2011-08-18
コトラーのマーケティング3.0 ソーシャル・メディア時代の新法則
コトラーのマーケティング3.0 ソーシャル・メディア時代の新法則
- 作者: フィリップ・コトラー,ヘルマワン・カルタジャヤ,イワン・セティアワン,恩藏直人,藤井清美
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2010/09/07
- メディア: 単行本
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「近代マーケティングの父」として広く知られているフィリップ・コトラー(Philip Kotler)の本を初めて読みました。
Web2.0とかiOS4.0とか、世代を表す数字を使った表現は数年前から(もっと前から?)世間が認知し始めたと思います。携帯電話回線も、第3世代移動通信システムの略として3G(3rd Generation)と言われていますし、なじみのある表現になってきました。
タイトルの「マーケティング3.0」はまさにその意味で、本書は第3世代のマーケティングについて解説しています。
では、その前の1.0と2.0はどういったマーケティングだったのでしょうか?
ざっくり言ってしまうと、以下のようになります。
マーケティング1.0
産業革命により実現した、製品中心のマーケティング。その目的は、基本的な製品をマス市場に向けて販売すること。主なマーケティング・コンセプトは製品開発。1対多数の取引。
マーケティング2.0
今日の情報技術により実現した、消費者指向のマーケティング。その目的は、消費者を満足させ、つなぎとめること。主なマーケティング・コンセプトは製品の差別化。1対1の関係。
1.0は、単純にモノをたくさん作って価格を安くして、多くの人に売ればOKという感じです。
2.0では、消費者はインターネットのおかげで十分な情報を持っており製品をかんたんに比較できるので、差別化が重要になるということです。価格.comはその典型ですよね。
では、3.0はどのようなものかと言うと、
マーケティング3.0
ニューウェーブの技術(SNS、Wikipediaなどのソーシャルメディア)により実現できる、価値中心のマーケティング。その目的は、世界をよりよい場所にすること。主なマーケティング・コンセプトは企業が大切にしている価値(行動規範)。多数対多数の恊働。
というものです。
イーデルマンのグローバル調査によると、消費者の85%が社会的責任を果たすブランドをそうでないブランドを好み、70%がそうしたブランドに割り増し価格を払う用意があり、55%がそうしたブランドを家族や友人に勧めたいと思っているそうです。
つまり、新世代の消費者は社会の課題や関心に敏感になってきてるということです。
コトラー氏は、貧困や環境の持続性などの人類の課題は、企業と消費者、社員、チャネルパートナー、株主が「恊働」、「共創」して取り組み、利益をあげながら解決できるとしています。
また、コトラー氏の認識では、
“今日でも多くのマーケターがいまだにマーケティング1.0を行っており、中にはマーケティング2.0を行っている者もいるが、マーケティング3.0に進んでいる者となるとごく少数だ。”
となっているようです。さらに、
“最も大きな機会が訪れるのは、マーケティング3.0を実行しているマーケターのところだろう。”
と言っており、1.0や2.0からさらに進んだ3.0に向かう重要性を、具体的な企業の例(ウォルマート、ボディショップなど)を示しながら説明しています。
まとめると、本書の趣旨は「企業はもはや製品を売り、顧客を満足させるためだけではなく、世界をよりよくするためにマーケティングを行わなければならない」ということです。
最後に、参考までに本書の目次を示しておきます。
目次
第1部 トレンド
第1章 マーケティング3.0へようこそ
第2章 マーケティング3.0の将来モデル
第2部 戦略
第3章 消費者に対するミッションのマーケティング
第4章 社員に対する価値のマーケティング
第5章 チャネル・パートナーに対する価値のマーケティング
第6章 株主に対するビジョンのマーケティング
第3部 応用
第7章 社会文化的変化の創出
第8章 新興市場における起業家の創造
第9章 環境の持続可能性に対する取り組み
第10章 まとめ