はたく 【異世界蹂躙編】 大海さん召喚


はたく 【異世界蹂躙編】 大海さん召喚





異世界堂・・・
老婆がひとりで切り盛りする近所の和菓子店であるが、
老婆の様子がいつもと違っていた。


老婆「・・・・嫌な予感がする・・・」
テスラ「・・・どうしたんデス?・・・死神でも見えましたカ?」
老婆「・・・縁起でもないことを・・・」



老婆は気を落ち着けるために熱いお茶をすする。



老婆「わしではない・・・自分の家族、おそらく孫に・・・何か危険なことが起こっているそんな予感がする・・・」



テスラ「・・・ご家族は、どこにいらっしゃるのです?」
老婆「・・・異世界だ」



テスラ(ソレ何処です?)



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魔法学校の雰囲気は緊張でピリピリ張りつめていた。
近々、正教会の軍隊が攻めてくるかもしれないという噂があるためだ。



魔法先生『みなさん、冷静に、この無数の結界とまじないで守護された学校が堕ちることはありません。さあ、みなさん、さらなる結界の強化をお願いします。』



オーミーもまたあくせく働いていた。
絵画の飾られた部屋で立ち止まる。ここには歴代の魔法学校の校長の絵が飾られていた。
ある絵を見上げて祈りをささげる。

『どうか・・・私たちを御守り下さい・・・お婆ちゃん・・・』




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ベルデア『今夜だ・・・あの難攻不落といわれた魔法学校をわが軍が制圧する。』


『神の意のままに』
『神の意のままに』
『神の意のままに』


軍隊が集結し決起集会が行われていた。



『今夜・・・日の入りを待って・・・出陣だ』
『ああ、今回の件、魔法学校なんて攻めて大丈夫なのか?魔法とか普通に恐ろしいんだが・・・』
『何をいうか・・・そこは・・・まあ、ベルデア様がたくさんの補助魔法をかけて下さるそうだが・・・』


『司祭様が魔法ね・・・魔法自体・・・教義からすれば違法スレスレじゃなかったか?』
『・・・確かに・・・今度の司祭様は・・・どことなく様子がおかしいんだよな・・・魔術関連に精通しすぎているし・・・出世も異様に早かった・・・』

『おい、やめろ、司祭様の耳に入ったら俺らもヤバいぞ』




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今日は例の満月の日、
孝一からは白い煙が立ち上り、いつもの何倍も深い集中をしているように見えた。
大海は母の忠告通り、孝一にあまり近づかないようにすることにした。


大海(・・・孝一君・・・遠目に見てもなんという圧迫感・・・)




今日は風切と過ごすことにしよう。

風切「大海さん・・・お待たせ・・・」
振り向きざまに見た風切に 大海は言葉を失った。


風切からも・・・白い煙が立ち上っている・・・



大海「風切ちゃん・・・なんか・・・風切ちゃんから圧迫感のある煙が立ち上っているけど・・・」
風切「・・・そう?・・・自覚はないんだけど・・・」


風切「でも・・・今日は・・・すごく居合い抜きの調子がいいんだ。・・・自分でも・・・信じられないほどに・・・」
大海(風切ちゃんも孝一君と同じ状態になってる・・・どうして?・・・むしろ私が変なの?)




風切(・・・今日だったら・・・奴を、水上を 真っ二つにできるかも・・・)





大海(・・・・だいたい何を考えているかわかる・・・まずい・・・この状態の二人が衝突したら・・・お互い無事じゃ済まないよ)

大海「水上君・・・今日は隣町に行くって言ってたなぁ・・・」
その情報を聞くや否や風切の姿は消えていた。




あとは・・・




大海は孝一を見つけた。
これだけ振動がビリビリしていれば位置の特定は容易だった。それだけに・・・この街に留まるのは見つかるリスクが高い。


大海「・・・水上君・・・」
大海はおそるおそる話しかける。
孝一「・・・」


孝一「・・・大海・・・今日は・・・調子がいいんだ・・・」
大海「・・・へぇ・・・」


孝一「・・・良かったら・・・見ててくれないか?・・・もしかしたら・・・壁を壊せるかもしれない」




え?・・・壁殴りを見られることを・・・嫌がり気味の孝一君が・・・そんなことを言うなんて・・・





大海は顔が熱くなるのを感じた。
大海(・・・なんだか・・・すごく・・・嬉しい・・・)




大海「・・・わかっ・・・」
大海が言葉を発した瞬間・・・孝一の周りに光り輝く魔法陣が現れた。


孝一(異世界召喚?)
魔法陣はすすすと並行移動して、大海のいる位置で止まる。
大海「え?」


次の瞬間、大海の姿は消えていた。
おそらく異世界召喚されたのだろう・・・


















どうすればいい?
どうすればいい?
向こうが召喚しない限り異世界に行けない・・・
いや、考えろ、
召喚されるとき、召喚されないとき何か法則性があるはずだ。

そうだ、召喚された時は・・・いつも壁を殴っていた・・・
※偶然です。


よし、壁を殴ろう




















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大海さん・・・聖騎士団に捕まって牢屋いき・・・
















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テスラ「というわけで・・・今日は売ることができる商品がないのです・・・」
孝一「・・・えー」


大海「・・・へー・・・ここが噂の異世界堂か・・・」
今日初めて異世界堂に来た大海はじーっとあたりを見回す。



奥から老婆が顔を出す・・・
大海の顔を見るなり・・・目の色が変わる。


老婆「・・・おお・・・おお・・・オーミー・・・良かった無事じゃったか・・・」
大海「?」


テスラ「・・・お婆ちゃん、落ち着いて、この子はお孫さんじゃありませんよ・・・」
老婆「ええい、うるさい、成長しとるが、見間違えるはずもない・・・そうじゃ名前を言ってみろ」
大海「・・・大海灯りです。」
老婆「それみろ・・・オーミー=アーカーリーと言っておるではないか・・・」




孝一「オーミー=アーカーリー?」






テスラ先生

孝一にどきり


ダメダメ大海さんがいるし・・・


テスラ先生写メを老婆に見せる・・・

老婆「オーミー・・・」
テスラ「ええ、だから、大海さんですよ・・・」




老婆「頼む・・・オーミーを・・・わしの孫を助けてくれ・・・」