はたく ユズハ師匠は今何をしているか


ユズハ師匠は今何をしているか




今日も孝一と大海は
ユズハ師匠のいない真田道場で修行をして、その終わりにお茶をしていた。
座布団を敷いてお茶とお茶請けを用意する。



大海「・・・こうして・・・ユズハ師匠の帰りを待っているけど・・・師匠は今何をしているんだろう?・・・」



孝一「・・・さぁ・・・今考えると・・・『理由を言うの恥ずかしい』って感じだったから・・・結構下らない理由かも」



大海は少しむっとして言葉を返す。
大海「そんなことない・・・ユズハ師匠のことだから・・・きっと世界崩壊の危機を救うとか・・・そういう理由だよ」


孝一「スケールでかいな・・・」
大海「・・・流石に言い過ぎかな・・・」



例えば・・・
道場の師匠というのは世を忍ぶ仮の姿・・・本職は世界中のテロリストを相手に戦う敏腕FBA捜査官だ。道場を離れたのは最近組織の動きが活発化してきているからだった・・・

大海「・・・っていうのはどうかな?」
孝一「・・・映画一本作れそうだな・・・」




孝一「・・・よし・・・今度、近所にFBA捜査官の知り合いがいるから聞いてくる・・・」
大海(・・・え?・・・知り合いがいるの?・・・近所に?)




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後日、報告
孝一「聞いてきたけど・・・いないってさ・・・」
そして、近所に潜伏していることバラしてんじゃないよと怒られた・・・


大海「・・・」


じゃあ・・・
ユズハは異世界に転生した・・・冒険者ユズハとして魔獣やモンスター相手に戦う目指すは世界中の人々を苦しめる魔王の討伐


大海「・・・っていうのはどうかな?」
孝一(・・・どうかな?って・・・)



孝一「・・・今度、異世界に知り合いがいるから聞いてくる・・・」
大海(・・・え?・・・異世界にも知り合いがいるの?・・・)


孝一「・・・そういえば・・・異世界のことなら・・・風切に聞けばいいんじゃ・・・この間ばったり会ったし・・・」
大海(そんな・・・原宿で会ったみたいな感じなの?・・・)




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後日、報告
大海「聞いたけど・・・風切ちゃん顔を真っ赤にして『時が来たらいずれ話すから』だって・・・」
孝一(・・・恥ずかしかったのか・・・)
そして、このことをバラしてしまったのはマズかったな・・・今度また斬られるかも・・・



よし・・・こんなのはどうだろう
ユズハ師匠には好きな人がいて・・・結婚式の直前会いに行って駆け落ち・・・みたいな



孝一「・・・」
大海「・・・」



孝一「・・・それが一番ない・・・気がする・・・」
大海(・・・孝一君・・・ひどい)