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2011-03-10 「悲しみの効用」

hakubi-manner2011-03-10

悲しみの効用とは、作家 五木寛之氏の講演のタイトルである。

帝国ホテル開業120周年記念、日経プレミアムフォーラムの最後の企画である。

かねてから氏の声がラジオから流れるのを、心地よくお顔をイメージしながら、その優しい語り口に惹かれ、心を交わせ楽しんでいたことでもあり、数々の氏の作品は映画化され、「青春の門」は強く印象にも残っている。近頃は、「親鸞」なる長編小説が話題である。

作家活動を一時休業し、龍谷大学にて仏教史を学び、執筆活動を再開、現在、泉鏡花文学賞吉川英治文学賞、その他の選考委員を務められ、日本各地からの依頼の講演に、多忙な日々のご様子である。

昭和7年のお生まれとは… 信じがたいほどお姿と声、語りは若い。久しぶりにレジメを用意して、500名の参加者を前に少々緊張と冒頭におっしゃっておいでである。

「暗いはなし」がテーマなのに、チケットは瞬く間に完売。帝国ホテル中2階、光の入口は早くから長蛇の列、開場を待っている。氏の話によると、「暗いはなしがうけている、しかも依頼される相手は、「銀行」「IT企業」「医者」とのこと。おもしろい現象であり、かつては必要としない人々に必要とされている。この社会現象をまさに悲しむ。世の中が病んでいる証拠」と、うなずけるような言葉ユーモアを交え、時には声を出して笑い、また涙をためて真剣に氏に耳を傾け大きくうなずきもした。老若男女、氏の話を聞きたいと思う人のなんと多いことか。氏から元気や活力、エネルギーをいただきに参加するのではない。そうではない、癒されたい人の集まりなのか…とも。

90分の講演は「慈悲」の言葉で見事に締め括りとなる。仏教の慈悲である。その慈だけにとらわれ、悲を無くしてしまった戦後日本人。私たちが無くした悲は、今の時代こそ大切にしたい。悲しい時には声を出して悲しいと言い涙を流す。慈と悲とを宮本武蔵のように、二刀流で使いこなして生きていく。これが現代の生き方であると、氏からのメッセージである。悲しみは大切なこととして受け止め、それに浸り、また声に出す、そしてそれを乗り越えるのであると、再度、私なりに共感した次第である。


冠婚葬祭マナーコンシェルジェ日記 作者 Rainbow カテゴリー こころ豊かに

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フォト : 日経プレミアムフォーラムパンフ

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