1983年 F1に導入されるフラットボトム規定以前 温故知新(おんこちしん)と読みます

コスワースDFVという名市販エンジン(V8,3000CC)の登場は、同時に「誰もがトップになりうる可能性」を示唆した1970年代初頭。
そして、その群雄割拠を抜け出す多気筒大出力エンジンを選んだユーザーたちは
77年コーリン・チャップマンが世に送り出した世紀の大発明”グランドエフェクトカー”によって一気にその立場をDFVユーザーに取って変わられることになる。
コスワースDFV+ヒューランドFG400ミッションという市販パーツの組み合わせに”知恵”というスパイスを足せば、新規参入チームやテールエンダーがいきなりトップを狙えた時代。
マッドサイエンティスト型のデザイナーが己の信念や理想形のみを貫いて作り上げた奇策が、時には先頭を、時には最後尾を走る痛快さ。
イエローブックには数多くの”行間”が存在し、そしてその行間の読み取りを期待していたようなFISAの対応
そんなメチャクチャな、しかし圧倒的に面白かった時代のF1マシンを3Dモデルで回顧してみよう。--------

F1の規則集(フォーミュラ)は規定があるのだが、その読み込み方で いろいろなアイデアが浮かんでくるんです。
①タイヤの本数の記載が無かった⇒6輪が発生
②リアウィングの左右・前後の寸法は記載があったが、枚数まで規定がなかった⇒ニヤウイングを2枚付けて左右・前後寸法内に収める
③ウイングが取り付けられた当時、高さ規定がなかった⇒地上よりかなり高い位置に設置・・・
④燃料と記載はあるが、成分の記載が無かった ⇒ガソリンだか合成燃料分からず、高出力が発生
⑤レース中に給油禁止は記載なかった、、、当時は無給油でピットストップタイムロスは回避⇒高出力エンジンで燃費悪くても早く走ろう⇒レース中、給油作戦実施
⑥近年では暑い空気はボディーに張り付いて早く流れる、冷たい空気はすぐ剥離してドラッグは発生⇒ エキゾーストパイプをボディー前へ湾曲させ、高熱排気を車体に、リアウイングに流す⇒ドラックが減って早く走れる


等々、禁止とか規定、記載がないって事は不可能って言われてないから、可能性を否定しない思考がヨーロッパ人にはあるのかな、、、現在もそう。