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見えない道場本舗 このページをアンテナに追加 RSSフィード Twitter

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2014-09-14

「ヘイトスピーチ法規制」が仮に必要なら…【死ね/殺せ的表現は、対象を問わず規制】がまだ明確では?「少数派か、生来の属性か」的【「対象」の限定】の議論よりは。

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昨日、それなりに皆様に読んでいただいた

ヤンキーゴーホーム」と「ヘイトスピーチ」考 - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20140913/p3

の続編です。というか、この結論を書いて本来は〆るべきだったのだが、疲れた&飽きたので途中でやめたっていうテイストも、前回文章にありますな(笑)。あ、ここだここだ。

ちょっとテーマ的にはずれるが

「安倍死ね」「安倍殺せ」に関する賛否両論の発言集(資料集) - Togetterまとめ http://togetter.com/li/656405 @togetter_jpさんから

 

ヘイトスピーチ規制法を要求している舛添要一東京都知事ツイッターヘイトスピーチだらけで大荒れ状態 - NAVER まとめ http://matome.naver.jp/odai/2140734354638479601

とも関係してくる。

ここから、属性とかを気にせず、たとえば首相であろうが少数民族であろうが、まとめて「死ね」「殺せ」な表現を規制した場合はどうか、という話も考えたかったのですが、長くなって(※だれもが賛同するなァ)飽きた。

ま、今回言いたい話は、要はそういうことです。

ヘイトスピーチと見なす範囲は、その対象が強者の時にはどうか。後天的な属性の時はどうか……という議論は、それ自体は興味深いのだが、やはり前回のようなこ難しい問題がありましょう。


で、仮に何かの法規制が必要だという立場に立つならば(※前も書いたように「自由の敵にも自由を与える、それが自由だ」という論も極めて強靭な原則だと思うが)その「対象は○○か」をとりあえず考えないことにして

「死ね」「殺せ」「ゴキブリ、豚」「ジジイババア」などをデモで絶叫することを、対象に関わらず規制するというやり方のほうが、まだ整合性は高いのではないか、と。


もちろん最初に、こういうときに想定される反論の型は想定できる

『例えば首相や知事という権力者に対して「死ね!」という言葉で強く批判したり、人形や顔マスクを焼いたりひき潰したりするのもだめなのか?』

f:id:gryphon:20140914091740j:image:medium

レイシストに対して『死ね』『ヘイト豚』とカウンターする。これは"喧嘩言葉”であるがヘイトではない』

このへんの実例に関しては、以下のまとめが参考になりましょう。

「安倍死ね」の論理 - Togetterまとめ http://togetter.com/li/656263

「安倍死ね」「安倍殺せ」に関する賛否両論の発言集(資料集) - Togetterまとめ http://togetter.com/li/656405

下のはわたくしのまとめ。

でまあ、上に書いた案でいえば(仮に規制論に立つなら)、安倍『死ね』『殺せ』とか、人形の火あぶりとかは規制の対象だね、試案では。もちろん「安倍は辞めろ!!」は百万回絶叫してもいい。……これは自由を削るといえば、削ることになりましょう。

で、これじゃだめですか?

順列組みあわせで表にすると、単純だ。

○○人死ね!殺せ!首相死ね!殺せ!
現状規制しない規制しない
規制案A規制しない規制する
規制案B規制する規制しない
規制案C規制する規制する

Aを主張しているところは見かけないな(笑)。彼らは棄権。

現状は「自由の敵にも自由を与える」という一原理であることは既に述べた。

で、そいつとの決勝戦は後回しにして、だ、BとCで「準決勝」をやってみましょう。

【○○人やXX教徒、といった個別具体的な個人ではないグループを対象にしたものでも、安倍首相や鳩山元首相、天皇、外国要人(オバマ習近平朴槿恵)あるいは東電や自衛隊、米軍、朝鮮総連オタク、ゴス、艦これファン…などの『権力者』『組織』『後天的属性』を対象にしたものでも、デモで「死ね」「殺せ」と絶叫してはいけない】

という規制案Cは、

【規制の対象を「マイノリティ(少数派、弱者)」や「生来的属性」のグループに限定し、それ以外は認める】

という規制案Bと準決勝を闘うならば、まあ世論支持の獲得ではCが順当勝ちしそうだと予想しておきます。その後は…どうなるかしらね


で、ちなみに上の場合、

『安倍や米軍に対しての死ね、殺せは「ヘイトスピーチ」という定義に当てはまらない』という話は、仮にそう認めてもいい。

それを自分は仮に「暴力性言論」と命名するが、そういう名前でなくてもそういう対象への死ね、殺せを「あんにゃもんにゃスピーチ」でも「テケレッツノパースピーチ」と命名してもいい(笑)

そうであれば規制案Cは『ヘイトスピーチ、およびあんにゃもんにゃスピーチ』規制、と名称を変えるだけでいい。

これは「同性同士の”結婚”は定義上「結婚」とは呼べない」という議論に、名称は違うが実際は結婚とほぼ似た「PACS」という制度を置く…という話に倣った。


野間易通氏との議論

このへんに関しては、noiehoie氏と並んで反ヘイトスピーチで活発に運動している野間易通氏と8月末にやり取りをしていた。

https://twitter.com/gryphonjapan/status/505904803319250944

野間易通 ‏@kdxn 8月28日

各人の善の追求を正義と同一視すると、正義と正義のぶつかりあいが起こって収拾がつかない(宗教対立など)。だからそれぞれの善のもう一段階上の徳の原理として公正さを置いて、それを正義ということにする。

 

野間易通 ‏@kdxn 8月28日

たとえば伝統的なクリスチャンとか、多数派の性規範をよしとする人が善を追求するとLGBT嫌悪に陥る。他方、LGBTが自分の善を追求すると多数派の規範を侵さざるをえなくなる。しかしこのとき、前者と後者が平等な権利を保持できていれば「公正」な状態で、正義が実現していることになる。

  

gryphonjapan ‏@gryphonjapan 8月30日

私も何度も「同性愛は罪という宗派(キリスト教イスラムの一派)」という例は出してきた。こちらが「マイノリティ」な場所もある(例:オランダ)。正直、この対立は不可避。その一つの解が「同性愛は罪!」「そんな宗教は邪教カルト!」と”<言い合う>だけなら認める”だった(続)@kdxn

  

野間易通 ‏@kdxn 8月30日

@gryphonjapan <言い合う>のは対抗言論でそれは原則にすべきですが、これが成り立つには対等な関係性という条件があります。ヘイトスピーチの場合、その条件を欠くため、言論の自由市場が成立しないのです。

 

gryphonjapan ‏@gryphonjapan 8月30日

ありがとうございます。だが「対等である、ない」という判断こそ難しい。例えば例に挙げたように北欧で「私たちの同性愛を認めないムスリムは出てけ!」と同性愛者が叫ぶ、という例が、机上の空論でなく実際にありました。またオバマが旧知ながら絶縁を表明したライト牧師は(続く)黒人の立場で白人らを呪い少数派⇒多数派ながら https://www.youtube.com/watch?v=vdJB-qkfUHc … あちらではそれも「ヘイト」と定義され批判を浴びました。、さらにいえば「池田カルト創価学会滅びよ」は自公政権の最有力支持団体という強者批判か、マイノリティ差別か。

 @kdxn

 

gryphonjapan ‏@gryphonjapan 8月30日

もし「何かの規制をする」という仮定に立つなら、自分はぶっちゃけ「死ね殺せ」を少数派か多数派か関係なく一律規制…対象拡大のほうが名誉毀損の流れでまだ、明確に定義しやすいと思っています。「安倍死ね」も「レイシスト死ね」も(それが定義上ヘイトでなくても)含めてです。@kdxn

 

野間易通 ‏@kdxn 8月31日

@gryphonjapan 「なんらかの規制をする」ことが目的なのではなく「ヘイトを規制しよう」という話ですから、「定義上ヘイトでない」ものを規制するのは無意味ですし、それこそ表現の自由の原則を侵すだけです。だめな意見ですね。

 

gryphonjapan ‏@gryphonjapan

まずヘイト定義自体、既に例を挙げた曖昧性があります。仮に「安倍死ね、右翼死ね」などを「在日死ね」と一括で…仮に「暴力性言論」としますか。その規制は少数派を定義しそちらを除く規制よりまだしも自由への配慮も一貫性も整合性もあると思います。安倍には「辞めろ」で我慢を(笑) @kdxn

 

野間易通 ‏@kdxn 8月31日

@gryphonjapan ヘイトを度外視して整合性があるとかないとかは基本どうでもいいです。「暴力的な言論」は認められるべきなので規制してはいけません。

もう1ツリーぐらい、氏と議論の続きのツリーがあったかもしれないが、とりあえず一連の形で見られるのはここでした。


資料探しの時に見つけた、参考になる議論togetter

ヘイトスピーチ規制法の問題・論点「内容規制」と「内容中立規制」 - Togetterまとめ http://togetter.com/li/712295 @togetter_jpさんから

 

ヘイトスピーチ規制法」についての整理として、規制法推進派へのご質問 - Togetterまとめ http://togetter.com/li/713317 @togetter_jpさんから

大変に興味深い。

とくに「内容中立とならざるを得ない規制だから、客観的な数字で測れる『騒音』などに帰着していく」という話は、以前小生が書いたこういう話とつながるかと思う。

デモと権利と規制と基準…「大音量」だろうと「ヘイト」だろうと。 - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20131202/p3

 

「デモ」問題(石破茂発言問題)続報。結局うるさいか?右翼街宣車と同列か、別物か? -http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20131204/p4


追記 関連資料

政治運動における「死ね」について(「安倍死ね」の論理2) - Togetterまとめ http://togetter.com/li/723783 @togetter_jpさんから



そして

http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20140914/p4

へ続く。

tsukuyomitsukuyomi 2014/09/14 22:21 『例えば首相や知事という権力者に対して「死ね!」という言葉で強く批判したり、人形や顔マスクを焼いたりひき潰したりするのもだめなのか?』

これって単に愚劣で低級な言説にすぎず、ヘイトスピーチの一般的な定義に当てはまらない気がする。

でも「ヤンキーゴーホーム」はヤンキーというnationalityに関わる語を侮蔑的に用いて同盟国の国民を侮辱している点で「チョンは半島に帰れ」と同程度にヘイトスピーチだし、沖縄で反基地団体がやっているとされる嫌がらせはヘイトクライム。

「ヤンキーゴーホーム」はよくて「チョンは半島に帰れ」はダメっつーよーな支離滅裂な言説を推進派の国会議員が言ってる間は、法規制なんか無理と思ってますが。
なんにも規制しないならなんにも規制しない。自由な国民の自由な良識に任せるってのでも首尾一貫してるので別にいいんですけどね。

自由な国民の良識に照らせば、冒頭の首相死ねって言説も、一般のヘイトスピーチも「単なる下品な言論」にとどまるわけです。

大体、欧州や米国ののっぴきならない差別の事情(人種差別が原因でほんとに人を殺す、家を焼く)に比べれば、日本の状況はこう言っては悪いがまだまだ牧歌的ではないのかと。ほんとに言論の自由を制限する必要があるのかと。
大体ヘイトスピーチの禁止は、それを禁止しておかないとヘイトクライムに多発して手に負えなくなるからじゃなかったんだっけ?日本の状況はまだまだ発生したヘイトクライムを個別に処断すれば済む状況なんじゃねえの?

とか疑問がつきんわけです。
が、まあ一連のポストを見て、日本でのヘイトスピーチの規制は時期尚早だなとの念を深めました。