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良医病子の八葉蓮華 〔創価学会 仏壇〕 このページをアンテナに追加 RSSフィード

八葉蓮華
「良医病子の譬え(譬如良医の譬え)」(如来寿量品第十六)
多くの病気を治す良医に百人もの子供がいました。ある時、良医が遠い他国に旅に出た留守に、子供たちは毒薬を飲んでしまい、苦しさのあまり、地に転げ回ります。そこに父である良医が帰ってきて、すぐに良薬を調合して子供たちに与えます。子供たちの中で本心を失っていない者はこの良薬を飲んで治りますが、毒のために本心を失っている者は良薬を見ても疑って飲もうとしません。そこで良医は方便を設け「この薬をここに置いておくからお前たちは取って飲みなさい」と言い残し、他国に旅立ちます。そして使者を子供たちの所に遣わし、父である良医が亡くなったと告げさせます。子供たちはその知らせに嘆き悲しみ、毒気から醒めて本心を取り戻し、残された良薬を飲んで病を治すことができました。良医は仏、子供は衆生に譬えられます。毒薬を飲むとは邪師の法を信受することをいい、本心を失うとは、これまでに積んできた善根を失うことを指します。良医が死を告げさせたというのは、仏が実は滅していないのに方便のために入滅の姿をとることを指し、子供たちが目覚めたとは仏法の利益を得たことを表しています。
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2011-01-05 コンガラカッて世が変わっていく・・・春秋

コンガラカッて世が変わっていく・・・春秋 八葉蓮華

 100年前の明治44年はまだ「開化」という言葉がよく使われていた。夏目漱石が講演で、義務に対しては活力を節約し、道楽の方で活力を消耗しようとする、二つがコンガラカッて世が変わっていくのが開化だなどとしゃべっている。

 だから汽車、電話、自動車が発明され、浮いた活力は釣りや囲碁に――「開化は人間活力の発現の径路(けいろ)である」とは少し理屈っぽいが、漱石はそう定義した。そして、横着にもぜいたくにもこれでよしという限りがないから、開化が進もうが楽になどならず、競争はますます激しくなる気がする、と見抜いていた。

 そんな予言をかみしめつつ迎える100年後の新年である。人も国もいつまでたっても開化の途上、どのみち競争から逃れられない。ならば、こんがらかりを解きほぐして、ことしこそかなえたい横着、ぜいたくに思いをはせたくなる。ちょっとの間でもそうした気分に浸れるのが、正月の変わらぬ値打ちだろう。

 総理大臣が毎年代わる国だ。また1年、予想もできぬことがいろいろ起きるに違いない。希望ならいいのだが、むしろ不安が頭をもたげる。その滑り出し、きのうから年明けにかけて、列島は寒さ厳しく荒れ模様の地方も多いという。そうとて元日の空は格別である。「初(はつ)み空(そら)頭蓋のなかも透き通る」(福原十王)

春秋 日本経済新聞 1月1日

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2010-11-01 全国の街から個性が消えていく、競い合いが特徴ある街を生む・・・春

全国の街から個性が消えていく、競い合いが特徴ある街を生む・・・春秋 八葉蓮華

 東京・日本橋に完成したばかりの高層オフィスビル。1階玄関を入るとかつおだしの香りが漂い、食欲をそそる。この街を本拠地とする三井不動産が手がけた新築ビルの顔となったのは、この地で創業300年を経たかつお節専門店だ。

 昔は多くの家にカンナのようなかつお節削り器があり、子供がせっせと削った。今はたいていパック入りを買う。「本来は削りたてが一番なんです」「そうなのよね」。年配の母親と店員の会話を、若い娘さんが感心した顔で聞く。店内では職人による削りの実演も。だし料理を買える一角には行列ができている。

 物を売りつつ文化を伝え、市場を開拓する。小売店の本来の姿だろう。隣の刃物専門店では、職人が店内で包丁を研ぐ。その姿や並んだ刃物を外国人の集団が珍しげに眺める。江戸情緒を感じさせる街並みをつくり、外国からの観光客も呼ぶ。開発した会社のそうした狙いは、とりあえず順調に滑り出したようだ。

 老舗かつお節店があるのは江戸時代、魚河岸のあった歴史ゆえ。近くの丸の内で「明治」を前面に出す三菱地所への対抗心も垣間見える。競い合いが特徴ある街を生むなら喜ばしい。全国の街から個性が消えていく。よそをまねるより、歴史や個性を生かした方が、来訪者にも住む人にも楽しい場になりそうだが。

春秋 日本経済新聞 10月30日

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2010-10-21 ポスト「42年組」は東アジアに新風を吹き込めるだろうか・・・春秋

ポスト「42年組」は東アジアに新風を吹き込めるだろうか・・・春秋 八葉蓮華

 少女漫画の世界に「24年組」という言葉があるのを、ご存じだろうか。萩尾望都さんや竹宮恵子さん、大島弓子さんら、1970年代に圧倒的な新風を吹き込んだ作家たちを指す。呼び名の由来は、昭和24年前後の生まれだったことだ。

 どんな世界でも、人材の「当たり年」と呼びたい年代がある。大相撲ではかつて、横綱・北の湖関ら昭和28年生まれの力士たちが「花のニッパチ組」ともてはやされた。同じく北勝海関ら同38年生まれは「花のサンパチ組」。会社や役所でも、特定の年次に優秀な人材がそろっていると感じることが、少なくない。

 目を政治に転じると、東アジアでは1942年が当たり年だったと言えるかもしれない。よきにつけあしきにつけ、この年に生まれた政治家たちは大きな影響力をふるってきた。日本では小泉純一郎元首相と民主党小沢一郎元代表。中国では胡錦濤国家主席温家宝首相。北朝鮮の金正日総書記も42年生まれだ。

 大相撲や少女漫画の世界と違い、彼らに対する評価は人様々だろう。少なくとも、この地域に色濃く残る冷戦構造の打破には成功していない。北朝鮮で世代交代の動きが表面化し、中国でも胡主席の後継候補、習近平国家副主席がいよいよ台頭してきた。ポスト「42年組」は東アジアに新風を吹き込めるだろうか。

春秋 日本経済新聞 10月19日

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2010-10-03 耳を澄ませば足音が聞こえる・・・春秋

耳を澄ませば足音が聞こえる・・・春秋 八葉蓮華

 目をとじて、だるまさんがころんだ、と早口で言う。そのわずかな時間に相手は移動し、目を開くたびに形を大きくして近づいて来る。今年の秋は、そんな跳躍の足どりでやってきた。ひと雨ごとに空気が澄み、雲が高いことに気づく。

 季節の移りは連続的で滑らかとは限らない。動いては止まり、気をそらせば、またいつの間にか変わっている。太陽が低くなると、日本列島の東側で、米国につながる太平洋の大気がふと軽くなる場面がある。西側のロシアと中国の上空では重いシベリア寒気団が、勢力を伸ばすチャンスをじっとうかがっている。

 日本をとりまく外交情勢も、気がつけば季節は秋である。尖閣諸島をめぐる摩擦で民主党政権があたふたしている間に仲が悪いはずの中国とロシアが対日圧力で声をそろえ、中国はじわりと東シナ海に一歩を踏み出してきた。中間選挙で忙しい米国のオバマ政権も、さすがに日本が心配になってきたようにみえる。

 だるまさんが、と数える間も、耳を澄ませば足音が聞こえる。鬼の耳が敏感だと、不思議と相手にも「手ごわいぞ」と分かるものだ。うかつに近づけないから、顔を上げたら目の前に迫っていてビックリ、と慌てることもない。秋の訪れをもっと早く感じ取っていればと、我が身の感度を恥じつつ冬支度を考える。

春秋 日本経済新聞 9月30日

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2010-09-19 若者離れ 人口が減っても上がる「長寿県」数字と結論との間で・・・

若者離れ 人口が減っても上がる「長寿県」数字と結論との間で・・・春秋 八葉蓮華

 38年ぶりに首位交代。そのニュースにホウと思い、しばらくしてアレッと感じた。敬老の日を前に、毎年厚生労働省が人口10万人あたりの100歳以上のお年寄りの数を都道府県ごとに発表する。今年は常勝の沖縄をおしのけ、島根が74.37人でトップだった。

 メディアによっては島根を「長寿県日本一」などと書いた。なるほど神様に縁深い土地だと感心したのだが、考えだすと不思議だ。果たしてこのデータは何を言わんとしているのか、よく分からないのである。厚労省に聞いても、「長年目安として出していますが、何の目安かと言われても……」と歯切れが悪い。

 沖縄は去年に比べ人口が6千人増えた。島根は7千人減り、その分お年寄りの割合が増えた。逆転の一因はそこにある。長寿県といえば住民が長生きできるとの意味だろうが、この数字、例えば若者が県を離れて人口が減っても上がる。喜ばしいことではなかろうに。そう言いたくもなる。

 「数字と結論との間ですりかえが行われていないか注意する」。統計を読む知恵を説いたロングセラー「統計でウソをつく法」にこうある。島根に始まり埼玉の18.75人で終わる数字が何を意味するのか。埼玉の人はあまり気にしなくていい。5年前のデータでは、平均寿命は女性は42位だが男性を見れば15位だ。

春秋 日本経済新聞 9月16日

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2010-09-05 土壇場の駆け引きの末に、おかしな妥協で落着しなかったのに救いを見

土壇場の駆け引きの末に、おかしな妥協で落着しなかったのに救いを見いだす・・・春秋 八葉蓮華

 トロイカ、トロイカと民主党の面々が口走っていたから、有名なロシア民謡を思い出した人も多いだろう。3頭立ての馬そりが、「雪の白樺(しらかば)並木……」と軽やかに進んでいく、あの歌だ。かようなスリートップ体制が党の「原点」らしい。

 代表選で菅直人首相と小沢一郎前幹事長が激突するのを避けようと、党内でにわかに響きわたったトロイカだ。鳩山由紀夫前首相を加えた3頭立ての挙党態勢を、というわけだがご都合主義にもほどがある。さすがに首相も金看板の「脱小沢」の値打ちを悟ったか、土壇場の駆け引きの末に両者の対決が決まった。

 おかしな妥協で落着しなかったのに救いを見いだすにせよ、これほどまでに国民不在、政策そっちのけの騒ぎもそうそうはない。ことのすべてが密室談合で進み、妙に精力的だったのは表舞台から身を引いたはずの鳩山氏だ。そもそも、一騎打ちといっても片方は強制起訴されるやもしれぬ人なのだから恐れ入る。

 ところで、トロイカという歌はじつは「大変悲しいバラード」だと、長田暁二編「世界抒情歌全集」に教えられた。本来の歌詞は恋人を奪われた御者の悲嘆をつづっているという。こんどの代表選の後に嘆き悲しむのは首相か小沢氏か。いや、政治をこういう人たちに弄(もてあそ)ばれる国民の思いにこそ、悲歌が重なろう。

春秋 日本経済新聞 9月1日

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2010-08-31 「挙党態勢」信ずるところを互いにぶちまければいい・・・春秋

「挙党態勢」信ずるところを互いにぶちまければいい・・・春秋 八葉蓮華

 フショウの身でありますけれど……。代表選に打って出る民主党の小沢一郎さんが決意を語る場面を、きのうは朝からテレビで見た。負傷の身? ああ、スネに傷ということかと納得しかけたが、むろんこれは「不肖」という謙譲語だ。

 いつも陰でうごめいている風情の人が、とうとう表舞台に出てくる。菅直人首相が「挙党態勢」を拒んだのが許せなかったらしい。政界では党内の対立が抜き差しならなくなると大騒ぎだが、このさい国民の前で信ずるところを互いにぶちまければいい。小沢一郎という政治家の本当の力も分かろうというものだ。

 とはいえ、異様な光景というほかない。「政治とカネ」の問題を抱えた小沢さんは、強制起訴にもつながる検察審査会の議決を控えての出馬だ。それだけでも道理に合わないが、もし代表に選ばれ、首相になった場合は憲法の規定で訴追を逃れることもできる。非難は高まり、負傷の身がますます痛むことだろう。

 さて、小沢さんが神妙に口にした「不肖」とは愚か者のこと。もともとは父親や先生に「似ていない」という意味だ。たしかに、これほどあからさまに事を構えるのだから誰かに似ているはずもない。ちなみに不肖には「不運」という意味もある。こちらはちょうど1年前、政権交代に夢を託した有権者の嘆きだ。

春秋 日本経済新聞 8/27

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2010-08-18 「西から東へ」過剰な設備を抱える産業の行方が気になる・・・春秋

「西から東へ」過剰な設備を抱える産業の行方が気になる・・・春秋 八葉蓮華

 セメントは西から東へと流れる。と、この業界ではいわれている。九州や中国地方は主原料の石灰石の産地で、セメント工場が数多い。できあがったセメントは貨車やトラック、船便で、関西、名古屋圏や首都圏などへと運ばれていく。

 といった解説はあくまで国内の話。九州の西には中国がある。世界2位の経済大国になろうとしている国にはビルや道路を造るセメントの工場が何千とある。「西から東へ」にならえば、今はわずかな中国産セメント輸入がこれから増えてもおかしくない。過剰な設備を抱える国内セメント産業の行方が気になる。

 中国も設備は過剰な状態とみえる。中国政府はセメント762社など18業種・計2087社に、老朽化した設備を9月末までに廃棄するよう命じた。もっとも各企業は生産効率の高い新鋭設備の導入も考えるはずだ。過剰生産はどこまで和らぐのだろうか。余ったセメントが国外へ行き場を探すことは十分あろう。

 日本のセメント会社は各地の港に倉庫を設け、「西から東へ」と製品を届けてきた。工場の燃料を重油から石炭へ一気に転換して石油危機も乗り切った。いま設備の3割が余剰とされている。そこに中国産セメントが押し寄せてくれば、かつてない窮地だ。変化に対応する力を、このへんでもう一度見せてほしい。

春秋 日本経済新聞 8/14

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2010-08-17 大規模な山火事、森は二酸化炭素を吸収し、多様な生物をはぐくむ、人

大規模な山火事、森は二酸化炭素を吸収し、多様な生物をはぐくむ、人にとって大切な空間・・・春秋 八葉蓮華

 ロシアの首都モスクワを、マスクで口や鼻を覆った住民や観光客が歩く。日本以外の国では一般に、風邪が大流行した時などですら、マスク姿で外を歩く人は珍しいそうだ。森林火災による大気汚染がどれほどひどいか、伝わってくる。

 今回は規模に加え、首都や穀倉地帯に近い西部が舞台となり注目度が増した。実は東部の森林地帯シベリアでは、多い年には日本の面積の半分ほどの森が火災で消えている。日本航空は7年前から、上空から火災を見つけた操縦士が本社経由で通報する活動に取り組んでおり、昨年は142件の実績があるという。

 主な原因はたき火やたばこの火の不始末。財政難による消火体制の縮小や、無秩序な違法伐採を一因として指摘する向きもある。もちろんこうした森林火災はシベリアだけの問題ではない。3年前と7年前には米カリフォルニア州で、10年余り前にはインドネシアやモンゴルで、それぞれ大規模な山火事があった。

 落雷による自然発火もあれば、放火や不始末など人の引き起こす災いもある。暑さが小さな火を大きく広げたこともあろう。森は二酸化炭素を吸収し、多様な生物をはぐくむ、人にとって大切な空間だ。日本でも昨年、2082件の山火事があった。前の年より件数で1割、焼けた面積で2割以上の増加だという。

春秋 日本経済新聞 8/13

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2010-08-15 様々な生き物に満ちた豊かな地球を守ろうと、国連が定めた「国際生物

様々な生き物に満ちた豊かな地球を守ろうと、国連が定めた「国際生物多様性年」・・・春秋 八葉蓮華

 スシや刺し身など、海の幸を味わう食文化が日本で花開いたのも当然ではないか。そんな思いを抱かせる調査結果が先ごろ発表された。日本の近海に生息している生き物は確認できただけで3万3千種余りで、全世界の15%近いという。

 容積では全海洋の1%も占めていない。世界の25の海域の中でも、最も生き物の多様性に富んだ「ホット・スポット」。海洋研究開発機構などの研究グループは、日本をとり巻く海をこう表現した。南北に長い国土。複雑な地形。列島の両側でぶつかる寒流と暖流。多彩な環境がいろんな生き物をはぐくんでいる。

 どの生き物が増えてどれが減っているのか、絶滅のおそれがあるのはどの種か。そういった研究は、これから本格的に進める必要があるのだという。今回の調査は今後の研究のための基礎的なデータを整えた、といったところだろう。世界を見渡せば、日本周辺の海ほど調査が進んでいないところはたくさんある。

 今年は歴史上初めての「国際生物多様性年」だそうだ。様々な生き物に満ちた豊かな地球を守ろうと、国連が定めた。10月には名古屋で国際会議も開かれる。先進国と途上国の深刻な利害対立など、難しい問題はある。議長役の日本としては包丁さばきが試される。海の幸を包み込む文化の出番到来かもしれない。

春秋 日本経済新聞 8/11

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2010-08-14 命の重さ、尊さ「いのちを生きる」現代人の心を見つめ直すことはでき

命の重さ、尊さ「いのちを生きる」現代人の心を見つめ直すことはできないか・・・春秋 八葉蓮華

 東京・秋葉原は宗教に縁の深い町でもある。近くには神田、日本橋、大手町周辺の総氏神、神田明神があり、孔子をまつる湯島聖堂がある。仏教学の泰斗、中村元がつくった研究教育機関、東方学院もすぐだ。この町で2年前の6月、無差別サッ傷事件が起きた。

 神道と儒教と仏教。一緒になって現代人の心を見つめ直すことはできないか。それで年1回の神儒仏合同シンポジウムが始まった。いくつかの宗教を結ぶこうした催しを実現するのは思うほど簡単でないらしい。それでも先日、「いのちを生きる」と題した第2回には80人ほどが集まった。

 話を聴くと門外漢でも何かを考えるよすがになる。だからこそ続けることが大切なのだろう。今回、神道研究者から「寄(よ)さされた命」との言葉を教えられた。辞書に頼れば「神が人にお任せになった命」と解釈できる。本来の意味はもっと深遠で、現代語には直せないというが、命の重さ、尊さは訴えかけてくる。

 自サツ防止活動を続ける僧侶の話はもっと具体的だ。「来るはずのない息子とは知りつつも車の音にベランダに駈(か)け」。実子が何年間も訪ねてこない喜寿の女性の歌だという。一方で生シ不明、行方不明の高齢者が、もう一方でふるさとへ向かう長い車の列がニュースになっている。車が着かぬ家の姿が頭をよぎる。

春秋 日本経済新聞 8/10

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2010-08-12 成果や能力を反映させる制度、若手と中高年社員の給料の格差はまだ大

成果や能力を反映させる制度、若手と中高年社員の給料の格差はまだ大きい・・・春秋 八葉蓮華

 王子製紙の北海道・苫小牧工場は世界最大の紙の工場だ。操業を始めて来月12日で100年になる。工場を建設したのは、取引銀行の三井銀行(現三井住友銀行)から専務として移った鈴木梅四郎。王子を発展させた功労者のひとりだ。

 三井銀行に30代初めで入ってからの鈴木の月給が記録にある。最初は45円。2年目に60円、3年目に100円になり、4年目200円、5年目300円と跳ね上がった。明治の半ばのことだ。県知事の月給が300円から350円だったというから年齢を考えると飛び抜けて高い。さぞかし仕事ができたのだろう。

 社員に実力があれば年齢に関係なく、経営者の裁量で厚く遇する時代があった。ところが戦後、1年ごとに昇給する年功序列の処遇制度が当たり前になり、若手ほど収入が抑えられるようになった。現在は社員の成果や能力を賃金に反映させる制度が広がっているが、若手と中高年社員の給料の格差はまだ大きい。

 三井銀行は鈴木に破格の高給を支払ったが、鈴木の王子製紙での貢献を考えれば十分、元を取った。投資が無駄にならない若手は今もいよう。野村証券は来春の新卒採用で、投資銀行業や法務などでは報酬が成果に連動する初任給54万2千円のコースを設け、約40人を内定した。ぜひ会社の期待を上回ってほしい。

春秋 日本経済新聞 8/7

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2010-08-11 原爆記念日、色あせた年中行事にしない責任が私たち日本人にある・・

原爆記念日、色あせた年中行事にしない責任が私たち日本人にある・・・春秋 八葉蓮華

 地上の獲物を探す鳥のように目を見開いていたはずだ。目印は「T」の一文字だった。広島の中心を貫く太田川。その分岐点にかかる相生橋は、三方から渡れるようにT字の形をしている。空の上からでも見つけやすい投下目標だった。

 原爆が広島に落とされてから、きょうで65年になる。米軍の爆撃機「エノラ・ゲイ」の乗組員の心に、そのとき何が浮かんでいただろう。路地裏で遊ぶ子供たち。朝の家事に忙しいお母さん。職場に向かうお父さん……。そんな市民の暮らしの表情は封印し、「T」という無機的な記号に置き換えていたに違いない。

 爆心が少しずれたためか、その相生橋は崩れ落ちなかった。架け直したいまも、同じT型で両岸と中州をつないでいる。橋を渡った平和記念公園での式典には、ルース米大使が米国代表として初参加する。国連の潘基文事務総長も、英仏など核保有国の代表も顔をそろえる。ヒロシマに世界から視線が集まる日だ。

 オバマ米大統領が「核なき世界を」と訴えたのは昨年4月。ノーベル平和賞を受賞したのが昨年12月。大統領の人気が陰るにつれ、核廃絶への熱気が薄れてきたと感じるのは、気のせいではあるまい。原爆記念日を、カレンダーの上の記号にしてはならない。色あせた年中行事にしない責任が私たち日本人にある。

春秋 日本経済新聞 8/6

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2010-08-10 立憲の政治を語るに足らず、自主返納、日割り今度もまとまらなかった

立憲の政治を語るに足らず、自主返納、日割り今度もまとまらなかった・・・春秋 八葉蓮華

 「官望」「民望」なる言葉がある。自分が作った新語だと福沢諭吉が書いている。人望がヒントなのだろう。政官界が内の歓心を集めるのが官望、外の人心を得るのが民望というわけだ。もっとも民望は古くからあった語で、彼のオリジナルとは言えぬらしい。

 それはともかく、諭吉はこう続ける。「官望に汲々(きゅうきゅう)として民望の如何(いかん)を度外視する者は、立憲の政治を語るに足らず」。民望ばかりが表舞台にあった参院選からまだ1カ月もたっていない。国会議員の歳費日割りをめぐり、とたんに自らの懐具合に執心する姿を望見する羽目になろうとは。

 当選後、新人は7月の任期が6日しかないのにひと月分の歳費など230万円が丸々払われた。非常識だから日割りにしようとかねて言われてきた話だ。だが今度もそうはまとまらなかった。なかには、去年8月の衆院選後は任期2日でひと月分全額もらったのに不公平ではないか、という新人さんもいたらしい。

 結局、明日の参院で成立する見通しなのは7月分のうち任期前の歳費25日分を自主返納できるという法律だ。対象の59人みなが返せば約5000万円に上るという。が、あくまで自主である。国にお金が足りないと知ってなお、民望を得ずとも不公平を訴えてやまぬ気骨の人はいるか。見てみたい気もチラとする。

春秋 日本経済新聞 8/5

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2010-08-08 北方戦線の悲劇「樺太1945年夏 氷雪の門」北方領土を巡る・・・春秋

北方戦線の悲劇「樺太1945年夏 氷雪の門」北方領土を巡る・・・春秋 八葉蓮華

 樺太(からふと)と呼ばれたサハリンは、かつて南半分が日本の領土だった。戦前、「愛の逃避行」と称された女優の岡田嘉子と演出家の杉本良吉のソ連亡命も樺太経由だった。第2次世界大戦の末期には、約40万人の日本人が暮らしていたという。

 空襲はない。食糧事情も本土よりまし。つかの間の平穏は終戦間際に暗転する。ソ連が日ソ中立条約を破棄し、8月9日に対日参戦。南樺太侵攻は15日の終戦後も続く。「皆さん、これが最後です。さようなら」。真岡(現ホルムスク)郵便局では、9人の女性電話交換手が集団自決した。8月20日のことである。

 その史実を描いた日本映画「樺太1945年夏 氷雪の門」が現在、劇場公開中だ。74年の制作だが、ソ連側の反発で長らくお蔵入りになっていた。あまり知られていない北方戦線の悲劇がひしひしと伝わる。そういえば、択捉、国後、色丹、歯舞の北方四島にソ連軍が上陸したのも、8月末から9月初めだった。

 まさか、占拠を正当化するつもりでは。ロシアが9月2日を「第2次大戦終結の日」なる記念日にした。日本が降伏文書に調印した日だ。戦後65年。退役軍人をたたえるためだというが、「対日戦勝記念日」の色彩が濃い。領土を巡る強硬論の表れか。指呼(しこ)の間にある北方領土は、ますます遠くなってしまうのか。

春秋 日本経済新聞 8/3

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