撮影行為か、表現行為か。


 開幕から一ヶ月以上に渡り様々な場所に奇妙な光景が出現し、当然のごとくそれらを記録するため大量の画像が生産された。
 ほとんどは公的・私的にTwitterFacebookInstagramで日々消化されていったしそのために撮影されたものだったが、中には自らの芸術性の発露の土台として写真撮影に励んだ地元の写真愛好家達がいた。
 所属する写真クラブの一員としてテーマに沿って作品作りに取り組み、あるいは一匹狼として誰にも指図されずに独自の絵作りに努めていた人達。今はまだ彼らの作品の極一部がWEBに発表されているに過ぎないが、これら作品の「再表現」に投じられたエネルギーの質と量に俺は圧倒された。
 個人的に特筆すべきは我が係員のZ君が撮影してきた一連の作品である。EOS 70D、そして遅ればせながら閉幕当日の午後に彼の手元へ到着した6Dによる膨大な作品は、公式記録に組み込まれる。
 俺もZ君と共に何度か作品の撮影に歩き、わずかな枚数を広報用に提供することになったが、機材や撮影手法を試すことばかりに気を取られて彼のような情熱を持った画を撮る事はできなかった。