ワーグナー「トリスタンとイゾルデ」

クナッパーツブッシュ指揮 バイエルン国立歌劇場管弦楽団(1950)
また、「トリスタンとイゾルデ」をいろいろと聴こうと思って、まずはクライバーからとりかかったのだが、クナの「指環」とかを聴きこんでからだったので、クライバーも名盤なんだが、途中でどうしてもクナが聴きたくなってしまって、やはりクナを聴いてしまう。以前にも書いたが(こちら)この人のワーグナーは息遣いが自然なのだ。テンポが上がっても、追い立てられる感じも無く、気がつくと「トリスタンの音世界」の中にいる自分を発見する。やはり、この人は他の指揮者とは次元が違うのだ、と改めて思う。
しかし、歌手はちょっといけない。第2幕の愛の二重唱は、メロディの掛け合いでクライマックスに到達するのだが、絶叫調で、掛け合っているメロディが台無しになっている。うまくいかないものだ。

「エクスカリバー」と「トリスタンとイゾルデ」

最近ネット上で「トリスタンとイゾルデ」の元になった「トリスタンとイズー」伝説について、いろいろと見ていたのだが。
トリスタンとイズーの逃避行の時、森の中に潜んでいたのだが、森番の密告によりマルク王がそこを訪れると、二人は抜き身の剣を間に挟んで眠っていていた。
マルク王はその剣を自分の剣と取り替えて去って行った。
というくだりがあった。
あれれ???これって、アーサー王伝説の映画「エクスカリバー」で、ランスロットとグィネビアが裸で寝ているところへアーサー王がやってきて、二人の間に剣を突き刺し去ってゆく、ってシーンに似てないか?
実は、この映画を見た後、このシーンの元ネタが知りたくて、けっこうアーサー王伝説を関連を調べていたのだが、見つからなかったが、ここだったのか!
アーサー王」=「マルク王」「ランスロット」=「トリスタン」「グィネビア」=「イズー」という図式は以前に気が付いていたが(こちら)これもそうだったのね。