日高農場から

2018-09-12 余震

 余震は続いていますが、落ち着きは取り戻しつつあります。

札幌本校から、野菜などが運ばれ、また、アースジェネターの植田さんからも差し入れがあったりと大変助かっております。(賄いさんが家族を総動員して食材を確保してくれています。後は納豆が手に入らないくらいでしょうか。)

 震災ゴミが出せるようになったので、場内の屋根から落ちたレンガ、倒れた棚で壊れた部品類など、また台風で落ちた屋根の金具など処分できました。

後は、台風で倒れた柳の木があるくらいで、場内はほぼ、地震前の状態に戻りました。 また、天候不順で遅れていた2番草の収穫も始まり、今月末のデントコーンに向けて、作業も急ピッチで行っています。

 牛の餌関係も心配しておりましたが、地震直後に連絡できたからか(ガラゲーは通じやすい為)、順調に運ばれてきており、今のところ心配なさそうです。

 停電の為、乳房炎を発症した牛が多くいるそうです。 乳量の多い牛は、1日でも搾らないと張りで痛がり、最後は乳房炎を発症します。 この場合の症状は、熱発がひどい為すぐに搾り切って抗生物質を注入してやる必要があるのですが、今回は搾乳ができない為、症状は深刻です。(死んでいる牛もいるそうです。) うちの牛も1頭だけ乳房炎になりました。 漏乳がひどい牛で、乳房炎を発症しやすい牛なのですが、乳房炎が治った直後だった為か半日搾らないだけで発症しました。 バルククーラーが動かなかった為廃棄した生乳、乳房炎で1週間出荷できない生乳、素牛市場も中止になったので、畜産関係者の今月の収入は激減です。 電気が止まっても、生き物は餌を食べるので、コストも掛かります。 大きい農家ほど、被害も大きいので地震以外の地域でも、補助は必要だと思います。 

2018-09-10 地震、その後

 日高道が開通しました。 高速バス(ペガサス)も運行が再開され(ホームページは繋がりませんが)取りあえず、移動はできるようになりました。 物流も少しづつ回復しているようです。

 上水道は、富川西がまだ駄目ですが、緑町は、断水なく水が出るようになりました。 電気も、やはり日高町の一部がダメですが、牧場は問題なしです。 昨日まで、断水(昼3時ごろ〜夜10時まで)でしたが、風呂は、隣のヘリポート自衛隊さんが野営風呂を設営してくださり、入浴できました。

 牛乳、卵、豆腐、納豆、チーズ、冷凍食品などが手に入り難いようですが、肉、野菜、コメは手に入ります。 昨日は、苫小牧まで行きましたが(日高道は、かなり凸凹しています。 速度制限あり。)イーオンで豆腐が手に入り、今日は、富川のマックスバリューで卵を購入できました。 牛乳は、毎日搾っているので問題なし。 学生の食事は問題なく提供できています。

 牛に関しては、8月25日予定日の牛が、今朝4時に36キロの雄を無事に産みました。 なかなか、産みそうになかったので、注射で誘発しました。 (余震の為、牛が不安がって落ち着かない。)子牛の頭が横向きになっており、2次破水してから、なかなか肢が出てこなかった為、助産して産ませました。 今は、元気に親の乳を飲んでいます。 もう1頭3日予定の牛がいますが、これも生みそうにありません。 もう、しばらく様子を見ます。

 役場、農協と被害調査が入っています。 日高町の被害は少なかったですが、鵡川、厚真と大きな被害が出ています。 水、電気がないと牧場は動かないことが、今回、身に染みて分かりました。 苫東の火力があるから大丈夫、水は井戸があるから大丈夫など、安心していてはダメですね。(農協、地元の出入りの業者さん、札幌、十勝の友人には感謝です。) ただ、今回大変助かったことは、ここ十年の間に、公宅、寮をリフォームしたり(柱を金属金具で補強した)、フリーストール牛舎の柱の修理を行っていたという事。 被害を最小限にしたことは確かです。 早め、早めの対策は必要です。

 

2018-09-08 地震の現状

地震後の日高農場の経過と現状報告です。

 前日の台風も影響も残っており、(最大瞬間風速30m/sで堆肥舎の屋根が半壊)、その後片づけを終わらないその夜の午前3時8分に地震が発生しました。

 下から突き上げるような地震で、阪神淡路(妻が経験者)と同じような大きさだとわかりました。 すぐに学生、職員の安否を確認し(全員ケガ無し)、さらに農場内を状況を確認を始め、牛、馬とも問題なく生き物すべての安全を確認しました。

 建物の一部で破損、ひび割れなど見られましたが、大きな損傷なく、日常生活に影響はなさそうでした。 しかしその後、停電が発生。 牛舎の作業中、最重要の搾乳ができなくなってしまいました。 また、バーンクリーナーも作動しない為、取りあえず、牛、馬は、外に出てもらうことに。 井戸水がポンプアップされない為、急遽、上水道に回路を接続し、動物たちの水を確保しました。(一部の牛舎は、バケツリレーで足しました。) 電気がないけれど、ガス、水は使えたため、学生たちは食事は温かいものを食べることができました。

 緊急事態の為、学生の協力を得ながらなんとか牛達に餌、水を給与することができました。 農協さん協力で、ポータブルの搾乳機で何頭か搾乳し、その日の夕方までに、知人の協力で200V電源を確保でき、なんとか全頭の搾乳、バーンクリーナーの稼働まで可能になりました。

 地震当日は、電力がなかったですが、職員のハイブリッド車トヨタは素晴らしい)で、電源を確保して、シャワーだけ浴びれるようにしました。

 2日目の昼には、電気が回復しましたが、代わりに夕方から上水道が止まりました。

 牧場は、井戸水なので、取りあえず、牛舎から寮までホースで水を引いて、水を確保、自動販売機も稼働しているので、飲み物は十分あります。

 食事も、牧草シーズンということもあり、多めにストックしており、しばらくは問題なし、今日、農協ルシナも開店し、鶏肉、豚肉等生鮮食料品とお米を購入して確保しています。野菜は、寮の裏で多くを栽培しているので、こちらも問題ありません。

 余震は、続いていますが、割れたガラスや故障したボイラーは地元の業者に修理され、ひっくり返った棚類も整理されました。 今日から、生乳の出荷も始まり、ほぼ、日常の生活に戻っています。(学生たちは、中止になるかもしれない共進会のトレーニングも始めました。)

 札幌に学生を戻すことも、検討しているのですが、高速道路が不通だった為、震源地の厚真を通過しないと行けないこと、札幌自体が、物流が停滞しているなどの理由で、こちらでもうしばらく様子を見ることになっています。

 日高町内では、住宅の倒壊、死者もなく、大きな被害はないようです。

しかし、小学校では、地割れ、ショーウインドーが割れたり、少なからずの被害は出ています。  車の燃料(2台は満タンにしてあります。)は確保してあり、緊急時には、すぐに退避できるよう対応しています。

 

 

2016-12-10 年末です

 3か月も放置プレーをしてしまいましたが、この時期、デントコーンやら、何やら(いったい何かは、御想像してください。)で忙しく、書き込む時間がなかなか出来ませんでした。 書いた記事をバックアップする前に消してしまい、心が折れてしまったことが最大の原因でしたが…(今日も写真を忘れてしまいました) デントコーンは、近年ないくらいの大不作で、例年の30%減、タワーサイロの2/3ほどしか詰め込むことができませんでした。 昨年の収穫量が多かったおかげで、来年の収穫時期までは、なんとか持ちそうですが、質の点では、疑問符?が多くつきます。不作の時の作物は、質も悪いことが多いので(細胞壁が弱いとか、でんぷん量が少ないとかいろいろ原因がありますが)、牛への影響が心配されます。特に泌乳初期の牛の病気が心配されるので、多く獲れた良質の1番草でうまくコントロールしたいと思っています。

 和牛市場ですが、先月は、少し下がったようですが、今月は、年末ということもあるのでしょうが、高めに感じました。 今月、去勢1頭だけの出荷で、316日で296kgとかなり小さめ、それでも、83.7万円で落札して頂きました。

 病気は、全くしなかったのですが、隆乃国×北平安の血統で、生時体重が30kgと軽かったことが大きかったかな思います。 先月、出場した雌2頭も、320日前後で286kg前後と軽く(3頭とも同じ牛群で管理)、この牛達も、生時体重が27kg程度かなり軽かったのが、原因だと思います。、やはり、生時体重が30kgを切ってしまうと、しかも、それが1月、2月の厳寒期だと、どうしても、体重の伸びが悪くなってしまうようです。 増飼、分娩房の壁、ヒーターの設置、独房への移動を早めにして、出来るだけ大きな仔牛を産ませ、生まれてからは、体温をできるだけ維持できるような環境を提供するように心がけています。

 1月から12月まで、28頭の素牛を販売しました、去勢は、年初めから好調で、80万円を一度も切ることなく落札して頂くことが出来ました。(今月は、少し、ヒヤヒヤしましたが)雌は、もう少し安定した落札価格にしたいと考えいます。来年は、30頭以上出場できるように頑張りたいと思っています。(で、いきなり、1月の市場は欠場です。 でも2月、3月は4頭ずつの予定です)

 乳牛も毎月1頭づつ分娩が続いております、4産目以上の牛が多かった為、起立不能の牛も出てしまい、大変でしたが、今は、順調に搾乳しています。また7産目の牛は、生涯乳量が8万キロを越えており、今回の乳期で達成できるかもしれません。(430日で2万キロ絞った実績がある。)また、今月分娩予定(8産目)の牛は、9万キロ越えており、分娩さえ、無事に終えることが出来たら、10万キロは達成できると思います。昨年、日高農場で初めて10万キロの牛を出しているので、続けて出してみたいと頑張っております。

 また、来年早々、シドの仔が、分娩します。能力が高過ぎ、乳房が大きくなりすぎて、体型得点が最近悪いので期待してます。(5月にも、1頭シドの仔が分娩します。日高農場産で、アットウッドとコントラストの仔もいます。 今までと方向が違うような…)

2016-09-10 台風

北海道を襲った台風の影響は、甚大で、ここ日高でも、牛舎内に水が入った所、牧場に入る農道が崩れ、一時孤立したり、集乳車が入れず、牛乳を廃棄しなくてはならない所が出るなど多くの被害がありました。

 特に清畠周辺は、高波の被害で多くの家屋が浸水し、周辺のJR日高線も線路、鉄橋が大きく破損し、復旧の見込みが立たないほどの損害を受けています。(去年からの被害だけでも、復旧の目途が立たなかったのに、今回の台風の被害でさらに大きな被害を受けたのですから、今後の話し合いは、さらに難しくなるのでしょう…)

 日高農場の被害ですが、耕作のかまぼこ型倉庫のシャッターが全壊、f:id:hakkou-hidaka:20160901151652j:image:w360:right

フリーストール牛舎の屋根の一部が剥がれかけた(そのまま修理できる程度)場内の農道の一部の表土が流された程度で済みました。f:id:hakkou-hidaka:20160824102650j:image:w360:right

 デントコーンも何とか倒れずに済みましたし、築50年近く立つ本牛舎の屋根、経年劣化の目立つフリーストールのカーテンは無事でした。

 場内の計測器では、1時間の最大雨量は48mmを示し、1日の雨量は170mmを越えました。 最大風速17m/s、最大瞬間風速23m/sでした。

 この中で、被害がこれだけで済んだのは、農場が高台にある、防風林に囲まれている等、地理的(環境)にかなり助けて貰っていることが大きいと思います。

 多くの農家が被害を受け、大変な状況の中、今週、市場が開かれました。 今回も先月に引き続き1頭だけの出場です。

 台風の影響も心配しましたが、価格は、高値のまま。

今回出場した牛は、美国桜×安茂勝(297日 318kg)と少し軽めでしたが、期待育種価がBAAAAAだったので、体重の割には、高めの83万円で落札して頂きました。

 下がる、下がると心配しながら、高値安定のの相場ですが、今後はどうなるのでしょうか。

 先月発表された統計では、1年間に廃業する肉牛農家は2500戸、酪農家は、700戸を数えます。 また、酪農家が肉牛を交配する率が30%を超え、特に内地では50%にもなる現状は、将来の不安を駆り立てます。(素牛価格の暴落、乳牛の不足…) 年間繁殖計画も良く考えないといけません