2011-11-27
ロンドンの小天使
◆ ◇欧州からの文化の風【日本の未来のために】◇◆No.96:ロンドンの小天使
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ウオータールー駅の小天使
☆ ■◇◆□◆□◇◆□■◇◆□■◇◆□◆□◇◆□■◇◆□ ☆
海外旅行に行くときは、いつでも飛行機。
まあ、あたりまえの話ですが。
しかし、英国のロンドンへ行くときは、飛行機でヒースロー国際空港から入る
よりも、パリから出発する国際高速鉄道「ユーロスター」に乗って、英仏海峡
のユーロトンネルを渡って、ロンドンにアクセスする方が、なんか、お洒落な
ような気がする。
私が始めてロンドンに行った時も、パリの北駅 Gare du Nord から「ユーロ
スター」に乗って、ロンドンのウオータールー駅 Woterloo に入りました。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
英仏海峡トンネルが完成し、パリの北駅と、ロンドンのウオータールー駅が、
高速鉄道によって結ばれるようになったのは、94年です。
北駅には、「ユーロスター」専用のチケットロビーと乗り場があって、
「これに乗れば、3時間半で、ロンドンだ」
という予感には、国際統合されたEUヨーロッパという、欧州の未来のイメー
ジには、思わず胸が高まる気分にさせられる。
「ユーロスター」は、フランスとイギリスという、鉄道の建設基準が違う国土
を走ることができる車両として開発されたTGVの新型車両で、もちろん、ブ
ランド路線。車両の内装インテリアは、赤を基調にした、シックで、ゴージャ
スなデザインで、座席のシートは日本の新幹線とは桁違いなほど広く、快適な
乗り心地を楽しめます。
どちらかといえば、平らに広がる風景のフランスの田園地帯を走り、英仏海峡
トンネルを抜けると、起伏の多い、イギリスの田園地帯を走って、3時間半で、
ロンドン側の玄関駅、ウオータールー駅に着きます。
ウオータールー駅のユーロスター専用乗り場のターミナルは、94年のユーロ
スター開業に合わせて建設された新しいもので、イギリス人の建築家、ニコラス・
グリムショウによる設計。ゆるやかな曲面を描く駅のプラットフォームを覆う、
大きな透明ガラスと青いチューブトラスが組合わせられた、軽快な屋根のデザ
インは、明るく開放的で、現代の駅舎の斬新なデザインとして、有名です。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
列車を降りた乗客は、高架のガラス屋根のプラットフォームから、長いスロープ
に長蛇の列をつくって、天井の高い1階のコンコースまで、ぞろぞろと降りる。
天井の高い、白いコンクリート打放しの明るくて広いコンコースのあちこちには、
英国特有のネイビーブルーの制服を着た駅員や、警備の係官がいて、ちょっとし
た緊張感を感じさせられる。さっきまでいたフランスのパリとは、いかにも違う
風景です。
「BRITAIN=英国に着いた!!」
思わず、そんな感慨の気持ちにさせられます。
乗客が並んで待つゲートで、パスポートのチェックを受け、ネイビーブルーの制
服を着た入管の係員に、「ガチャンッ」とパスポートに入管印を押してもらえば、
ロンドンWelcome!!です。
以下、「ユーロスター」が見れるサイト。
http://ww1.tiki.ne.jp/~yokoura/honeymoon/20010418.HTML
http://www.kcc.zaq.ne.jp/konoha_kiri/BLE/Eurostar.html
以下、ウオ−タールー駅が見れるサイト。
http://www.joyphoto.com/japanese/abroad/1999Europe/london/water.html
http://www.mediawars.ne.jp/~tanimura/a_map/foreign/form/england/waterloo.html
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
ウオ−タールー駅からは、地下鉄に乗り換えて、ロンドン市内の目的の場所に向
かいます。
ロンドンの地下鉄は1863年に、パリの地下鉄METRO、ニューヨークの地下鉄
SUBWAYに先立ち、世界で一番最初に建設された地下鉄として有名です。
路線数は14、駅の数は478,総延長390kmに達する,ロンドンの地下鉄は、その
総延長距離でも、世界一。
市民から“UNDERGROUND”、あるいは大部分がシールド工法で建設され, その
断面が円形であることから“TUBE:チユーブ”とも呼ばれ、親しまれています。
ロンドンの地下鉄は、まさしく“TUBE:チユーブ”です。駅もシールド工法で建設
されていて, その断面が円形。長くて、狭くて、丸い筒型の屋根のホームで、列車を
待ちます。
列車は、細い「チューブ」の中を走れるように設計されているため、日本やパリの
地下鉄と比べて、驚くほど小さい小型の車両。筒状の丸い断面のトンネルの形に合
わせて車両の屋根も扉も、上の方が斜めになっている。
まさしく、細いチューブから押し出されるように、車両が駅のホームに滑り込んで
きます。見ていてとても窮屈そう。でも、丸くてかわいらしい車両です。
地下鉄でロンドンを見て回るには、トラベルカード Travelcard と呼ばれる、乗り
放題の周遊券を利用するのが安くて便利です。1日券、1週間券など、種類はいろいろ。
これは、自動販売機で購入します。
しかしこの自動販売機、初めての旅行者には、使い方が分かりにくい。
コインとガイドブック片手に、動かない自動販売機と格闘していたら、同じ歳位の
ジーンズを履いた男性のバックパッカーの旅行者に、声をかけられました。
「俺は今日がロンドン最後の日なんだ。You、これでロンドンが楽しめるよ」
と言って、3日分の有効期限が余っているトラベルカードを、私に差し出してきました。
こういうかんじの見知らぬ人同士のやりとりは、欧州を旅行していると、よくあります。
日本では、なかなかない習慣です。
見知らぬ隣人同士であるからこそ、ジェスチャーを出して、知り合い、お互い助け合う
という感覚の習慣は、気持ちがよいものです。
とっさにそう言われて、真意をつかみかねて突っ立っていた私に対して、彼は私の手に
トラベルカードを握らせると、
「ロンドンはいいところだよ。楽しめ。じゃあ、Good Luck !!」
と言い残して、去っていきました。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
夜の8時くらいの時間だったでしょうか、品川駅の券売機の前で、ぼーっとして立
っていた私の前に、12歳位のラテン系の少女が歩み寄ってきて、
「ワタシ、アナタにこれ、あげます。アナタ、これで家まで帰れます」
とたどたどしい日本語で言って、JRの1日券を差し出しました。
連れがいた私は、
「いや、いいです」
と、条件反射的に、言っていました。その少女は、ムッとした顔をして怒ると、
1日券を券売機の前の床に叩きつけて、去っていきました。
日本人感覚でいたために、条件反射的に彼女の申し出を断ってしまった私は、
どうやら、彼女の善意の気持ちを、踏みにじってしまったようでした。
今でも思い出すと、とても残念な気持ちになります。「隣人愛」に無頓着な日本人
感覚は、どうもいけないなあ、と振り返って思います
日本には、小天使は、どうやら、どこにも、いないようです。
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以下、ロンドンの地下鉄、TUBE=UNDERGROUNDが見れるサイト。
http://www.ne.jp/asahi/tabitabi/train/lonS.htm
http://www.ne.jp/asahi/tabitabi/train/tube.htm
http://www.f-banchan.net/travel/underground/underground1.htm
http://www.asahi-net.or.jp/~QN4H-UN/TravelG7-A3-London2.htm
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この記事を書いたのは、2004年、欧州からの文化の風の創刊1年後の頃です。
当時のユーロスターのロンドン側の玄関駅はウオータールー駅でしたが、
2007年の11月から、ロンドンの北側にあるセント・パンクラス駅に移り
ました。
開業当初のユーロスターはイギリス国内では在来線を走っていたため、メルマ
ガにもあるとおり、起伏のある地形の中でスピードを上げて走ることができな
かったのですが、2007年に高速専用路線が開通し、パリ北駅との間を2時
間半で結ぶようになりました。
この高速専用線の開通に伴い、ユーロスターのロンドン側の玄関駅はセント・
パンクラス駅に移ることとなりました。
しかしこのセント・パンクラス駅は、新駅ではなく、19世紀の1868年に
開業したロンドンの由緒あるスイッチバック式のターミナル駅で、建築的にも
とても素晴らしいもの。
19世紀の産業革命期の建築を代表する、とても天井の高い鋳鉄製トラスのガ
ラス屋根が架かった駅舎で、その無柱の長大な鋳鉄製アーチは高さが37M、ス
パンは30M、長さは210Mもあります。
この大屋根の設計はウイリアム・バーローによるもの。
駅の正面の顔であるネオ・ゴシック様式のホテルもまた素晴らしいもので、こ
ちらはジョージ・ギルバート・スコット卿の設計によるもの。
始めてロンドンに行ったとき、まさか将来ユーロスターのロンドン側の玄関駅
になるとはつゆとも知らなかった私は、チューブを乗り継いでセント・パンク
ラスの駅舎を見に行きました。
広大で巨大な大屋根がかかる下に並ぶ在来線の列車がとても小さく見えて、
150年前に完成した鉄とガラスの大空間の向こうに、19世紀の人が夢見た
であろう未来の時代へのロマンを感じ取ったような気がして、とても感激した
ことを思い出します。
ユーロスターに乗ってロンドンについた折には、ちょっと足を止めて、そうし
た歴史を持つセント・パンクラス駅を見て回ってみることも、素晴らしいロン
ドン滞在体験になるかもしれません。
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2011-06-06
カフェがあるパリのスローライフな時間
◆◇欧州からの文化の風【日本の未来のために】◇◆No95:カフェがあるパリのスローライフな時間
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カフェがあるパリのスローライフな時間は
忙しい21世紀のこの時代にこそ見直したい
☆ ■◇◆□◆□◇◆□■◇◆□■◇◆□◆□◇◆□■◇◆□■◇◆□ ☆
フランスのパリを歩けば、カフェのないパリの街並は考えられないでしょう。
歩道に丸いテーブルと椅子が並べられ、そこでくつろぐ人達。
ファーストフード店が、今のパリにも増えましたが、スローライフな時間を
満喫するには、やっぱカフェ。
それも、カフェの椅子に座り、ウェイターに注文をして、そのやりとりをす
るなかで、パリのカフェ独特のサービスの作法としきたりのやりとりを味わい
ながら、くつろぐ。
これにつきます。
カフェは、決して「便利」な店ではない。「早い、安い、うまい」を求める
ならファーストフード店に入った方がいいでしょう。
カフェの楽しみは、その独特のサービスの仕組みを、注文、ウェイターとの
やりとり、勘定の流れの中で、その交流と、そこでの自分の振舞いを楽しみ
ながらくつろぐというところにあると思います。
そうした意味ではカフェは、ある意味、面倒くさい場所でもある。でも、ス
ローライフな時間は、人と人のやりとりの場でしか生まれないし、満喫もで
きないでしょう。
カフェには、通りに面したテーブル椅子席と、店の奥の立ち飲みカウンターがあって
コーヒー1杯の料金が、1.5倍位違います。まず、そのどちらかを選びます。
テーブル椅子席を選べば、料金が高いかわりに、1日中店に座っていてもOK。
遠慮なく時間を過ごせます。椅子席を選んで、座ることにします。
「何ににいたしましょうか」とは言われない。客は放っておかれます。
だから、自分でジェスチャーなり声を出してウェイターを呼ばなくてはなりません。
呼ばれてやってくるウェイターは、個人営業の人達。店員ではありません。
ジョークをかましてくるラテン風、折り目正しいイギリス紳士風など、ウェイ
ターの人柄は、ひと様々。
「カプチーノ1つ、それと杯皿を」というと、吸殻は床に捨ててくれ、とのこと。
足元を見ると、床に吸殻がたくさんころがっている。
彼らには床にゴミをぽいぽい捨てても何とも思わない習慣があって、不本意ながら
納得することに。
見ていると、30分に1回位、ウェイターが床を掃きに来るのだけれど、その上に
また新しい吸殻がたまっていく。
コーヒーと一緒にウェイターがレシートを机に置いていく。
これが勘定で、帰りに席を立つ時に、レシート分の勘定を机の上にに置いて、
黙って立ち去るのがマナー。こちらから声をかけたりはしないのが、しきたりの
ようです。気持ちがあれば、チップを足して、置く。
この最後に席を立つ時って、あんがい気分がいいものです
ウェイターは客のことをよく見ていて、客が勘定を机の上にに置くと、拾いに
やってきます。チップがあると、「メルシー、またの御来店を」とにっこり笑
ってくれたりします。
1度、コーヒーが運ばれて来たと同時に、勘定を請求されたことがありました。
「まだ飲んでないよ、なぜ」と聞くと、「自分のシフトが終わりの時間だから、
先に払って欲しいんだ」、とのこと。そのあたりをがめつくはっきり言うのも、
フランス人らしいところ。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「面倒くさい」カフェのスローライフな時間も、楽しいものです。
ファーストフード店よりも不便ですが
☆ ■◇◆□◆□◇◆□■◇◆□■◇◆□◆□◇◆□■◇◆□■◇◆□ ☆
この記事を書いたのは、2003年、欧州からの文化の風が創刊の頃です。
あれから8年。世界へのグローバリゼーションの席巻が侵透する中、パリも
だいぶ変わりました。
近年のパリのカフェのウェイターは、多忙そうで、表情に余裕がなくなり、
言葉交わす隙がないほどの雰囲気のカフェが増えたような気がします。
でもカフェの基本の仕組みは、今でも変わらない。
カフェの通りに面したテーブル椅子席に座る時はいつもこの頃の風景を思い出します。
☆ ■◇◆□◆□◇◆□■◇◆□■◇◆□◆□◇◆□■◇◆□■◇◆□ ☆
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2010-12-07
クーリエジャポンのフランス特集
◆◇欧州からの文化の風【日本の未来のために】◇◆No94:クーリエジャポンのフランス特集
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少子高齢化とグローバリゼーションへ対応する国の仕組み
☆ ■◇◆□◆□◇◆□■◇◆□■◇◆□◆□◇◆□■◇◆□■◇◆□ ☆
先日の朝、電車に乗ろうとしていていたら、駅のキオスクに並んでいた雑誌が目にと
まった。
低成長でも「これほど豊か」/フランス人はなぜ幸せなのか
迷わず、購入。
日本でフランスなどヨーロッパの国に住んでいる生活について書かれた情報を雑誌や
書籍などの紙媒体で読める機会は少ないと思う。
紀伊國屋書店の海外事情の本棚をたまにのぞくことがあるのだけれど、並んでいる本は、
情報がやたら古いか内容がカタくて、あまり良い本がないと思う。
5年前のフランス暴動の内容の本がまだ新刊の部類だったり、就任後もう4年近くなる
サルコジ大統領の本がやっと並び始めたばかりだったり、まあ、そんなかんじ。
なので、今回の雑誌の特集には、ちょっと期待している。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
幸せとはひとそれぞれにとってのものだし、日本は世界で最も安全で快適に暮らせる国。
表面的な日常の快適さという部分では、日本は多分世界でもっとも幸せに暮らすことが
できる環境の国だと思っていいと思う。
しかし、ひとりひとりの幸せを支える社会の仕組みとしてはどうだろうか。
「小さな政府」を志向する日本と、「大きな政府」を志向するフランスという違いから
以下、今回の特集の内容から主な部分を抜粋して取り上げてみたいと思う。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
今、世界の先進国共通の課題は、少子高齢化とグローバリゼーションへの対応だ。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
少子高齢化の問題のフレームとは、高齢者が社会の大部分を占める一方、子どもが著
しく減少する社会となることによって、労働人口の偏りが起きて、それによる社会保
障費負担の増大、年金制度への影響、相対的な人口の減少などにより、経済成長が
減速す
ることだ。
これを解決する方法は案外単純で、出生率を上げること、簡単に言うと、子どもが増
えていく社会にすること、つまり安心して子育てができる社会をつくっていくことだ。
日本で出生率が下がり続けている原因は大きくは多分2つで、ひとつは世帯の将来の
生活の経済的な保障への不安、もうひとつは教育費の大きな負担だ。
これは、経済への取り組みを含めた政府のあり方とその政策によって解決できる問題
であることが、今回の特集の中ではフランスでの事例として紹介されている。
フランスも最近までは出生率が下がり続ける他の先進国と同じ少子化に悩む社会だっ
たが、効果的な政策と対策を打つことで、10年くらい前からV字回復を遂げている。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
グローバリゼーションへの対応の問題のフレームとは、ITなどの情報化社会が成熟し
た結果、先進国の工場などの製造拠点の中国、アジアなどへの移転(ちなみにフランス
の場合は東欧への移転)や、製造業だけではなくホワイトカラーを含めた仕事の業務が
人件費の安いインドなどの国へのアウトソーシングが行われることが当然の時代となっ
たことである。
その結果、先進国の人たちは人件費の安いインドや中国の労働者と競争しなければな
らなくなり、賃金が低下するばかりの一方、仕事は忙しくなるばかりだ。
こうしたグローバリゼーションの波は避けられない時代の流れで、そうした国際環境の
中で国が成り立っていく社会の仕組みをつくっていく必要がある。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
フランスで行われている所得の再分配の仕組みには注目しておいてもよいと思う。
グローバリゼーションの時代は必然的に格差社会を招くわけだけれども、その指標の
ひとつに相対的貧困率というのがある。
相対的貧困率とは、全国の世帯の平均の所得の半分以下の所得の世帯の率を表すもの
で、税制による再配分の前(市場所得ベース)と、所得再分配後の数字の統計がある。
主な国のデータは以下のとおり。■OECDによる
・ 日 本:13.5%(所得再分配後)←16.5%(市場所得ベース)
・ アメリカ:13.7%(所得再分配後)←17.0%(市場所得ベース)
・ フランス:6.0%(所得再分配後)←24.0%(市場所得ベース)
・ スウエーデン:5.0%(所得再分配後)←16.0%(市場所得ベース)
日本は再配分の前(市場所得ベース)と所得再分配後の数字はあまり変わらない
(16.5%が13.5%に下がる)けれども、フランスの場合は24,0%から6%
に下がる形で、相対的貧困率が大きく改善される形で所得の再配分が行われているこ
とがわかる。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
あと、この雑誌の中では、
榊原 英資 (著) の、
「フレンチ・パラドックス」
も、フランス関連の日本語本としては近著としてここでは紹介されている。
日本では「小さな政府」が志向される時代になって久しいけれど、フランスは「大きな政府」
志向で社会が動いていて、このことで、世界の先進国共通の課題である少子高齢化とグロ
ーバリゼーションへの対応を効果的に行っていることが紹介されている。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
★ 書籍の紹介
低成長でも「これほど豊か」/フランス人はなぜ幸せなのか
COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) 2011年 01月号 [雑誌]
■以下、「フレンチ・パラドックス」
フレンチ・パラドックス
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
★ お知らせ
のブログ連載を始めました。
ヨーロッパに直接関らない範囲のことも含めて、日常のことをメモ風に書いています。
以下で読むことができます。
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2010-10-29
ドミニク・ペローは語る
◆◇欧州からの文化の風【日本の未来のために】◇◆No93:ドミニク・ペローは語る
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東京オペラシティーで行われた
☆ ■◇◆□◆□◇◆□■◇◆□■◇◆□◆□◇◆□■◇◆□■◇◆□ ☆
先日、東京オペラシティーで行われた、建築家ドミニク・ペローの講演会を
聴きに行ってきた。
1989年にフランスの新国立図書館のコンペ(設計競技)に弱冠36歳の若
さで1等当選。
その、4本のL字形の琥珀色のガラスの塔が敷地の4隅に立つ新国立図書館
の斬新な都市ランドスケープの建物がセーヌ河畔の目の前に姿を現し、完成
したのが1995年。
このことにより、一躍脚光を浴びる建築家となったことはメディアで聞いて
知っていた。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1997年にパリに旅行をした時に、4本の琥珀色のガラスの塔が立つ新国立
図書館を始めて見に行った。
その後、パリに旅行で行く機会があるたびに立ち寄って見に行ったので、通
算3回くらいは行ったと思う。
行く度に、天候は雨だったり曇りだったり晴れだったりで、4本の琥珀色の
ガラスの塔は、その時々の天気を映し出してそれぞれに異なる様々な表情を
見せてくれて、とても素晴らしい建物だと思っていた。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
昨日の講演会は、スライドを映しながらの講演会となる予定だったのだが、
事前のリハーサルで、日本側が準備した機材ではペローが意図したとおりに
映像を映し出せないことが判明。
ペロー自身の判断で、スライドの映写はなし、「語り」だけによる講演会に
て急遽行われることになったとのことが、冒頭で主催者側から説明された。
ペロー自身も、「今日は始めてやる形での講演会になる」と口火を切ると、
講演はスタートした。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ペローは、建築を建てるという行為は、自然との「分離」を招く行為となっ
てしまうが、それは望ましいことなのだろうかと、まず、問題提議。
そして、そうならないための建築の解決の仕方をするために、自身がいつも
何を考え行っているかということを、ペロー自身の独特の語り口と言葉の
選び方で次々と語りだしていき、非常に引き込まれるものがあった。
建築を建てることには、「敷地と地形」が重要であるという視点もまた提議。
ペロー自身は仕事を請けてからまずすぐ敷地に行くようなことはせず、十分
考え方とコンセプトを検証してから始めて現地の敷地に立つようにしている
そうだ。
彼の建築に対する視点からのその理由を独特の語り口と言葉の選び方で次々
と語りだしていった。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1時間半の予定の講演時間に対して、ペローは40分で自らの話を終え、
「あとは会場のみなさんとの質疑応答で、対話ある時間としたい」、と。
「え〜!、あと50分近く、講演会の半分以上の時間が残っているよ。ここ
は日本だし日本人にそんなこと求めても大丈夫なの」
と心配になった。
しかしポツリ、ポツリ、と出る質問に対して、ペローは各問いに対しての回答
の範囲を逸脱して自説と考えを縦横無尽に語りつくして、さらに講演会は
大賑わい。
大盛況で終わりました。
なんか、スタートの時から予定通りに進まず、誰もが予測しない展開で進んだ
講演会、というより、1つのショー。
すべてが根回しされた日本の講演会での時の流れ方たとはまったくもって異な
る、フランス的なアドリブで場当たりのようで、実はもっと大きな次元へと
展開していく、とても楽しい時間の流れの中に放り込まれて楽しめた1時間半
の講演会は、とても楽しい時間でした。
「ドミニク・ペロー 都市というランドスケープ」のサイト。12月26日まで。。
http://www.operacity.jp/ag/topics/101022.php
http://www.bnf.fr/en/tools/lsp.site_map.html?ancre=english.htm
☆ ■◇◆□◆□◇◆□■◇◆□■◇◆□◆□◇◆□■◇◆□■◇◆□ ☆
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2010-07-25
始めての欧州一人旅
◆◇欧州からの文化の風【日本の未来のために】◇◆No92:始めての欧州一人旅
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ヨーロッパの魅力にとりつかれたのは、
15年前の95年冬の一人旅
1度吸い込んでしまった「個人主義と自由の空気」は、忘れられない
☆ ■◇◆□◆□◇◆□■◇◆□■◇◆□◆□◇◆□■◇◆□■◇◆□ ☆
15年前の95年末の冬。突然、心の中にもたげてきた、「パリに行きたい!!」
という衝動的といってもいい気持に抗しきれず、私は年末年始の10日間の、
パリへの一人旅に、旅立ちました。
それ以来、その時吸い込んでしまった、欧州という場所がもつ、その独特な
「個人主義と自由の空気」
の魅力の虜になってしまい、以後、時間とお金をやりくりして、毎年のように、
欧州へ、一人旅をせずにはいられない身に、なってしまいました。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
15年前の95年の年末、例年になく、クリスマスから翌年の1月10日まで、
比較的長い仕事の休みがとれた私は、東京の自室で、もんもんとしていました。
社会人になって以来、ずっと仕事は忙しく、海外旅行をするなどということ
なんて思い付きもしない、典型的な日本のサラリーマン生活に没頭した生活を
送っていました。
歳はもうすぐ30歳目前という頃で、久しぶりの長期休暇のクリスマスを、
東京の冬の空を見上げて過ごしながら、
「こんな、ただ、忙しい仕事がいつまでも繰り返すだけの毎日でいいのかなあ」
と、ちょっとブルーな気分で、考えていました。
なにか、「余裕」とでもいったようなものが、欲しかったのかもしれません。
そんな時、東京のクリスマスの空の下で思い出していたのは、大学4年生の頃に、
ホテルの予約をせずに、ユーレイルパスを使って、1都市2泊程度を目安に、
欧州大陸を気ままに行き当たりばったり、様々な国と都市を、周ったのです。
フランス、スイス、イタリア、オーストリア、ドイツ、オランダ、
どの国も都市も、それぞれに素晴らしく魅力的だったのですが、一番印象に残っ
ていたのは、フランスのパリでした。
「パリに行きたい!!」
そんな気持が、いつしか大きくなってきて、抑えきれなくなっていました。
12月27日、旅行会社JTBのカウンターへ、旅の具体的な予定も立てない
まま、ただ「パリに行きたい!!」という気持だけで、足が向かっていました。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
「うちは今日の12月27日までが年末の営業なので、航空券の手配はできない
ですね。HISさんだったら、明日までやっているから、尋ねてみては。」
と、格安航空券で有名な旅行会社HISを紹介してもらい、知ることになった
のは、9年前です。
すぐに、旅行会社HISのカウンターへ。
「パリに行きたいんですけど。」
「いつからですか?」
「今すぐ。明日かあさって。」
今思い出すと、ずいぶん、無計画で横暴ともいえる旅計画(無計画?)でしたが、
旅行会社のカウンターは、飛行機の空席を、その場でパソコンで探してくれました。
「飛行機は、大韓航空が1人なら空席がある。ホテルの予約は、確認の手続きが、
最低3日は必要なので、今年は無理」、とのこと。
「じゃあ航空券だけで。」
ということで、ホテルの予約はなし、久しく喋ったことがないカタコト英語を頼りに、
パリへの一人旅を、その場で決めました。
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大晦日、12月31日の夜17:00に、パリのシャルル・ドゴール空港に、降り立
ちました。
1人で降り立つのは、始めて。
冬なので、日が短いパリは、もう、真っ暗な、夜。頼りになるのは、飛行機の中で読ん
だガイドブック「地球の歩き方」の情報だけ。
空港から市内へは、2本出ているバスか、鉄道が便利というのは、にわか勉強の情報。
空港で荷物を拾い、到着ロビーへのドアを開けて外へ出れば、そこは、もう、外国。
飛行機には、日本人が大勢乗っていて、日本気分でいられますが、荷物を拾って、到着
ロビーへのドアを開けて出た外は、多民族国家、フランス。日本気分は、吹っ飛びます。
肌の色が様々な背の高いアラブ人、黒人、白人が行き交う世界に、1人、飛び込む。
治安も日本のように良くはない。言葉の不安。読めないフランス語の看板。始めての
一人旅ゆえに、当時はかなり、緊張しました。
市内へ向かうバスの乗り場を、カタコト英語で尋ねて探していたら、1時間近く費や
してしまいました。
「エアーフランスバス」というシャトルバスで、市内へ向かうことに。乗客は満員で、
立ったまま、冬の夜の暗く、かすかな明かりの灯るパリの外環高速道路沿いの風景を、
眺めていました。
しかし、バスがパリの「どこ」に向かっているのか、自分で分かっていませんでした。
見たことがない場所に、バスは停車して、人を降ろしては発車し、次の停車場へと向
かいます。
3つめの停車場が、ライトアップされたエトワールの凱旋門でした。
そこで降りることに決める。
メトロの地下鉄駅に入り、回数券のカルネを買って、ホテルが集まっているポンピドー
センター近くの駅、シャトレまで、メトロ1号線に乗って、行きました。
大晦日のメトロは、満員の乗客でした。
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シャトレ駅から地上に出て、ホテルを探すことに。
ところが、2つのホテルを尋ねても「満室」。
大学4年生の頃の1ヶ月間欧州一周鉄道の旅ではこんなことなかったのに…。
さすがの私も、焦り始めました。
時計を見れば、もう、夜の20時半。
厚手のコートとマフラーを着ていても、こごえるほど寒く、見れば、道の上では、
ホームレスが、地下鉄の排気口からの温風に当たって、暖をとっている。
3件目のホテルを尋ねたけど、「満室」。私が困ったそぶりを見せると、
フロントのおじさんが「近くに知り合いのホテルがある。空いているか、聞いて
あげましょう」といって、電話をかけてくれました。
「部屋があるようだ。私の息子が案内します」、とのこと。
あの時ほど、救われたという思いに感謝した思い出は、今思うと、なかなか
ありません。
息子さんが案内してくれたのは、三ツ星の、洒落た小奇麗なホテルでした。
お礼のチップを渡そうとしたけれど、息子さんは「いいから」といって、受け
取りませんでした。
ともかく、感謝、感謝でした。
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後で分かったのですが、パリで新年を迎えるために、大勢の人たちが、ヨー
ロッパ中から集まってくる習わしがあって、大晦日は、パリのホテルは満室に
なるようです。
空室を見つけることが簡単な欧州のホテル事情も、年末年始だけは、注意が
必要なようです。
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15年前の95年冬の、始めての欧州一人旅は、おっかなびっくりなことばかり
でしたが、1週間、フランスに滞在。
アクシデントがあっても、出会ったホテルの息子さんのような人に助けられた
思い出や、街を歩く中で、出会った様々な出来事やフランスのエスプリに、私は
すっかり、ヨーロッパの魅力の虜になってしまいました。
個人主義でプライドが高いという印象のフランス人ということがよく言われま
すが、その懐は深く、触れ合ってみれば、その個人主義と自由の空気は、とても
魅力的です。
何回か旅を重ねてみると、そういった彼らがつくっている欧州の社会も、魅力の
ある制度や習慣の特徴をたくさんもっていることがわかってきて、毎年のように、
欧州へ、一人旅をせずにはいられない身に、なってしまいました。
良くも悪くもグローバリゼーションの時代と言われる21世紀を生きていくこと
になる日本人にとって、欧州の社会から日本が学べることは、たくさんあるような
気がしてなりません。
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