津波被災の記録144

 明日で発災から5年9ヶ月。嵩上げ工事を選択したことにより復興計画は次々と繰り延べを余儀なくされています。また、応援職員をいまだに求めるなど、民進党自由党の支配する岩手県内の地方自治は恐怖政治と化しています。なにがあっても熊本県鳥取県は絶対に岩手県の復興を真似しないでください。また、これから来る応援職員は岩手県の手法は全く参考に成りませんので、絶対にこの手法を持ち帰らないでください。自治体職員の劣化と地元中小零細企業並びに県民市民が迷惑を被ります。
 ブローパー職員の補充は殆どせず、また退職した職員は非協力的となりで二度と関わらなくなったり、他の自治体へ移住したりと、民進党自由党の支配する地域では行政機能は劣化どころか応援職員が抜けた後、機能しなくなることはもはや明らかです。「官から民へ」というのが如何に住民にとって恐怖であったかを実感する日々です。


【釜石】待望の災害公営住宅完成 鵜住居地区

 都市再生機構という大都市圏限定の外郭団体による「丸投げ」である「設計施工一括方式+買取型」という、新自由主義の見本である入札方式により、地元業者は殆ど「復興公営住宅」建設にはかかわっていません。資本力*組織力+職縁=効率的という、「綺麗な排除」は、連合組合員の賃上げや待遇改善を齎しますが、中小零細企業の経営・雇用を悪化させて市場を歪め「独占的に支配」できるのです。以前にも書きましたが、復興税は大都市部が大半を負担しており被災地に投下されても「消えません」。納税地へ還流しているのです。新自由主義は「溜め」を排除し、還流を素早くし資本回転率を高めることで大企業と連合組合員の生活を豊かなものへとしているのです。都市部で新自由主義が選好されるのはそのためです。

 今回建設した復興公営住宅も当初予定より遅れており、遅延損害金が発生してもおかしくありませんが、払ったとしても民進党自由党の意向により納付した分も含め「買取方式」で上乗せした返すことに成りますから、大企業や都市整備機構等は一円も損することはありません。「買取方式」とは新自由主義にとってリスクが全くなく、都合が良い入札制度であるかということです。東京五輪での競技場等で入札率ガー(98%超)といいますが、競争原理も全く働くことが無いのが「工期が短縮できる」「施工金額が安く抑えられる」と言いますが、全部ウソです。工期は遅れて当たり前。施工金額は増えて全額請求。だけど受注業者・下請業者に対する設計変更(金額増)は認めない。など代行業務の都市再生機構は丸儲けという素晴らしい仕組みです。新自由主義万歳ですね。このような仕組みを別名「コンストラクション・マネジメント(CM)方式」といいます。受注業者を徹底的に苛め抜き金額を斬捨てれば切捨てるほど、代行業者の利益となり、発注者には「安くできました(てへぺろ(・ω<))」。
 
 今回完成の復興公営住宅への入居希望者の方が工期の延期があまりにもひどかったので、仮設住宅の撤去に反対し移転を拒絶していました。撤去した仮設住宅跡地は、釜石警察署建設予定地でもありましたが、その着工も伸びるなど都市再生機構鵜住居地区で行っている代行業務は復興事業を遅らせることが仕事と言っても良いのが実態です。
 東京本部から遅らせるように指示が出ているのではないかと勘繰りたくなるほどです。先月も鵜住居地区での住民説明会で嵩上工事の完成が更に2年伸びることが言われ、参加者からは声も出なかったそうです。もう再建も地元への居住も望まない人や仮設住宅で死ぬことを決心した人もいたようです。
 
 「コンクリートから人へ」を信奉する方達は「コンクリートの防潮堤ガー」と否定し「高台移転」「嵩上げ工事」「緑の防潮堤」へ誘導しました。「緑の防潮堤」は維持管理業務をNPOが独占受注する「利益の独占」と言っても良いものであることが明らかになりました。毎年NPOへ活動資金として税金を供給するのが「新しい公共」であると明確になり、無駄の排除どころか凄まじい利権の確保だったのです。また、「高台移転」「嵩上げ工事」を誘導された方達からは「コンクリートの防潮堤」のせいで、住宅価格が高くなったという言いがかりが言われています。大槌町の方の記事です。ハウスメーカーが関西以西や中国人等外国人労働者を使役するコストは地元業者の労働者より高いのです。そのコスト転嫁された価格が高いというのは本末転倒です。また、地元業者であっても円安や様々な業界での賃上げ・待遇改善コストが乗せられた資機材を使用すれば価格は上がらざるを得ません。それは、他の労働者を守る為でもあります。

 「高台移転」「嵩上げ工事」は時間が掛るのは当初からわかっていたことでした。この間に、内陸へ避難した方達は内陸部への復興公営住宅建設を選択し二度と戻らない選択をしました。地元から出せば帰らなくなる。他の自治体の支援は「人攫い」と指摘していましたが、「人攫い」自治を推奨する民進党自由党の影響力は恐ろしいものがあります。
 台風10号による岩泉町の被災は大変なものでしたが、岩泉町は必死になり住民をつなぎとめるための努力を惜しみません。当市とはえらい違いです。市長や市職員から「出て行って結構」という罵声を浴びせられるのと大違いです。復興事業に協力しても市民を罵倒する応援職員と意を汲んだ業者の法令等を無視した手法が平然とまかり通るさまは凄まじいものです。
 そのようなことからも、岩手県の手法は真似してはなりません。余りの恐怖で岩手県・市町村の知事・市町村長、職員と交流しないでください。と叫びたくなるほどです。

 嵩上げ工事により、土地の評価は震災前と比べ2倍から5倍位になる地域が出るようです。当然ながら固定資産税は爆上げです。震災以前の建物の評価は殆ど無かったですが、今回は坪80万円から100万円で建設される30坪から50坪の住宅の固定資産税評価は大変な額で市町村にとっては財源が増えますが、被災者は2年の免除の後通常の課税となりますから、大変な負担増です。それも建物と土地両方が上がるのです。防潮堤整備だけしていればこんな負担増はありませんでしたが、リベサヨ系大学教授等が馬鹿な扇動をしたツケがこれから明確に出始めるのです。それを誤魔化すためにも医療費無料継続(とりあえず1年)を推進するのです。気付かれては困るからです。

 被災者に対しては、所得税・住民税の減税も継続しており医療費免除も復興税が財源です。復興税は公共事業限定と思っている方達がまでおりますが、被災地の財政政策では多額の「減税」「免除」に使われているのです。片方では増税、片方では減税を行っているのです。ただそれが被災者にとって正しい政策なのかはわかりません。これだけ長く続くと死ねまで求め、当たり前のものとして受け止められていくことが、都市部から叩かれる別の要因になって行くのは止めようがありません。どこかで被災者も負担をするのが当然と思い直す機会が必要な時期に差し掛かっているのです。それも「あと2年」「もう2年」と都市再生機構を始めとする代行業務を担う応援職員達との鬩ぎ合いです。プロパー職員はどこにも出てきません。もはや存在していないと言ってもいいのです。このような自治体としての機能を喪失する「官から民へ」は本当に恐ろしいです。