通勤時に通る、ある駅の発車メロディがこの時期限定で阿波踊りになります。なぜか関東では阿波踊りってあちこちでやってて、知ってる限りではそこと、新宿区神楽坂と神奈川県大和市でやってます。
なんでそんなに流行るのかっていったらあのメロディでしょう。2拍子でテンポが早い阿波踊りのリズムって、理屈じゃなく身体が反応するのかなと思います。なんとなく踊りたくなるってのは、わからんでもなかったりします。


阿波踊り会館ってのが徳島市にあってそこでは阿波踊りを通年で見られるてことを知ってはいたものの観光しに来たわけじゃないからと巡拝中は素通りしちまいました。そのときは正直、踊りをみてもなーつまんないだろうなー、なんてのもありました。しばらくして小松島というところで元銀行員だった人と雑談したのですが、興味深かったのは東京の阿波踊り徳島県民からすると阿波踊りじゃないものが多い、(踊る阿呆にみる阿呆っていう文句からか?)なんかこう滑稽でコメディチックな踊りととられがちなんだけど必ずしもそうではないし、見ててほんとに引き込まれる「踊り」なんだよ、ってことと、徳島中に沢山の連が有って踊り好きがよってたかって踊りを競うのが阿波踊りってことを教えられました。


近所の公園の桜祭りでのことなんすけど、どこかの阿波踊りの「連」(踊りを踊るグループのこと)を呼んできて30人くらいの集団が2組ほど公園の中を練り歩いてたのですが、(たぶんアルコールが入ってたのだろうと推測するんすけど)大学生と初老の男性ほか何人かがあの鳴り物のメロディに血が騒ぐのか俄かに飛び入りで参加してました。音楽ってほんと人を動かすんだなあ、って思わされた瞬間なんすけど。その人たちが徳島の出身なのかどうかはわかりませんしそのとき初めて「阿波踊り」をみたので正統派の阿波踊りなんて詳しく知りもしませんが、「連」のひとたちも俄かの参加者の人たちもたぶん「阿波踊りの真似事」じゃないってことだけは素人目にもわかりました。ああこれが「阿波踊り」なんだろな、と合点がいったというか。確かに本人が楽しんでる以上に観賞に耐えうる「踊り」だったんすけど。


88番を打ち終えて1番に戻る途中に泊まった宿でも1番札所の最寄の駅でも、実は「こんどは阿波踊りのときにいらっしゃい」っていわれたんすけど、たぶん徳島が一年でいちばん熱気に満ちた期間が阿波踊りのときなんだろな、と思います。

発車メロディを聞いて、現地の阿波踊りがどういうものか機会があったらちゃんと見たいし覚えたいっていうのと、徳島市内が踊り手と観客で溢れるのを想像するとそれも見てみたい気もしないでもなかったのですが、いまからだとちと宿が難しく断念しました。こういうの、きちんと計画立てないとダメっすね。