実践教育

 昨日、鹿追町ヘルパー組合さん11名の見学がありました。 札幌の牛舎に比べると見学者の数は、桁違いに少ないですが、それでも年に何組かは見学に来られます。
 共進会に牛を出陳しているわけでもないので、何を見るにしても、牛の飼い方や、牧場内の設備の見学になります。
 後、よく聞かれるのは、”学生は、どんなことをしてますか?”と言うこと。 これは、どんな作業をしているか、という意味と、どんなことを学んでいるんですかと言う意味で捉えて毎回答えています。
 答え方は色々あるのですが、日高農場で教えていることは、”動物愛護(アニマルウェルフェア)””効率的かつ経済的作業”あと”コミュニケーション(人間同士のほか、動物との関係)”の三つが幹になります。
 これを、バランスよくするのは、結構難しいです。
 動物がかわいいだけでもダメ、経済だけ追及してもダメ、酪農は一人ではできませんから、コミュニケーション能力(家畜の扱い方も)も重要です。
 学生は、学んでいく過程で、さまざまな問題を解決しながら作業をしていかなければなりません。ただ、言われたことを毎回していても、それは、決して正解ではなく,常に考えながら、臨機応変に対応することが求められます。(ずっと同じ状態の牛などあり得ませんから、結果として、朝令暮改は当たり前、学生は、常に牛を見ることが求められます。) 
(昨日生まれた仔牛。分娩なんか、その最たるもの。日高農場で今年度のホルの分娩だけでも、双子、ET黒毛、9産目、4産目、2産、初産といろいろ、だから、その時々で管理、対応を変えています。 だって、条件がみな違うでしょ。)
 また、農業で一つの解だけを求めることは、出来ません。学生は、出来るだけ多くの事柄を学び、経験することで、その中から最善の答えを導く方法を学ぶことになります。 いままでの学校では、答えがひとつだったのに、常に条件が変わって、答えが変わるわけですから、学生も大変です。 でも、これが、日高農場の特徴なのです。