電柵

 静岡県の電柵事故は、本当に痛ましい事故で悲しくなります。
 日高地方は、馬産地の為、電柵は、あまり普及していませんが、日高農場では、20年以上前から電柵を導入しております。
 
総距離は、数キロになりますが、利用している会社は、ずっとサージミヤワキのガラガーの製品です。
 ニュージーランドの会社なのですが、安全で安定した性能を持っており、今まで、事故が発生したことはありません。
 電牧器は、100V の電気の電流を落としパルス化して、瞬間的電気ショックに変えています。 常に通電しているわけではないので、痛いと感じた瞬間、手がはじけます。 冬、車を降りるときに起きる静電気的なショックと同じ様な感じだと思います。
 電柵ですから、痛みがなければ意味がないのですが、今回のようにひどい火傷や電気の為に指が切断されるような状態には、まず、ならないと思います。
 今回の事故は、安全装置が全くない状態で使用していたとしか考えられません。 (100vのコンセントに直接つないでいたとか、漏電ブレーカーを改造していたとか)
 鹿によって切られたり、また、草が濡れて電柵に接触し、そこから漏電したり、漏電すると電気が流れなくなりますので、電柵の価値がなくなります。現場は、川辺ですし、(水分が多い場所は、漏電しやすい)また紫陽花は、この時期成長しますから、成長して接触しても電気が流れるように(電圧を上げる?)改造したのかもしれません。
 当場では、春先に電柵の下に除草剤を撒いたり、定期的草刈りをしたりしています。
 しかし、不思議なことに、動物たちは、通電しなくなったことを気づくことができるようなのです。うちのホルスタインの育成牛は、電柵のスイッチを切るとパドックから脱柵します。 (なぜ、わかるんだ?) 
 電牧器には、電気のレベルゲージが付いています。毎日確認していますが、それがオレンジになれば、漏電しています。うちでは、このようなテスターを使って、漏電箇所を探しております。

 このように漏電している数値と場所を矢印で示してくれます。

 一般のユーザーの方が持っていることは、少ないかもしれませんが、電柵のメンテナンスには必要な器具です。