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見えない道場本舗 このページをアンテナに追加 RSSフィード Twitter

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2016-03-24

『書き屋』『先生にXX円さしあげろ』…「政治家と付き合うこと」を赤裸々に書いた西部邁の本が異様に面白い。

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小沢一郎は背広を着たゴロツキである。

小沢一郎は背広を着たゴロツキである。

表題でだまされてはいけません、この表題はあくまでも例示であり、自民・非自民ざっくりわけて両方ちゃんと遡上にあがっています(笑)

この本、異様に面白かった…んだが、何がおもしろいかというと、西部邁氏の、自分の個人的な「政治家と接触して、そこで直接見言動や印象の記録」なんです。

それも基本的悪口(笑)

さらにいうと、このころ(今も?)の西部氏は雑誌発言者」を発行していて、支援者もいたのだろうけど、まあその金策に追われに追われていたらしく、政治家財界人に近づくときは、その雑誌の援助…という話が出てくるんですわ。だからすっごい生臭い。

西部氏は、そもそも全学連の凄腕オルガナイザー、「運動家」であって、たしか以前読んだ対談集かエッセイ集でも「自分組織に人を巻き込んでいく達人」「『酒場の人気者』になるようなことは、まあ得意だ」、とも言っている。それは自認であって、本当にそうかは判然としないが…そういえば薬害エイズ運動でも、小林よしのり氏に「僕がこの運動をすべて引き受ける、君は手をひいたほうがいい」とも言ってたことがあった。


……というか不思議なんだが、そういうことがあっても基本、隠すもんじゃないだろうか…と思うだが、たぶん、この本を出した2010年以降、西部氏は実際に政界にかかわって影響力を行使したり、指南役をすることをあきらめた、というか嫌気がさしたのではないか。

また、私小説的な、赤裸々な心情や行動の吐露をしたいという文学性?もたしかに、氏の私的回想録には感じられた…

にしても、おもしれーぞ、ほんとにそういう話が!!!!

さて、画像引用にするかタイプするか…


西部氏、秦野章氏の紹介で、江副浩正氏に会う

私は「今朝の新聞を読んだら”江副の私財123億円”と書いてありました。そのうちの1億か2億か3億、僕にくれないもんですかね。マスコミがあまりにもひどいんで、全国の有志に向けてタブロイド判の週刊新聞を発行したいんですよ…20ページかそこらのもんです。1万人ぐらいの読者はいるはずです(略)」

秦野氏は、じっと私の顔をみつめながら「君、本気でいっているのか」私は「本当の本気です」といった。「そうか、じゃ、江副と会う段取りをつけてやるよ」と秦野氏はいい、一週間か10日のあとに、ある料亭で3人が会う手筈となったのである。

ところが現れた江副氏は長髪のカツラをかぶり、声音もおどおど。実は拘置所くらしで「拘禁ノイローゼ」にかかっている、と自覚している状態だった…こともあり立ち消えになった。

ただ、こうやって政治家は「カネのある人」と「メディア周辺の人物」をつなげるのかということは知った。

この当時は1980年代パソコン通信がやっと普及し始め…よりもさらに前か。つまりメディア言論アクセスするには、今の何倍も人脈や資本流通の場などがないとできなかった時代だった…とはいえ。


警察戦国時代」の大将格であった秦野氏と元全学連闘士・西部氏が知り合うのもある意味奇妙だが、これは

「一緒に(※安保で、だろう)刑事被告人になった知人が成田空港反対闘争を経て舞台裏フィクサーまがいのことをして、秦野氏と料亭で一杯飲むような間柄だった。そこに西部氏を含め元安保闘争の諸士があつまり、そこで知り合って対談番組などに呼ばれるようになった」のだそうだ。

秦野編では、中曽根康弘秦野の間の確執や、

西部氏の家が左翼過激派から放火目標になり、あわや危機一髪だったところを、警察に影響力の強い秦野氏が救ってくれた話

秦野氏のいとこが戦前警察拷問にあい、人格まで変わってしまったほどだった経験で、警察時代は部下に「拷問絶対やるな」と念押しした、

リクルート事件藤波孝生氏をそろって応援演説に出向いた…などの話が出ている。


加藤紘一氏は、故唐牛健太郎に「後を託された」?その加藤氏は西部を「書き屋」と呼び…

あー、字数が多すぎて、写すのが面倒なので…画像

f:id:gryphon:20160324113045j:image:w640

こっちだともっと画像が鮮明ですな

http://f.st-hatena.com/images/fotolife/g/gryphon/20160324/20160324113045_original.jpg?1458786676

加藤紘一氏は、日本政治史90年代末に、ほぼ総理の座に指先が触れた…決勝進出、ぐらいまでした人物であることは間違いないだろう。

この人が総理だったら、平成史はものすごい違いがあったと思うよ(悪い方向に)。

その人物が、日本反体制運動で、やはり一番の影響力を発揮した一人から、末期がんのときに「後を託される」というのはちょっち、ダークファンタジーじみたロマンがある(笑)

だが、そんなこんなで「西部氏のほうから」加藤氏に会いたがり、しかも「森田実」氏を通じて会うことができるようになった…というのがまたなんともね(笑)。しかも、こういうときに会う場所は、やっぱり料亭なんだ…費用はどこ持ちなの??

約束料亭で森田氏と一緒に座していた。しかし、30分経っても1時間待っても加藤氏はこない。

(略)

たぶん1時間30分遅れで加藤氏がやってきた。みたところ泥酔とは言い切れまいが、それに近い深酔いの状態とみえた。(略)当方は…「来るべき大衆社会の大混乱に備えるには真正保守思想が必要で、そのためなら一知識人として尽力したい」ということだけを伝えた。いや、冗談口として『ゴーストライティングもいとわずに…』と

(略)

それに対し加藤氏は「我々もそろそろ書き屋を必要としている。自民党は書き屋を集めていないからなあ」と応じてきた。『カキヤ』と聞いて、最初、私は何のことかわからなかった。

(略)

いま、加藤氏がもう一つの言葉を吐いたことを思い出した。『唐牛さんがなんだかんだといっていましたがね』といったような言葉が氏の口から出たのである。

最後の話はどういう意味だろうか。加藤氏は「そういわれても迷惑だ」ということだったかもしれないし、というかその後も接点はやはりあったんか!!と驚く点でもある。

まあ、結局加藤紘一氏と西部氏は肌が会わず、

銀座のバーで2006年、女店主から「加藤先生がこの前いらして西部批判をやっていたわよ」と聞かされたという。

それも自民党政治家から「西部左翼を裏切った反動右翼になった」と言われた、というのだから(笑)


亀井静香は謎の「国民文化研究センター理事長西部氏を押そうとした

亀井氏ら自民党西部氏の交流1993年細川連立政権のときに西部氏が「こんな下らぬ政権は1年もたない」と言ったところ、当時圧倒的な連立政権人気に不安でたまらなかった自民党が、数少ない応援団として西部氏に接触、重宝したらしい。

秦野氏と同様、警察出身亀井氏とは安保闘争で敵味方という縁もあり?その後、交流はつづくが…

西部さん、ちょっと用があるんだ。会いたい』というので、私は指定料亭に出向いた。

(略)

亀井氏が口を開き、(有名大学の)理事長にたいして「あの国民文化研究センターの件だが、西部さんが理事長ということでいいでしょう」という。(略)私は狐につままれるの感であった。その研究センターのことなど、いわんや私が理事長になるということなど、片鱗も耳にしていなかったからだ。…時を置かずに亀井事務所から「また、あの料亭に来てほしい」との連絡が入った。…『待ってくださいな、その話、何のことやら私はひと言も聞いておりませんよ。(略)いい加減にしてくださいな。失礼じゃありませんか』

亀井氏がいくぶん声を荒らげ、血相も少し変えた。「西部さん、そんなことをいうんじゃ、あなたと僕の関係はこれでお仕舞だよ」(略)

なんなんだ政界

しかし、その後、こんどは西部氏のほうからのこのこ接触する。

これは画像で。

f:id:gryphon:20160324120259j:image:w640

鮮明な画像はこちら

http://f.st-hatena.com/images/fotolife/g/gryphon/20160324/20160324120259_original.jpg?1458788637

というか、だれだこいつ。

東大自治委員選挙で唐牛一派の不正選挙西部邁らに敗れ、その後は自分共産党を除名されて弁護士となり、住民訴訟で活躍しながら、手蔓を探して建設大臣亀井静香にひそかに接触する」という御仁は……

で、亀井氏のその陳情?への態度が、なんかマンガに出るような「ザ・政治家」だわな。

「その高架線の件は都知事マターだなあ。すぐ”慎ちゃん”に聞いてみよう。…ああ、慎ちゃん、俺だよ。亀井だ。あれはうまくやってるかい。……あれって何かって、オンナ、オンナだよ、ワッハッハ。……実は聞きたいことがあってなあ」

おれは権力のあるあいつと知り合いだぞ

ツーカーだぞ、

いつでも電話をかけられるぞ、

○○ちゃん呼ばわりだぞ

女の話をするほどしたしいぞ、

その俺がお前の頼みで骨を折ってるぞ…

すべてをアピールする完璧かつベッタベタすぎるこの電話………。なお、この陳情はなかなか有益だったようす。



そして”平成の表裏比興の男”鈴木宗男は「雑誌赤字は僕が引き受けます」

鈴木宗男氏には軍師として、インテリ言葉自由に扱え、耳学問鈴木氏に授けられる佐藤優氏がいる。鈴木氏を介して見えるその影も面白い。(佐藤優鈴木に吹き込んだであろう、ハイエク理解は間違いだ!と西部が怒ってる個所とかあるのよ)

f:id:gryphon:20160324121702j:image:w640

鮮明に読むには

http://f.st-hatena.com/images/fotolife/g/gryphon/20160324/20160324121702_original.jpg?1458789446

期待を裏切らなさすぎるだろ。

先生、これ、赤字でしょ」

先生、そのX分の一は僕が引き受けます…先生にY円、差し上げるように」

というか、西部邁氏は、それを堂々??と受け取っていたわけだが…税金や、政治資金支出は(鈴木氏の私財か?)。西部氏側からの申告は。

その雑誌の、資金援助を受けている間の論調は、その事実によっていささかなりとも制約されたのではないか?


と。

ちなみに、西部氏は、こういうふうに秘書を怒鳴るパワハラな光景も目撃している。

「なにー、こらあ、バカヤロー。ちゃんとやれっていっておいただろう。そんなこともできないのかバカヤロー、バカヤロー、バカヤロー」


その他に表題小沢一郎氏はじめ小泉純一郎田中真紀子田中角栄秘書早坂茂三中曽根康弘中川昭一新井将敬…の各氏などが長短の文章で紹介されているが、(西部氏から見て)無礼とか不勉強とか、そういうのを批判している繰り返しなので、飽きてきたので略す。





やっぱり今でも「政治家の周辺」に怪しいやつらはたくさんいる。それは面白い光景ではあろう、関わりたくないが…

ぼくのすっごい偏見なんだけど、政界以外だと「映画界」「格闘技界」周辺に、なんか偉い人と料亭とかバーであって、何かのやりとりをして、お金がその間にうごく…という人がいるっぽい(笑)

許永中受刑者、韓国移送日本永遠の別れ(原則、再入国不可能

http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20121224/p3

猪瀬去りて”平成フィクサー一水会”の黒い影のみ残る・・・木村三浩代表の、江川紹子インタビュー

http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20131220/p4

一水会」ならぬ「一割会」!!500万円がフィクサー業の報酬だった。(でも返した) -

http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20140119/p3

 

■デ・ニーロが映画プロデューサー役の「トラブル・イン・ハリウッド」が公開中。「g2」では自己破産映画屋(くらたま夫)手記も

http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20100914/p5

代理人、プロデューサーエージェントプランナー現代の「縦横家」よ闇にうごめけ

http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20080613/p5

映画TV出版…「最後の冒険商人」が生きているのは、こういう権利仲介ビジネス

http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20110619/p2

AKB48…というか秋元康氏について質問。彼はいわゆる”怪物”なのか?〜或いは虚業列伝

http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20120611/p4

代理人、仕掛人…浮草虚業の、栄光と誇りを逆説で語る「グラゼニ」の一節がかっこいい&「限界集落温泉」(鈴木みそ

http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20131014/p2

昭和冷凍保存!あからさまに「フィクサー」な雰囲気武道家が、ゴマシオ親父とゆるーく対談。格闘界・プロレス界の「衝撃の真実」を語っちゃう。 http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20140725/p3


なんかね、そういう人は面白いだろうな、とは思う。そういう世界ある意味で「楽しい」だろうな、と思う。

f:id:gryphon:20120611080053j:imagef:id:gryphon:20131014063659j:image

http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20131014/p2

じゃあ……”俺たちのゼニ”はどこに埋まっている?

そこら辺にフワフワ浮いているのさ!俺たちはそいつを掴みに行く!

でも そんなモノはフワフワしているから本当に掴めるかどうか分からない。

(略)

(部下 「ミジメが…仕事……」)

だけどな よく考えてくれ……。 保証されている銭を取りに行くだけなら…… それは単なるサラリーマンだ!

無いとこに 銭を産み出させる! それがビジネスマンだ!

俺たちはビジネスマンだろ?

生まれかわりが七回できるなら、1回ぐらい、そういう世界で…自分が活躍したいとは思わないが、活躍するひとびとを見に行きたい、気がする。


だがそうも

いかないから、

吉田豪氏の本とかで代償的にその世界を楽しむ。

要はこの西部邁氏の本は、吉田豪書評という形でツッコんだり、あるいはインタビュー第一級資料にしてもらったら最高な、そんなふうな種類の面白さを持つ本でありました。