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Nexusフレームワークについて簡単に調べてみた

RyuzeeさんTwitterで、InfoQの『スクラムのためのNexus Guideを公開』という記事を教えてもらったので読んでみました。

Android開発の記事かな?と思ったら、『スクラムガイド』で有名なKen Schwaberさんによる、スクラムをより大きなプロダクト・チームで活用するためにスケールするための新しいフレームワークなんですね。

既にNexus Guide』を公開しているということだったので、実際に読んでみました。ちなみに『Nexus Guide』は、https://www.scrum.org/の右下の「HOW DO YOU SCALE SCRUM?」をクリックすると閲覧することができます。


ポイント

基本は、スクラムをベースとしたフレームワークです。但し、以下の点に特徴があります。
  • 3-9チームで、1つのプロダクト/ソフトウェアを開発するケースを想定しています。
  • 1スプリント毎に、各チームの成果物(ソフトウェア)を統合します。
    • これを実現するために、「自動化」の必要性が言及されています。
複数チームで1つのものを作るので、以下のものを各チーム間で調整・統合する必要が出てきます。
  • 要求(requirements)
  • ドメイン知識(domain knowledge)
  • ソフトウェア・テスト成果物(software/test artifacts)


これらを調整するために、既存のスクラムの上に以下の「調整・統合の場」的なイベントと、Nexus Integration Team」という調整チーム(スクラムチームとは別)とを設けています。

  • Nexus Sprint Planning(各チームで行うものとは別に行う)
  • Nexus Daily Scrum(各チームで行うものとは別に行う)
  • Nexus Sprint Review(全チームで一緒に行う)
  • Nexus Sprint Retrospective(各チームで行うものとは別に行う)
    • 次のトライをどう「見える化」してトラックするか(≒メトリクスを取るか)といったことにも言及されています。
  • Refinement
依存を如何に扱うか?

3-9チームで1つのプロダクト/ソフトウェアを開発し、スプリント毎に統合するため、各チーム間での依存関係をどう扱うかが鍵になります。依存関係の解決方法として、次の3つが言及されています。

  • 依存を洗練する
  • 依存を取り除く
  • 依存を極小化する
スクラム色が濃い

以下の点は、スクラムの影響が濃い、もしくは同一だと言えそうです。

  • Transparency(透明性)
  • Inspection(検査)
  • Adaptation(適応)
  • Definition of Done(DoD)

「スケール」という次のメインテーマ

Nexusの他にも、近年スクラムをスケールするためのフレームワークや方法論が多く提唱されるようになってきました。


いよいよ、「スケール」について広く真剣に考える時が来たのかも知れませんね。