世間で騒がれている正露丸の毒性を見て思い出す。

かつてカネゴン家に常備されていた正露丸は、今から思えば賞味期限を遥かに越し【賞味するとはおれカネゴン】、完璧に干からびてBB弾のようにカチカチになっていたのだけど、それしか知らなかったために長らくそれが当たり前だと思っていた。随分後になって自分で購入して初めて、一粒一粒がしっとりと柔らかいものだと知る。飲むほどでもないけど何となく腹の調子が悪いときには正露丸の蓋を開けて匂いを嗅ぐだけで治ったような気がした【暗示を逆手におれカネゴン】。今は二日酔いの後の熊の胆以外に薬らしい薬は飲んでいない。