Captain Beyond(1972)

Captain Beyond
2期パープルに夢中になったハード・ロック少年にとって、1期パープルは無視するべきださい存在だったが、今は全然そんなことは思わない。いかにも60年代風の中音域に膨らみのあるロッド・エヴァンスのボーカルは魅力的だと思っている。
そのロッド・エヴァンスとサイケデリック・ハード(?)の「アイアン・バタフライ」のギターとベースに元「ジョニー・ウインター・アンド」のドラムが加わって結成された「キャプテン・ビヨンド」は、昔から名前も知っていたし、評判も聞いていたが、今まで聴く機会がなかった。
曲はすべて、ロッドとなんとドラムのボビー・コールドウェル(有名なボーカリストとは同姓同名)の共作である。このドラムがまた正確無比で驚かされる。ハイハットワーク、スネアワークがすばらしく、ブラッフォードがハードロックをやったらこんな感じか?このドラムを聴くだけでも価値ありか?
アナログA面は同傾向の短いシンプルなハードロックがたたみこまれるようにノンストップで続く。B面はプログレ、ジャズロック、はてはラテンロックまで意識したバラエティとんだ曲構成の組曲がやはりノンストップで演奏されあっという間にアルバムは終わる。このアルバムは未だに日本でだけ人気が高いというが、小気味のいいのりと、この様式美のせいだろう。肝心のロッドは、時代の流れか高音域を意識した歌唱で、彼の持ち味が100%生きたとはいえない。可も無く不可もない平均点か。何にしろ、聴いて損は無いアルバム。