ブラタモリ「ものづくり名古屋」

名鉄名古屋の隣が栄生駅で、駅からそれほど遠くないところに豊田紡織の工場跡を利用した産業技術記念館というところがあります。トヨタグループの製品や技術がならべてあるのですがけっこうなスペースを紡機と織機が占めています。産業技術記念館へ行くと繊維産業や繊維機械製作が盛んであったことがなんとなく理解できるようになっています。三河や知多は尾張藩の時代から木綿の産地でしたし、蒲郡市一宮市はいまでも織物産地でカーテン生地やスーツ生地などの出荷がありますし、豊田紡織は有力な大手自動車部品メーカーですがいまでもエアバックなど繊維につながりのある製品を作り続けています。そもそもトヨタの祖業は自働織機です。でも愛知県外からみると愛知の産業というと自動車が注目を集めてしまいそれ以外は目立たないのかもしれません。録画したブラタモリの「名古屋のものづくり」編を眺めてて、名古屋が家康の作った運河機能を持つ堀川を利用した材木の集積地であり、その木材を利用してからくり人形の製作などが行われ木製品加工技術があり、それが自働織機製作などにつながった、というのはかなり唐突感がいなめませんでした。

織機に木製品加工技術の恩恵はあったのは確かです。でも繊維産業があったからこそ自働織機が生まれたのは確かで、繊維産業の視点がないのが寂しい気がしました。もちろんそんなことしていたら45分では収まらなかったと思いますし「そりゃ名古屋でのうて、愛知の話だでよ」って云われるとぐうの音も出ないのですが。
ぐう。
後半は瀬戸物を中心とした窯業とそれにまつわる物流をとりあげていました。いまの名鉄瀬戸線(いわゆる瀬戸電)が瀬戸の陶器をはじめとした窯業製品を堀川べりまで運んでいたこと、森村組が食器産業を通じて名古屋の窯業を盛んにしたこと(碍子は森村系の会社がいまでも強い)、名古屋市東部の丘陵地帯が古代から窯業が盛んであったこと(俗に猿投窯といい忽然と鎌倉期に消えてしまうのですが)などをさらっと紹介していたのですが、瀬戸土をはじめとして地質に強いブラタモリ的にはもうちょっとつっこんで欲しいテーマでした。ここらへん更なる深堀りを期待したいところなのですがムリかなあ。
以前は中村区にいて中川運河のある中川区は隣だったんすけど、恥ずかしながら中川運河についてはしらないことばかりで、(ささじまライブのそばに運河町という地名もあるくらいなので)旧笹島貨物駅に接続する運河なのかなあと勝手に想像していたのですが輻輳する堀川のバイパスの意味合いがあるということや閘門がいまだ現役であることなどは今回はじめて知りました。
名古屋はかつていた街なので今回も45分間あっという間で、興味深く視聴しました。名古屋でもう一回ぐらいは特集して欲しいのですがそれは難しいかなあ。