検索したら、ドローンちゅうか、リモコン飛行機+カメラは非国家の民間人だってふつうに使用している。逆に反体制の武器にも使用可能なのだ。技術を常に、国家が独占できるわけではない。

トルコ警察、ドローンを撃墜 抗議運動を空撮中の【動画】
http://www.huffingtonpost.jp/2013/06/24/turkish_police_shoot_down_drone_as_it_flies_over_protestors_n_3493412.html
トルコのイスタンブールでJenkKoseという反政府運動の参加者がカメラを搭載したクアドコプターで抗議活動を撮影をしていたところ、警察が銃で機体を撃ち落とした。Jenkは撮影したビデオの一部を回収することができた。

全体像を一番確実に把握し、アピールできる空撮映像。国家や大メディアの独占だったこれが、一抗議者がリモコンを操ることによって自由に撮れる・・・

ふむ。
しかし

無人航空機で密かに取材する「ドローン・ジャーナリズム」の気味悪さと可能性
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20130625/1095807/?rt=nocnt
瀧口 範子=ジャーナリスト印刷ページ

 先立ってフランス・パリで開かれたジャーナリズムとテクノロジーの会議、グローバル・エディターズ・ネットワーク(GEN)に参加…「ドローン(drone)」とは、今、世界で注目されている無人航空機のことだ。注目とともに、問題視もされている……航空機愛好家が個人的に無人航空機を飛ばして人々のプライバシーを侵害したりする問題……早い人々は既に次のジャーナリズムのツールとしてドローンを捉えている……どれもスーツケースに入れて持ち運べるほどの小型軽量のものである。iPhoneなどのモバイル機器から操縦でき、数10分は飛行を持続できる電池も搭載されている。重要なのは、高性能カメラが搭載されていることだ…
…セレブがプライベートビーチでくつろいでいるところを、ドローンで撮影したりするわけだ。今はパパラッチたちが苦労して垣根からビーチをのぞいたりしているのだろうが、ドローンがあれば簡単だ

同じ趣旨の別の記事。

厳重警備も楽々突破!釤空飛ぶカメラ釤の登場でもうセレブに逃げ場はない
シュピーゲル(ドイツ)より
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/36998
、「ドローン・パパラッチ」と呼ばれる、カメラを搭載した超小型の無人飛行機……入場制限されたイベントにも上空から入り込むことができるうえ、飛行音が静かなので標的のセレブや警備員に気づかれにくい。……主催側は周囲に大きな幕をかけるなどしてマスコミ対策をとっていたが、まさか空から撮影されるとは思っていなかったようだ。ドイツではドローンを使った撮影に許可が必要だが、スイスをはじめ多くの国ではまだ規制が緩い。

ドローンで検索したら、こんなのもあったぞ。

■世界初のドローン(無人航空機)による宅配便サービス「Zookal.com」
http://gigazine.net/news/20131016-zookal-delivery-by-drone/

そらを使う宅配便キタか。「パーやん運送」の独占が崩れた(笑)。


まあ、とにかく小型大型を含めて「リモコン飛行機」「リモコンヘリ」以上のドローンが次々と生まれる……そこには高性能カメラを搭載できる……
これが社会に与える影響、変化は決して小さくないと思っています。


ああ、そういえば「こち亀」では例によってそれを先取りしてたな。カメラをリモコン自動車につける、というのは十何年も前にやったし、数年前には「リモコンヘリに(スマホの)カメラをつけて敵情勢を偵察し、サバイバルゲームを有利に戦うのに使う」というのもやった。
ある意味、これは戦場のリアルを忠実に再現してるといえば言える(笑)。
そういう人、すでにいました。