ブルー・オーシャン戦略 競争のない世界を創造する (Harvard business school press)
- 作者: W・チャン・キム,レネ・モボルニュ,有賀裕子
- 出版社/メーカー: ランダムハウス講談社
- 発売日: 2005/06/21
- メディア: 単行本
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MindMap化を終えたので、Blogでまとめを試みる。長いので何回かに分けて。
ブルー・オーシャン戦略とは
レッド・オーシャンとブルー・オーシャン
2種類の市場のタイプがある。レッド・オーシャンとブルー・オーシャンだ。
レッド・オーシャンとは、限られたパイを競合相手と食い合うような市場のこと。競争相手が次々と現れ、その中で利益を出しつつ成長していくのは、とても厳しい。激化する競争の中、海が赤い血潮に染まっていく様を指して「レッド・オーシャン」と呼ぶ。
一方、ブルー・オーシャンとは、まだ誰も踏み入ったことのない未開拓の市場のこと。新たな需要を掘り起こし、ブルー・オーシャンを見つけることができたなら、レッド・オーシャンよりも大きな利益の伸びが期待できる。
戦略論としての違い
レッド・オーシャンでの戦略は、兵法に根ざしたものだ。一定の領土を奪い合うように、一定の市場で敵を打ち負かすための戦略。片方が勝てば、もう片方は傷つくことになる。
ブルー・オーシャン戦略においては、市場領域は一定ではない。戦争の前提が成り立たないわけだ。これまでの産業史を振り返っても、市場が拡大するような新たな需要が掘り起こされたことは度々あり、ブルー・オーシャンが絶えず生み出されてきたことが分かる。競争のない新しい市場空間を創造できること。それが産業界の強みなのである。
ブルー・オーシャンを生み出すには? → 「バリュー・イノベーション」
ブルー・オーシャン戦略の土台「バリュー・イノベーション」
バリュー・イノベーションはブルー・オーシャン戦略の土台とも言えるものだ。
レッド・オーシャンから抜け出せない企業は、既存の枠組みの中、競争相手に勝とうとする。これらの企業が見ているのは、「競合他社」なのだ。
一方、ブルー・オーシャンを切り開く企業は、バリュー・イノベーションを生み出す。彼らは「競合他社」を比較相手に用いない。あくまで、自社の製品やサービスの買い手、あるいは自社にとっての価値を大幅に高めることを目指す。
価値(Value)と革新(Innovation)
価値(Value)を高めるだけでは、どこか中途半端で、市場を抜きん出るまでには至れない。
革新(Innovation)によって技術的なパイオニアになるだけでは、買い手の価値に繋がらない。こういうのは、往々にして「行きすぎ」ている。
バリュー・イノベーションは、以下の調和がとれて初めて実現可能となる。
- 革新(Innovation)
- 実用性
- 価格
- コスト
買い手と売り手のwin-win
バリュー・イノベーションによって、コストを下げながらも、同時に買い手にとっての価値を高めることができるようになる。効用、価格、コストの足並みを全て揃えるのだ。
そのためにも、全ての企業活動を巻き込んだ「戦略」が必要になる。
価値とコスト
レッド・オーシャンにおいては、価値とコストはトレードオフの関係にある。買い手の価値を上げようとすれば、高コストになる(=価格も高くなる)し、低コストに抑えようと思えば、買い手の価値が低くなる。
ブルー・オーシャンでは、価値を高めながらも低コストを実現することになる。
6つの原則
以上のようなブルー・オーシャンを切り開くためには、6つの原則に従わなくてはならない。
策定の原則
- 市場の境界を引き直す
- 細かい数字は忘れ、森を見る
- 新たな需要を掘り起こす
- 正しい順序で戦略を考える