伊達政宗

 山岡荘八伊達政宗』読了
 読みも読んだり全8巻。室町時代末期から江戸時代初期を生き抜いた、奥州の大名、伊達政宗の生涯を描いた大河小説。人生の各局面での多くの出会いを通じ、成長していく過程を描いた、優れた教養小説だともいえる。

 数多くの戦国大名がいる中で、政宗の人気は今も根強いようだ。その理由の一つとして、彼が、どこかエキゾッチさを感じさせる奥州という辺境の地を領有していたから、ということも挙げられるのではないだろうか。

 豊臣家滅亡後に、太平の世を生きていく決心を固めた政宗の心情を表した、この文章が好きだ。
『サラリと憂き世の衣裳を脱ぎ捨て、伊達の笑いをふり撒きながら悠々闊歩の境を往く』

伊達政宗 (1) 朝明けの巻 (山岡荘八歴史文庫 51)

伊達政宗 (1) 朝明けの巻 (山岡荘八歴史文庫 51)