これ僕.com:行動分析学マニアがおくる行動戦略

意図と行動のギャップから生じる「不自由さ」への挑戦。果たして僕たちに自由はあるのか?

目標達成へ向けた習慣化

習慣化できれば自然に目標に近づく

目標を達成するために必要なものは習慣だ。
大きな目標からブレイクダウンしたタスクも勿論あっていいと思うけど、より重要なのは習慣なのだと。
タスクというのは、基本的に1回だけ取り組むものだと思う。期限があって、片付けるべき作業が明確になっていて、完了したら消え去っていく。しかし、目標を達成するために重要なことは、正しい行動を繰り返し積み重ねていくことだったりする。それって、つまり習慣だ。
例えば、体重を10kg減らすという目標を掲げたとして、これをタスク管理でどうにか出来るかというと、ちょっとやり辛い。運動するにしろ、食事制限するにしろ、期限を設けて一回こっきりの作業するのとは違う。週3回のジョギングにせよ、腹八分目に抑えるにせよ、少しずつ自分の生活の中に埋め込み、自然と行動できるようにしなければならない。
だから、目標を達成するためには、目標に近づくために繰り返す行動をリストアップし、更に、どうやって習慣化するかを工夫するのがポイントになるのだと思う。

行動分析学を利用して習慣化

行動分析学というものがある。
行動分析学では、人が失敗を繰り返す原因、あるいは行動を継続できない原因は「心」だという考え方には立たない。やる気が無い、根性が無いといった精神力の問題にはしない。行動随伴性に、その原因を求める。

人が行動を繰り返すとき、そこには主に2つの要因があるらしい。

* その行動によって望ましいものが得られる
* その行動によって嫌なものが回避される

このどちらかが行動の結果にあると、その行動は増加する。逆に、

* その行動によって嫌なことが起きる
* その行動によって望ましいものが得られなくなる

といった結果が行動についてくると、その行動は減少する。

ということは、目標を達成するための行動をリストアップできたら、それをどうやって好ましいものと紐付けるかを考えればいいのだろうと思う。
私自身、一年ほど前にダイエットすることを決意し、以下のようなことをやった。

  • 1回の食事を腹八分目に抑えることが出来たら1ポイント
  • 10ポイント貯まったら、ビールを飲んでもいい

あとはレコーディングダイエットの本を読んだ影響もあって、1日1500Kcalを目安にした。
これだけのシンプルなことしかしてないが、半年で7〜8kgほど体重を減らすことができた。この場合、ポイントが加算するということと、ある程度ポイントが貯まったらビールが飲める、というのが「行動に伴う好ましいもの」だった。勿論、体重の減少というのが最も好ましいものではあるのだが、常に体重が減り続けるというわけでもないので、こういった作り出した行動随伴性が継続の力になった。


ポイントを加算するというのは、割と汎用的に使えるテクニックなのでお勧め。でも、ポイントを溜めた先に、より美味しいご褒美を用意しておくのが、もっと重要ではないかと思う。
上手い具合に習慣化を設計することができれば、自然と目標の達成に向かっていくのではなかろうか。

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