はちまドボク

何かからはみ出した、もうひとつの風景

迷宮の成り立ち


都市内の地下連絡通路には、ちょっとした折れ曲がりや高低差がたくさんある。なんでなのか、考えてみた。


ひとつは、深度が浅い地下通路は、主に道路などの公共用地の下につくられること。ゆえに、その平面形状や縦断形状は地表の道路形状によって規定される。つまり、地下であっても地形に引っ張られる。
ひとつは、地下には上下水道、電気・通信設備、鉄道、道路、河川など、様々なインフラが埋まっていること。地下を占用する権利は早い者勝ちみたいなところがあって、後からつくるモノは既存のモノには触れないよう極力避ける。触らぬ神にたたりなし。
ひとつは、ビル地下を結ぶ場合に多いけど、建物や地下鉄駅によってフロアの高さがまちまちだったりすること。そこを無理矢理、地下通路と接続する。もともと公と民が協調する意図などないわけだ。それどころか、公と公であっても。


こんな理由から、不思議なカタチの地下通路が数多く生まれるのだろう。ただでさえ地下は迷いやすいのに、動線が微妙に変化していると自分の位置を見失う確率はグンと上がるように思う。それもまた楽しいといえば楽しいんだけど。いまさらという感はあるが、地下空間には関係する事業者がきちんと連携した総合的なマスタープランが欲しいねぇ。