基本理念の続き。
ビジョナリーカンパニーに以下のような記述がある。
すばらしい意図やビジョンは持っているが、
その意図を活かす具体的な仕組みをつくるという
不可欠な手段をとっていない組織が多い。
もっと悪いのは基本理念と矛盾する
戦略や戦術をとっていても目を瞑ってしまうことで、
こうなると混乱が起こり、冷ややかな見方が広がる。
基本理念は自らの価値観と存在意義だ。
それを無視してしまうことの愚かさは、言うまでもない。
過去、私の所属する組織で以下のようなことがあった。
ISO9001を導入しようとしている時の話だ。
導入するに辺り、部署の人間が集められ説明会が開かれた。
説明の中で「ISOを導入する目的」なるものがあり、
それについてある人が質問した。
質問の内容が都合悪かったのだろうか、
答えは酷いモノだった。
かなり強い口調で、
「それ(目的)にこだわるのは、なにか重要なのか?」
だ。
会社上層部自ら、自分達が掲げた目的を否定した瞬間だ。
私に伝わってきたメッセージは、
「この目的は形だけのものですよー」だった。
(まぁ、目的の内容を見ても形だけなのは明らかだったけど)
その後、我が社のISOがどんな形で運用されているかは
推して知るべし。
組織のどんなレベルであっても、
自ら掲げた目的と価値観を自ら否定する行為は、
その後の活動に致命的なダメージを与えるのだ。
基本理念は、自分達が本当に信ずる内容でなくはならない。
そして、その基本理念から外れた行動はとってはならない。