膝関節から見たアライメントについて(1)

膝関節の代表的な運動は屈曲・伸展であるが前額面においても目に見え
ないストレスという形でアライメント修正に参加している。前額面での
動きが乏しいため膝においてのアライメント不良は痛みになり易い。
その痛みの原因の多くは足部や股関節にあることがあるので見落さない
ように注意する必要がある。

動作の中での膝の役割
荷重下の動作においては膝単独で動くことはなく、常に股関節と足関
節の影響を受け連動して動いている。頭部と骨盤を中継する脊柱と同じ
役割である。

矢状面
→ 足関節背屈、股関節屈曲に対して屈曲で対応
→ 足関節底屈、股関節伸展に対して伸展で対応

矢状面においては上記の関係がうまくいかない時に動作上の問題となっ
て出現する。
→ タイミングのずれ、ROM制限、筋力低下、麻痺、疼痛、感覚障害
  など
膝関節そのものに問題がある場合、逆に足関節と股関節が対応修正に働
いてくれる。ゆえに足関節、股関節本来の働きが低下したり、ストレス
になったりしてしまう。

歩行分析において
歩行中の膝の動きは前額面からの観察により股関節の動きを見る指標と
なる。矢状面からの観察では屈曲・伸展の情報しか入ってこないが他の
関節と関連して観察することにより重心が後方か、前方か、アライメン
トに無理がないかという情報が得られる。
しかし膝関節の動きで異常が発見されたからと膝に異常があると決定で
きないことを理解しておかなければならない。必ず問診、視診、触診、
と併用し判断しなければならない。